僕の方翼
神なんて信じない。
いたとしても無能な神なんていらない。
貴方は、僕を愛してくれますか?
そう、僕は、生まれた時から運命ずけられたように、同じ夢を何度となく見続けていた。その夢で引き離された僕の片翼を夢と片付けられずに探していた。
だが、何事もなく過ぎ行く毎日に、ただの夢にすぎないのかときぐしながら過ごしていた。
そんなあるクリスマスの夜、僕は、粉雪が舞い散る中、交差点を歩いていた。
そうしたらほんの一瞬擦れ違った相手を振り返った。
そうしたら、彼もまた同じように振り返って僕と目が合うと戸惑いながら笑っていた。
「あー変な奴だと思うかもしんないけどさ、あんたの右肩に翼が見えたんだけど。天使とか?まさかな」
髪をがしがしと掻きながら見つめる瞳が熱い。
「天使では、ありませんけど。僕にも見えましたよ。貴方の左肩に翼が」
にこりともしたことがない僕だけど彼には、自然と笑みを浮かべる。
するとそろそろと彼の手が僕を抱き締めてキスをする。
やっと見つけた。
僕の片翼
今なら神を信じていいかもしれない。
神が貴方と僕をもう一度一つにしたのだから。
貴方は、僕を愛して繰れる。
僕だけを愛して繰れる。
いつまでも
end.