主が知らないスライムたちの日常
三匹のスライムは、ユートが作った新しいスライム部屋の真ん中に集まって、
小さく“ぷにぷに”震えながら会議をしていた。
ぷに「ぷに……(広くて安全。でも暗いところもある)」
ころ「ぷころ!(広いの最高!)」
もち「ぷに~(寝れる)」
三匹の性格ははっきりしている。
ぷに:慎重・観察眼がある → 罠の安全確認が得意
ころ:元気 → 探索と新階層チェック担当
もち:マイペース → 癒し担当(意図せず)
三匹は六階層の防衛部屋をチェックしに行った。
回転床、ループ構造、方向感覚を狂わせる音。
ころがハイテンションになって回転床で遊んだ結果、
着地で転んだところをぷにが慌ててクッションになる。
もちだけは黙々と床の硬さを確かめていた(たぶん寝床探し)。
そんな中――
ころが壁際のくぼみを見つけた。
ころ「ぷころ!(なんかある!)」
一同が覗きこむと、
小さな**淡く光る“魔石”**が落ちていた。
ぷに「ぷに……(魔力……あり)」
もち「ぷに~(あったかい……)」
この世界では自然なことだ。
ダンジョンの魔力が濃い場所では、
一定の周期で魔石がぽろっと生成される。
ころ「ぷころ!!(部屋に飾ろう!)」
三匹は協力して魔石を運び、
スライム部屋の隅に“宝物置き場”として設置した。
ころ「ぷころ!(ユートにもあげよう!)」
ぷに「ぷに……(賛成……)」
もち「ぷに~(賛成……ねむ)」
三匹は、
ユートが休む寝床の近くに“もう一つの魔石”をそっと置いた。
ダンジョン内には、
ユートが知らないだけで魔石がまだ何個か転がっている。
「ただいま……」
三匹が一斉にぷるぷるっと揺れて出迎える。
ユートはすぐに魔石に気づいた。
「……ん? え、これ……お前らが置いたのか?」
三匹は誇らしげに揺れた。
ぷに →(うん)
ころ →(すごいでしょ!)
もち →(ねむ……い……)
ユートは少し驚き、少し照れ、
そして少し勘違いした。
「……なんか……俺、守られてるな。
ありがとう……よし、明日からもっと頑張るわ」
(※完全に“仲間から好意を向けられている”と勘違いしている)
三匹は嬉しそうに、でもどこか呆れたように揺れた。




