表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

鬼のつの

作者: 歌川 詩季

 つのがあってこそ、です。

 つのが1本の青鬼よりも

 つのが2本もある赤鬼のほうが偉そうだし

 あたしは鬼なんて

 つのが多いほうがこわいもんだと思ってた


 あたまのてっぺんだけじゃなく

 おでこのまんなかか

 第3の()が埋まってるあたりから

 かわりに3本めのつのをはやしてる黄色鬼は

 もっと強そうだし

 あたまだけじゃなく肩や背中

 たわむれにひらいてみた翼からも

 つのをはやしてる鬼は

 悪魔のようなおぞましさを かもしだしているよね

 さらにいえば 髪の毛のかわりに

 こまかい つのがびっりしりはえてて

 仏像のあたまみたいになってる鬼がいたら

 宗教的なそのルーツを感じさせるようで

 邪悪さをとおりこして

 神聖なものに対する(おそ)れも(いだ)くほど


 だけどほんとに いちばんこわいのは

 つのの多い鬼なんかじゃなかった

 ほんとにいちばんこわい鬼は

 つのを1本もはやさずに

 鬼のくせに あたしたちに

 鬼だと気づかせないステルス鬼だ

 そして つのの数だけで鬼のこわさを推察したり

 つののある/なしで鬼かどうかを判断してしまう

 あたしたちのなかの

 思い込みと油断という鬼なのだ



 そうやって考えてたら

 世の中のだれもかれもが鬼で

 どこもかしこにも鬼がいる気がしてきたぞ


 ぶるるっ!


 やっぱり 鬼ってこわい!!

 牛や鹿も鬼に見えてくる?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
渡る世間に鬼はどれほどいるのでしょうか。 自分自身が鬼にならないようにとも肝に銘じておきたいところです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ