第31話 俺イン廃墟
白い壁、オレンジの床。
工場というか、病院というか。
いくつかの電子ロックドアを破壊しながら進む。
銃の残弾が不安だ。
「結局ここはなんなんだ?」
配電盤と予備電源を探しながら、
情報も集める。
「……壁のポスターを剥がした痕。
この痕があちこちにある。
これ、もしかして襲われた時に、
地図も含めて書類を全部燃やしたか?
なくないな。
重要書類と一緒に紙という紙を燃やす。
証拠隠滅だ。
中世の戦争とかで聞いた話だっかな。
ありゃ籠城の挙げ句、机と椅子も燃やしてたか。
それなら、尚更詳しく調べてぇ。
あの軍服どもがいなきゃな。」
さすがにここの机は金属製だし、
椅子もあるが紙は一枚もない。
それどころか電子機器も見つからない。
焦りが募るが、
今は止まるわけにもいかない。
ずっと小便我慢してる気分だ。
「今気づいたけど俺、トイレ行ってないな。
収容所ではしてたけど。
……もしかして、さっきのゼリー、
非常食なだけあってなんかあるのか?
便にならないなんか。」
考えうる原理としては、
ほとんどが水分になって小便で排泄。
でも、小便の便意もこねぇぞ?
「今はそれどころじゃないな。
もうそろそろ三十分とかだ。
ロボットがいつ来てもおかしくない。」
やっと階段を見つけた。
非常階段だ。
地下に行ける。
地下は電気がないので真っ暗だ。
俺は懐から光るおもちゃを取り出して、
周囲を照らす。
廊下は地上と同じだが、
地上と違って荒れている。
破壊跡もこそないが、
ゴミや家具が散らばって歩きづらい。
「バリケードかなんかだったのか?
キャビネットが縦に積んである。
人為的な置き方だと思うけど。」
地下に逃げて、バリケードを張って。
となると、電源もありそうだ。
「ロボットはまだっぽいから、
早く見つけてしまいたい。」
奥へいくにつれて、
キャビネットだけでなく機材や椅子も積まれている。
機械類はここに集められていたようだ。
「……詳しく見る時間がないが、
パッと見どれもケース開いて中身取り出してるな。
メモリとかディスクにあたるものがなくなってる?」
なんだか嫌な予感がしてきた。
俺は先を急ぐと、
大きな扉が見えてきた。
「……分電盤、じゃないな。
赤いマークと黄色いマークは、
危険薬物の印か。
前世のものと違うけど、
これも文字と同じ扱いで理解できるのか。」
女神の妙な律儀さに頭を抱えながら、
俺はその扉に手を掛けた。
物理鍵だ。
マスターキーの束から合う鍵を探して開いた。
ノブを回してドアを押したが、
開かない。
「……中につっかえ棒?」
二枚のドアの隙間から見える金属の何か。
多分、ノブとノブとを繋いで開かないようにしてる。
「ワイヤーか何かだ。
……仕方ない。」
俺はドアから離れて銃を構えた。
今度の狙いはドアノブ辺り。
俺が引き金を引くと、レーザーが発射された。
「襲われて部屋の中から閉じて籠城してたのか?
それとも逃げ道があるのか。
どっちにせよ、オープンセサミってやつだ。」
俺はそう言ってドアを開いた。




