2-4: 新たなる仲間、刃となり影となる
ユートはダンジョン拠点に戻ると、
削った丸太で作った簡易椅子に腰を下ろし、大きく息を吐いた。
(……外じゃ、本当に何もできない……
光秀に助けてもらったけど……あのままじゃ、ミリアすら守れない)
胸の奥に悔しさがじわりと広がる。
(せめて……外でも一緒に戦える仲間がいれば……)
ふと思い出して、ユートはスマホ型アプリを開いた。
「……ん? “パーティー”って項目……こんなのあったっけ?」
タップすると画面に表示された。
《パーティー枠:5》
《現在:スライム(ぷに、ころ、もち)3枠使用中》
《残り枠:2》
「えっ……」
ユートは思わず固まる。
(スライムたちが外で一緒に来てくれること……
今まで“当たり前”だと思ってたけど……
これって《パーティー枠に入ってたから》外に出られたってこと……!?)
強烈な納得感が走る。
「ってことは……!
“外で戦える仲間”をパーティーに入れれば……
ダンジョンの外でも、一緒に戦ってくれるってことか!!」
胸が一気に熱くなる。
(外で使える仲間……
ミリアを守るための、“護衛”が必要なんだ)
ユートは震える指で“召喚可能モンスター”一覧を開く。
その中に――二つの候補があった。
■《コボルト(知性型:忍) DP:80》
素早く、洞察力が高い。隠密・斥候・補助向き。
《会話可能/高度判断可》
■《コボルト(知性型:剣) DP:80》
技量が高く、護衛に最適。
《会話可能/武器適性あり》
「……こいつら、会話できるのか……」
胸の奥で何かが決まった。
(ミリアのためにも……
もう二度と、無力で死にかけるのは嫌だ……!
俺は強くなる。
そして、一緒に戦ってくれる“仲間”を迎えよう……!)
ユートは召喚ボタンを押した。
「――来てくれ。
これから俺と一緒に、生きていく仲間になってほしい」
光が二つ、拠点内に満ちる。
◆ 先に姿を現した影 ――“忍型コボルト”
光の中から現れたのは、小柄で俊敏そうな影。
黒い毛並み、布を巻いたような軽装。
片膝をつき、深く頭を下げる。
「召喚に応じて参上つかまつった。
主殿の命に従いし者……名は、まだ無し」
ユート「な、名前……!」
(そうか……名付け前なんだ……
なら……この俊敏さは――)
「……“サスケ”って名前はどうかな?」
コボルトの瞳がぱっと輝いた。
「サスケ……!
かたじけない! 本日より、拙者はサスケ!
主よ、命を預け申す!!」
◆ 続いて現れた影 ――“剣型コボルト”
長身で青い毛並みのコボルトが、ゆっくりと片膝をつく。
所作はまるで侍。
「殿。
拙者、名持たぬ剣士にございます。
殿の命に従い、ただ剣を振るうのみ」
ユート「名前……
じゃあ、“コジロウ”ってどうだ?」
コボルトは静かに頭を垂れた。
「――ありがたき幸せ。
拙者は今日より《コジロウ》。
殿の剣となり、生涯を捧げ申す」
スライム三匹がぴょこぴょこ跳ねて集まる。
ぷに(なまえ! なまえ!)
ころ(ふたりとも、つよそう〜!)
もち(……ぷにゃ……すごい……)
サスケ「主よ、かわゆい家族でござるな!」
コジロウ「殿、これで外でも護衛が整いましたな」
ユートは胸を熱くしながら、ぎゅっと拳を握った。
(……もう、俺は一人じゃない。
ミリアを守れる。
外でも戦える。
そして――本当に“強くなれる”。)
決意が胸の奥で燃え上がる。




