#21 演劇
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#21 演劇
10月後半、26日。文化祭の日。
以前も説明したように、この学園では
1年生はクラスごとに出店や出し物、
2年生はレストランとステージ発表、
そして3年生は全員ステージ発表に分かれている。
2日間の日程で行われ、1日目は2年生のステージ発表を見るところから始まった...。
「さてさて!最初のステージ発表は、2年生による劇になりまーす!
最初の劇は、1組による"愛のプリンス劇場"。どうぞお楽しみくださーい!」
開会式、オープニングセレモニーが終わり早速2年生のステージ発表がはじまる。
幕が上がると同時に私たちのいる会場からは大きな拍手があがるのであった。
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カチャン....
主人公役である男子生徒にスポットライトが当たる。
...って...あれ...?
あの先輩....確か、後輩ちゃん呼びの....
「僕はこの国の王子。今日は来年の王位継承に向けて隣国の視察だ。」
なるほど...確かにあの先輩、王子役にはぴったりかもね。
...劇は隣国へ向けて進んでいく。
その途中、ひとりの少年(...?)が
盗賊たちに襲われているというシーンに入る....
「きやー。助けてっすーー。」
かなりの棒読みっぷり。
確か私と同じ名前の美歩先輩だっけ。
[んぷぷぷぷ...!これなら私のほうが上手だよー!]
陽花は笑いをこらえながら呟く。
いや、それはまた先輩に失礼ね....!
しかし他の席のほうからもクスクスと笑い声が聞こえてきた。
...その頃ステージでは、王子役の先輩が
盗賊を薙ぎ払って美歩先輩を救出するシーンが。
「大丈夫かい、少年?」
「いや、ウチ女っす。」
再び他の席のほうから笑い声が聞こえてきた。
なるほど、そういう展開...?
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その後、話の中で美歩先輩は王子の向かう隣国の姫(役)であることが判明。
王子役の先輩は姫を助けたお礼に、ドレス姿の姫が一緒に城を案内してもらうのであった。
...そして案内する中で姫が最初に発した一言に、一同驚愕することに....
「...そういえば貴方、どこからいらしたこと?」
[はええっ?!]
先ほどの棒読みとは程遠いほど上手になった美歩先輩の演技。
さっきまで美歩先輩のことを馬鹿にしていた陽花も驚き戸惑っている。
「実は僕、視察でこの国を訪れた隣の国の王子でね....」
「お、王子様...?!」
驚く姿はまるで本当に恋する乙女。
美歩先輩の熱い視線に王子役の先輩も戸惑っているように見えた。
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自国に帰ってきた王子。
先ほどのシーンで姫に恋をしていた王子は、
国王である父に内緒で城を抜け出そうとする。しかし...
「王子様。いけませんぞ。父上に内緒で城を抜け出すなんて....」
兵士長に止められていた。
「止めないでくれ、兵士長。僕はあの人と結婚したいんだ.....!!」
なるほどね...よくある展開じゃない....
すると...
「話は聞かせてもらったぞ、王子....
ならばこの私を倒してから行くがよい...!!」
執事役の先輩が登場。
戦いに勝ったら城を出ることを許可するって感じの展開になる。
こういうのって結構演技力が問われるのよね...
すると...
「やめてくださいまし、執事さま!王子さま!!」
...突然メイド服を着た少女が執事先輩に飛びかかる。
あら、ここで展開を変えてくるのかしら...?
...と思ったら....
「...まったく。君も僕を止めるというのかい?
悪いが僕の愛はもはや誰にも止められないの、さ....」
[キャーッ!!]
陽花や沙奈を含めた会場のみんなからは黄色い声援が上がる。
すご...ここでオリジナル要素を出してくる...?!
「と、とにかくここを通りたくば私と戦うのだ王子よ!」
カキーン!
しかし執事役の先輩が強引に戦いに入る。
ってことはもしかして今のはアドリブなのかしら...?
ぐぬぬ....
「な、なかなかお強くなりましたのう、王子....」
しかしこの2人の演技はかなり息が合っていて上手い。
迫力ある演技に引き込まれる私なのであった。
...と、ここでお互い一旦引く。
次の瞬間、執事役の先輩は、
王子のほうに走って攻撃を繰り出そうとする。
しかし...
「おっ....と....!!!」
この動きを逆手に取られ、執事は地面に飛ばされる。
バタン....!!
そして倒れた背中の上から頭に剣を突きつけられた。
「お、お見事ですぞ、王子様....」
こうして王子は城を抜け出し、
姫との婚約を果たすという結末を迎えるのであった...。
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「すごい劇だったね!!未帆!!」
「そうね、思ったよりすごかった....」
劇が終わったあと、私たちは廊下で劇の感想を言いあう。
ちなみに今日はこのあと予定がないので私たちは自由に見学することになっていた。
私たち...って...あれ...?沙奈がいなくない...?
「...待って、陽花。沙奈は...どこ行った...?」
「あれ!ほんとだ!」
陽花も今気づいたんかい。
...ま、さすがにさっきまで一緒に劇を見ていたから
たぶんお手洗いにでも行っただけでしょ....
...すると廊下を進んだ先にある教室の前で、
うずくまった和沙とそれをなだめる沙奈の姿が見えた。
「ううっ...2年生の劇....すご...く...感動...しま...した....っ....うう...うう....」
「わかるよー、わかる...私も...あの結末...すごく....よかっ......ふえーんえんえん!」
なんか2人は先ほどの劇で感動して泣いている。
まあ感受性は人それぞれだものね....
苦笑いしながら和沙と沙奈を眺める私と陽花なのであった...。
2日目、メイド喫茶開店へ続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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