#9 夏季
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#9 夏季
7月後半、終業式。
いよいよ明日から夏休みが始まる。
「えー、皆さん、1学期お疲れ様でした。今年の夏もー(どうたらこうたら)...」
校長の長い話のあと、教室に戻り通知表が配られる。
「いやー!ついに一学期が終わったねー!!」
陽花のテンションが高い。
「夏休みは何します?海?花火?スイカ割りに肝試しなんかもいいですね!!」
テンションが高いのは沙奈も同じだった。
「ちょっとどうしたの!!明日から夏休みだよ?!
なんでそんな冷静でいられるのー!?」
陽花が私の肩を揺らす。
「べ、別にいいじゃん...!私はいつも通りなんだから...!」
すると...
「こら、相水!今はまだ夏休み前だぞ!!」
蒼先生にしかられ、ようやく我に返る陽花。
まだ通知表を配られただけで解散の時間になったわけではなかったからである。
クラスのみんなにもクスクスと笑われてしまった。
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昼になった。
陽花と沙奈と一緒に帰路につく私。
「んんーっ、ねえ今日はなんだか気分がいいからみんなでどこか行かない?!」
「陽花ってば相変わらずねー」
「何よっ!夏休みになってもテンション上がらない未帆に言われたくないー!」
...と、私にちょっかいを出してくる陽花。
そしてそれを眺める沙奈。
「あはは、本当2人は仲良しですね。」
楽しそうにクスクスと笑っている。
やー、もう陽花ってばー...!
「...それなら今からみんなでファミレスにでも行きませんか?」
「いいね!ちょうどお腹も空いてきたし行こう行こーう!」
...ということで私たちは近くのファミレスまで足を運んだのであった。
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ワイワイガヤガヤ...
終業式の日だけあって他の学生のみんなも多く訪れていた。
「んわーっ、やっぱ人多いねー。」
「他の学校も終業式だから...」
空いていないかと思ったがちょうど席が空いたタイミングだったので
すぐに席に着くことができた。
「へにゃーっ...。で?なんでファミレスに来たんだっけ?」
「いやいや、沙奈の誘いを受け入れたからでしょ...」
「あ、そうだったね。」
この反応に沙奈はクスクスと笑う。
「ふふふ、私も友達との誘いを忘れることがよくあるのでわかります...」
「いや、そこは忘れちゃダメでしょ...!!」
....と、2人のツッコミに徹していると、
「いらっしゃいませ。ご注文がお決まりになりましたらお呼びください。」
水を持った店員さんがやってきた。
すると席を去ろうとする店員さんを止める沙奈。
どうしたんだろう...
「あ、あのー、すみません。」
「はい、なんでしょう。」
「チョコレートパフェくーださい。」
「すみません、どのチョコレートパフェでしょうか...」
「えっ?チョコレートパフェってひとつしか...」
「あのーお客様?ご注文がお決まりになりましたら、お呼びくださいね...?」
そう言って愛想笑いで誤魔化しながら厨房のほうに去っていく店員さん。
そりゃあ...こんな忙しい時にこんな客が来たら店員さんも困るよね...
なんか沙奈を止められなかったことが申し訳なくなった。
「...あ、私が思ってたのは別の店のチョコレートパフェだったみたい。えへ...」
メニューを見ながらデザートのページを確認する沙奈。
「もう...デザートを先頼んでどうするの...。あ、私この釜めしで。」
「渋っ!!」
「キャラのイメージ守って!!」
ええっ、と沙奈や陽花に指摘される私。
い、いいじゃん!別に女子高生が釜めし食べてたって....!!
---結局沙奈はイタリアンパスタを、陽花は日替わりランチを頼んでいた。
「ごゆっくりどうぞ。」
...そんなこんなで食べながら、話は夏休みの話題に。
「ねえねえ!モグモグ...未帆はさー...むしゃむしゃ...夏休みってモグモグ...」
「せめて口の中空にしてから喋って。」
「ほんと!行儀悪い...むしゃむしゃ...」
「いや、沙奈も人のこと言えないし...」
まったく世話が焼ける2人だ...
「んでんで!!だから今年の夏休みはー、未帆。予定とかあるのー?」
「予定...?家族でお盆の帰省とか、そういうこと?」
「うんうん、そういうこと!!」
すると沙奈は陽花に聞かれていないはずなのに先に答える。
「私は予定ないですよ。強いて言えば、
これから陽花ちゃんや未帆ちゃんと一緒に予定を作ろうとしていたところ!」
「沙奈...!」
「...予定なんてないわ。私も陽花や沙奈と一緒に遊びたいなー、と
思っていたところだし...」
「未帆ー...!」
そうして嬉しそうに私たちに飛びつこうとする陽花。って、ちょっと!?
ガッシャーン!!
「あ...」
そのせいで陽花が食べていたランチが服に付き、
皿の一部が床に転がり割れてしまった。何やってんの、陽花...!
「お客様、大丈夫ですか?」
...すると駆けつけてきた男性店員さんから聞き覚えのある声が。
「なっ...」
何とその男性店員とは同じクラスの星野優だった。
すぐにこちらに気づいたようだが、それよりも先に皿の片付けや
陽花にタオルを渡したりする。
「まったく...店でも学校でも、あまり騒がないでくれないかい...?」
「ごめん、なさい...」
陽花は反省して片付けを手伝おうとする。すると...
「おいおい、素手で触ったら危ないよ。
大人しくしていてくれれば大丈夫だから...。」
ドッキーン!
優の横顔を見ていた私は思わず動揺してしまう。
そんな私と、片付けを進める優を見てニヤニヤしている沙奈。
「これでもう大丈夫。...あ、落ちた皿は弁償してもらうからよろしくね...。」
「はいぃ....」
落ち込んでしまっている陽花。
陽花には悪いが、優くんの優しい一面が見れて嬉しいと
思ってしまう私なのであった...。
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
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