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ダンジョンチーター!〜転生社畜の勘違い最強ライフ〜  作者: 北風
第1部 ダンジョン実験編

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23/45

「二つの影」

 ダンジョンから少し離れた丘の上。

夕日が森の影を長く伸ばし、その闇に二つの影が静かに溶け込んでいた。


 ひとりは黒いパーカーのフードを深く被った男。

もうひとりは、白いパンツだけやたら清潔な男。


 奇妙な取り合わせだが、

ふたりとも周囲の視線を気にする素振りすら見せない。




白パンツ「……見たろ? さっきの調査隊。

 あれだけの規模のゴーレムを突破しやがった」


 黒パーカーはわずかに目を細め、ダンジョンの方向を眺めた。


黒パーカー「悪くない動きだった。

 人間としては、上位に入るだろう」


白パンツ「“人間としては”ね。

 言い方がいちいち腹立つんだよな」


黒パーカー「事実を言っているだけだ」




 白パンツは肩を竦める。


白パンツ「にしても、あの演出は完全に召喚だと思われてたな。

 ゴーレムも穴も光も、全部だ」


黒パーカー「……ユートが考えたにしては、出来過ぎだな」


 声は淡々としていたが、その奥にわずかな楽しみが混じっていた。


白パンツ「誘導したわけじゃねーよな?」


黒パーカー「していない。

 あれは、彼自身の判断だ。

 成り行きの産物にしては……悪くない仕上がりだ」


白パンツ「おまえ、本当に気に入ってんな。ユートのこと」


黒パーカー「興味深いだけだ。

 ――無自覚な選択ほど、予測しづらいものはない」




白パンツ「にしても、連中も気づいたぜ。

 あのダンジョンには“コアがない”って」


黒パーカー「疑似核で誤魔化せるのは、あの層の観察力までだろう」


白パンツ「面倒になるんじゃないのか? 深く掘り下げられると」


黒パーカー「面倒ではない。

 むしろ“流れ”が変わる方が、観測する価値がある」


白パンツ「お前さぁ……ほんと、そういうところが性格悪い」


黒パーカー「褒め言葉として受け取っておく」




白パンツ「じゃ、今回の勝負は引き分けか?」


黒パーカー「そうだな。

 お前の側の調査隊も、生き残った。

 こちら側の駒も、無傷だ」


白パンツ「まだまだ決着は先か」


黒パーカー「……急ぐ理由はない」



---


白パンツは大きく伸びをした。


白パンツ「さて、帰るか。

 この後の流れ、誰がどう動くか楽しみだな」


黒パーカー「同感だ。

 次に動く者によって、盤面は大きく変わる」


白パンツ「また、あの人間に期待してるわけ?」


黒パーカー「どうだろうな。

 いずれ分かるさ」




 ふたりは揺らめくように輪郭を薄め、

そのまま静かに森の闇へと消えていった。


世界はまだ気づいていない。

すでに“変化”が始まっていることを。


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