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ダンジョンチーター!〜転生社畜の勘違い最強ライフ〜  作者: 北風
第1部 ダンジョン実験編

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19/45

1-12: ゴーレム戦 ― 偽りの核をめぐる死闘

 ボス部屋全体が揺れるほどの激戦だったが、

国家直属の中級冒険者であるガイル隊の手際は圧倒的だった。


「前衛! 押し切れ!!」


 ガイル隊長の号令と同時に、

ドランが巨体を揺らして突撃し、

群がるゴブリンたちを次々と叩き伏せていく。


リナ「《フレアボルト》!」


 後方の群れが火球で燃え上がる。


ドラン「ふん……弱ぇな。数だけじゃ脅威にもならん」


リナ「でも油断は禁物よ。――後衛に流れた個体は私が落とす!」


 鋭い魔力刃が一閃し、ゴブリンの首が宙を舞う。


 床に積み上がる死体の山。

狂気じみて襲いかかってきたゴブリンたちも、今は沈黙していた。


リナ「……一体一体はやっぱり弱いわね。

 だけど、“召喚口”……あれは何だったの?」


ガイル「答えは前だ。――まだ本丸が残っている」


 全員の視線が、部屋の奥で無言に佇む巨大ゴーレムへと向かう。


 床が低くうなりを上げた。


ゴゴゴゴッ……


リナ「来るわ!!」


 ただ一歩動いただけで、重圧が空気を押しつぶす。


ドラン「……っ、なんつー威圧だよ……!」


ガイル「全員、位置につけ! 前衛は散開して中央突破を誘え!」


ドラン「任せとけ!」


 ゴーレムの右腕が唸りを上げて振り下ろされる。


ドラン「来いよ!!」


 ドランは盾を構えて正面から受け止めた。


ドゴォオオォッ!!


「くっ……ぐぬ……!!」


リナ「ドラン、耐えて!!」


ドラン「まだ……折れちゃいねぇ!!」


 ひしゃげかけた盾を押し返し、巨体を揺さぶる。


ガイル「今だ、両側から攻撃!!」


ドラン「おうよっ!!」


 片手で盾を支えながら、

もう片方の手で大剣を振り抜き、ゴーレムの足に叩き込む。


カンッ!!


 火花が散るだけで傷は浅い。


リナ「硬すぎ……じゃあ、弱点を狙うしかないわね!!

 《アイスバレット》!」


 氷弾が関節へ撃ち込まれ、ゴーレムの動きが鈍る。


ガイル「狙いは胸部の光! あれが核で間違いない! 一点集中だ!!」


リナ「最大火力、いくわよ!!

 詠唱に入る――援護お願い!!」


 魔力が渦を巻き、空気が熱に震える。


「――《フレアランス》!!」


 灼熱の槍が一直線に胸部へ突き刺さる。


ズドォォン!!


 大爆発。胸部に深い亀裂が走る。


ドラン「いいぞ!! 押し切る!!」


 ドランは吠え、剣をさらに叩き込む。


ガガガガッ!!


 胸部の光が揺れ、ひびが広がる。


リナ「……割れる!!」


ガイル「全員下がれ!!」


 ガイルが最後の一撃を叩き込んだ。


――パリンッ!!!


 “核”が砕け散り、光が失われる。


ドウゥゥン……!


 ゴーレムは膝をつき、そのまま崩れ落ちた。


ドラン「っしゃあ!! やってやったぜ!!」


リナ「……終わったみたいね。

 でも……これ、やっぱり変よ」


 ゴーレムの胸部に手をかざし、魔力を読む。


リナ「これ、“魔力核”じゃないわ。

 本物のコアならあり得ない、ただの《魔力塊》……」


ガイル「つまり――ボスがコアじゃなかった、ということか」


リナ「というより……

 “このダンジョンにコアが存在するのか”すら怪しいわね」


ドラン「ダンジョンにコアがねぇなんて聞いたことねぇぞ……?」


ガイル「……一旦撤収する。

 これは自然ダンジョンの異常では済まされん。

 上に報告する」


リナ「同意。絶対、普通じゃないわ」


 調査隊は無言で帰路についた。




一方その頃


ユート「よし……ゴーレム演出、大成功……!」


ぷに(ぽこぽこっ) ころ(たのしかった〜) もち(こわい……)


ユート「いや〜、穴と光のタイミングも完璧だったな!

 これなら冒険者も“ボス召喚してる”って思うって!」


 ――すでにガイル隊がゴーレムを討伐しているとも知らず。


ユート「は〜……満足満足。今日はもう寝よっかな」


 三匹が寄り添い、ユートはのんきに目を閉じた。


「……明日も頑張ろ」

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