第33話 廃墟と無関係な事実
俺は走りながら地上へ上がる階段より先に、
分電盤を見つけた。
「電源を付けよう。」
俺はもとの目的を果たしにその部屋へ飛び込む。
物理鍵だったが、
こっちはワイヤーは巻かれてないのですぐ開いた。
「よっし。
分電盤と非常用電源。
……非常電源も水素電池かよ。
古いしでかい。
動くのか?」
それ自体に印字されてる使用方法を見て、
俺は少し笑った。
ハンドルを人力で回してモーターで発電。
起きた電気をスターターにして水素電池を起動する。
「磁石もモーターも無事か?」
俺はそう言いながらハンドルを回して起動した。
どうやら起動できたようで、
非常電源のランプが点る。
俺は思わず緩む頬を我慢しながら、
通電のレバーを引いた。
部屋の電気が付いた。
「よし!」
俺は光るおもちゃを懐にしまって、
部屋を飛び出しまた走り出す。
「警備室に戻って。
いや、ダメだ。
侵入したときの穴の近くは見張られると思う。
なら、この建物の非常口!」
俺は廊下を観察しつつ、
通ってない道を選んで進む。
電子ロックのドアは警備室にあったカードキーで開いた。
上に上がる階段だ。
一段飛ばしで駆け上がる。
「天井が破られた。
ドアは意味ない。
なら、アイツら軍服どものいたのと逆サイドから逃げる!」
『境界』とやらをフル活用させてもらおう。
ただ、ロボットが二機も来た。
あれが貴重なものと仮定した場合、
今回は本気も本気で俺を捕まえに来てる。
「二機、いんや。
合計三機のロボットを潰した手前、
投降なんてできねぇぞー。
俺がロボットの整備士なら、
俺をぶっ殺しても足りねぇくらい怨む。」
今はメカニックたちの気持ちは無視して、
俺はひたすら走る。
「『貴様は完全に包囲されている!』」
外からだと思われる声が聞こえる。
もう聞きあきたフレーズだ。
俺はその声を無視してドアを開いた。
外だ。
だが、ロボットが建物を取り囲むように立っている。
見えただけでも数十体はいた。
「嘘だろ。マジか!」
俺は扉の中に戻ってドアをもう一度ロックした。
「『ロボットの総メンテナンス。
そう言う周知でカムフラージュして、
ロボットを出せるだけ調達した。
それなのに、早々に二機も破壊してくれたな!?』」
Oh。
そりゃ怒り心頭だろうな。
俺はドア越しに聞こえる声の主に同情しつつ、
次のプランを考える。
「『いいから聞け! 4125774!
お前はありもしない幻に踊らされている。
“転生”なんて、
ありえないだろう!?』」
予想外の言葉に俺の思考が一瞬止まった。
「『お前は植え付けられた偽の記憶、
“前世の記憶”というデータを試験的に植え付けられた個体だ!』」




