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読まれる日常と、読む非日常。  作者: 金木犀
弐:これから始まりを告げる為に幕が上がる。
35/46

――梅雨明け。伴い、明けるこれから(後)

二十一話目(後編)を更新しました!!

いつも読んでくださっている方、ありがとうございます


それではお楽しみください!

「――てな、訳だ。 だから、俺も詳しい事は行ってみないと分からない」

勘違いをされないように電話の内容、これからの事について分かっている事は全て編に話した。

「あまねちゃんなら……許す」

「あ、内容じゃないんだ……」

それでも納得していないのか、編はプクーと頬を膨らませる。

「でも、ちゃんと手前がいるから大丈夫だよね」

「いや、何がですかね?」

「どうせ、つづりの事だもん。 変な企みでも考えてたんじゃないの?」

「俺に対する信頼はゼロに等しいのか?」

「違う、信頼してるからこそ、疑うんだよ。つづりって誰にでも優しいから……」

――違う。


昔、俺の精神状態がまだ不安定だった中学時代に同じように言われたことがある。

『誰にでも優しいんだね』


『違う。 誰にでも優しいんじゃない、誰にでも同じ顔しか見せられないんだ』


悲観的に言った少女に、俺は微笑み答えた。

そして少女は表情を変えることなく、

『――変わらないんだね。その笑顔も』

ただ言葉を並べただけのように見えた。


あの少女は誰だったのか――

思い出そうとすると、頭が痛くなる。

思い出すことがないように、体が拒んでいるのだろうか。

思い出してはいけない過去なのだろうか。

そもそも過去と呼んでも良いのだろうか。

少女にとって、俺に吐いた言葉は『挨拶』みたいなもので、記憶に残っている程のものじゃないのかも知れない。


それならいっそのこと忘れた方が良いのだろうか。

いや、それならもう思い出す事が出来ない時点でそれは、忘れたと言った方が良いのだろう。

――これからの為にも。


「――つづり? 大丈夫?」

「え……あぁ、大丈夫だ」

考え事に陥ってボーッとしていたのであろう俺に編は心配そうに体を揺さぶる。

それでも足取りは進んでいて、目的地である学校が視界に入ってきた。

休日の学校というものは、外から見ても閑散としているのが何となく感じ取れた。

少なくとも学校にいるのは部活生と先生達だけで、一般生徒は、当然の事、休日を満喫している。

というのも、悠ヶ丘高校は部活があるにも関わらず、活気がない為、全校生徒でも部活生の方が少ないというのが現状で、そのせいでもあるのか聞こえてくる部活生のかけ声もどこか寂しく聞こえてしまう。


「確か東雲は……」

待ち合わせ場所、それは影倫室前の廊下だった。見慣れたベンチにでも座っているのだろうか。

いつもとは違う雰囲気の校舎内をキョロキョロと忙しい編を連れて、足音が異様に響く廊下を進み、目的地が次第と見えてきた。

予想した通り、東雲はベンチに腰を降ろし、大人しく窓の外を眺め、

その姿は、『東雲らしさ』というのを強調させていた。


「――待たせたな、東雲」

自分に近づいている足音に気付かなかったのか、一向に視線をこちらに向けない東雲に普段は向うからしてくれる挨拶を俺の方から始めた。

「あ、おはようございます。――ジュウシチヤ君と編ちゃん、今日は、来て頂いてありがとうございます」

誕生日パーティーにでも参加したかのような挨拶をすることや、深々と礼をする姿も東雲らしい。

「それで、東雲。 今日は何をするんだ? ――薄々分かってはいたけど、委員会の仕事の事なんだろ?」

「――はい、ジュウシチヤ君の言う通り、委員会の仕事なんです。 それも委員長から直接仕事を頼まれてしまい……一人では流石に効率が悪いと思いまして――ジュウシチヤ君に助けを求めてしまいました……大切な休日を、本当にすみません」

「い、いや。また、そんなに頭を……俺だって、臨時だけど影倫の一員なんだから助けると言うか、その委員長から請け負った仕事は俺にとっても大切な仕事の一つになるんだ。だから、そう、謝らないでくれ」

謙虚なところも『東雲らしさ』というのに含まれるのだが、そう何度も謝られると良い気分ではない。

むしろ、寂しく思ってしまい、

もう少し、心の内を明かして東雲には接してほしいと願ってしまうのだ。

しかし、そんな事を言うと、変に勘違いされてしまいそうで、俺の方が身構えてしまい結果、この状況は変わる事の無い、挨拶の延長線上になってしまいそうでと、変な心配事をしてしまっている俺は――東雲にどう映りたいのか、そんな事を模索中でもある。

「――そ、そうですね。 私だって、ジュウシチヤ君は影倫の一員だと、大切な仲間だと思っていますから、今回委員長に頼まれた仕事は、委員分担して取り組んでもよいと――そう言う事ですね?」

「あ――うん、まあ、そう言うこと」

――何度も言うが、『東雲らしさ』の解釈である。


「――まぁ、とりあえず」

こんな所で東雲と駄弁るのもそれはそれで充実した時間になるのだが、委員長とやらに与えられた仕事をしないといけない。

「そうでした。まだ仕事内容をジュウシチヤ君に話していませんでしたね」

手をポンっと付き、それから仕事内容を詳しく教えてもらった。

東雲は説明するのが上手い。例え難しい内容だったとしても、それを自分で飲み込み展開して、分かりやすく組み立て教えてくれるだろう。

しかし、今回の場合は分かり易すぎたのかもしれない。

東雲がすごく分かりやすく教えてくれたことを更に簡略化して、教えよう。


最後まで読んでいただきありがとうございます。


感想・評価・ブクマの登録の程もよろしくお願いします。


次話は七月三十一日に更新予定ですので

そちらの方もよろしくお願いします!

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