#7 解決
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#7 解決
6月、イベントのない静かな月。雨の気配はまだ感じない。
そんな中、友達の沙奈が突然欠席するようになる。
警察の調査では学園周辺で相次いでいる失踪事件に
巻き込まれてしまったとのこと。
その情報を聞いた日の放課後。
路地裏に失踪したはずの沙奈を見かけたような気がして
足を止めた私は、ちょうどそこで同じ学園の先輩方と接触する。
自己紹介をしていると、沙奈がいたと思われる路地裏から現れたのは、
泰三とかいうおじさんで...?
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私は何がどうなっているのか戸惑っていると、
山村先輩が現状の整理をしてくれた。
「な、なるほど...先輩方のお知り合い...」
どうやらこの人も失踪していたらしい。
泰三さんにも話を聞いてみる。
「...失踪?何言うとるん。夢から目覚めたらここにおってん。」
「はい...?」
「いやいや。さっき路地裏から出てきたよ、ねぇ?」
ええ、私もそんな風に見えたわ。
それはそうと....
「ところで泰...三さん?霧島沙奈という高校生を見かけませんでしたか?」
とりあえず私は沙奈のことについて話を持っていってみる。
「...霧島...沙奈...?せやなあ、そんな名前だったかは定かではないけど
お前さんと同じ制服の高校生なら見かけたで。夢やけど。」
ほ、本当?!今のところ同じ学園で他の人の失踪情報は入っていないから、
その証言が正しければ沙奈で間違いないわ...!
...けれど夢って...
すると...
「き、きっと夢の世界や別世界へと
繋がっている空間があるんじゃないですか?!」
ここまでの話を聞いていたこのはが突然閃き出す。が...
「いや、それはさすがに...」
「何を言っているんだい、友の友?」
「大丈夫ですか、先輩...」
このときはまだ、私含め誰も信じていなかった。
「そ...そんなわけ、ない、ですよね、すみません...」
...ところが仮に夢の中だとしても、
私と同じ制服の人を見かけるという偶然は起こり得るのだろうか...
ここに来てこのは先輩の別世界説もあり得るような気がしてきた。
「...まあ、ですがその夢...の世界というのは
どのようなところだったのか覚えています...?
よくよく考えたら誰かの夢世界や別世界説というのも一理あるな、と思って...」
「ああ、ハッキリ覚えてるで。
確かレンガ造りの街並みに、大きな噴水があって...
そこでネタを披露するんやけど、そしたら人が大勢集まってきて...
みんなに大うけで金貨と銀貨がいっぱい手に入るっていう最高の夢やで...!!」
「レンガ造りの街並みに、金貨や銀貨、ですか...」
真っ先に思い浮かぶのはRPGのような世界感。
その夢の中にこの制服の人が現れるなんて不自然すぎる...
やっぱり誰かの夢の中説なの...?すると...
「うっす。」
「すみません、帰る途中に皆さんを見つけたもので...」
また誰か来た。男子っぽい見た目の女子生徒と、
大人しそうで綺麗な感じの女子生徒。
この制服...先輩方と同じ2年生だ。先輩の同級生だろうか...。
「...わ、わあ...!その...泰...三さん?!」
すると突然、右側にいた女子先輩が泰三さんを見て驚く。
「なんや、君らも最初の公演会のときのメンバーかいな。こりゃどうも。」
なるほど、公演会で会った知り合いだったのね....
「ところでこんなところで何してたんっすか?」
今度は男子っぽい女子先輩が山村先輩に質問する。
「ああ、それがね...」
ちょうどそのとき、
突然路地裏のほうには霧島さんの姿が現れた。
な、なんで....いきなり....?!
「ちょっ...沙奈...?!」
「...未帆...ちゃん...!!」
...私の名前を呼ばれた途端、男子っぽい女子先輩も一緒になって反応した。
なるほど、先輩の名前も美歩っていうんですね...
って今はそうじゃなくて...!!
沙奈は驚いてしりもちをつき、後ずさりする。
私はそんな沙奈に優しく手を差し伸べた。
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しばらくして沙奈が落ち着いた頃。
改めて先ほどの泰三さんの話について沙奈にも聞いてみる。
「...夢、なのかどうかは定かではありませんが、
確かにレンガ造りの街並みに大きな噴水が...」
「せやろ?!よくできた夢やで...!」
証言が一致しているのなら、やはり同じ夢の中説が濃厚?
けれどこんな路地裏からどうやって行ったのだろう。
...するとこのは先輩は沙奈にこんな質問をする。
「あ、あのー、泰三さんはともかく、霧島さんは自ら進んでその世界に
行きましたよね...?一体何をしに行ったんです...?」
たっ、確かに...?!さっきも自ら路地裏のほうへ...
どうしてそんな危ないことを...
戸惑う沙奈だったが、恥ずかしそうにその理由を答えた。
「あっちの世界で手に入る綺麗なアクセサリーを...
未帆ちゃんにサプライズでプレゼントしようと思ったからですっ!!」
なっ...
「わ、私の...ため...?」
ど、どうして....
つまり、夢世界で見つけたアクセサリーを、
私にプレゼントしようとしていた...?
「けれどごめんなさい...
そのアクセサリーを購入するには金貨や銀貨が必要で...」
私は涙目になりながら、居ても立っても居られなくなる。
「ダメだよ、沙奈...!私のために危険を冒すなんて...
まだ日は浅いけど、もう友達なんだよ...?勝手にいなくならないで....!!」
そう言いながら沙奈を抱きしめる。
何を考えているの...!!本当にもう...!
「そっか...ごめん...
私、アクセサリーよりも大切なことを忘れかけていたんだね...」
先輩方も一緒にもらい泣きしている。
そしてこれ以上夢世界についての質問はできなかった。
「...まあ、これで無事霧島さんを発見したということだから
僕は学校に戻って連絡して来る、ね...?」
山村先輩が気を利かせてくれた。
「ありがとうございます、先輩...」
こうして無事沙奈を救い出した私たち。
結局夢世界の謎は残ったが、とりあえず
沙奈が無事でよかったと思う私なのであった。
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
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