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不安な気持ち

ご覧いただきありがとうございます。楽しんでいただけますと幸いです。


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最低、週に1回は投稿出来たらと思っていますので、よろしければブックマークをして更新をお待ちいただけますと嬉しいです。


感想もいただけますと踊り喜びますのでお気軽にコメントいただけますと幸いです。

 急いだ様子でリビングに入ってきたライカから来客の予定を告げられ、その直後に玄関の扉が叩かれた。


 展開の速さに驚きはしたが、直ぐに冷静になり急いで玄関へ向かう。この家の構造上、訪ねて来たのは件の来客だろう。そう思いレノは呼ばれるがまま玄関の扉を開ける。


 扉の向こうで待っていたのはレノよりも少し年上に見える背の高い青年だった。


 魔法使いでありライカの友人ということで、勝手に来客は女性だと思い込んでいたレノは、その姿を見て固まる。性別に加えて容姿が同性のレノから見ても美形であったことも拍車をかけた。


 整った目鼻立ちに映える緑の瞳は凛々しく、長めの銀髪を下の方で一つ結びにしたその姿は正に王子様といった風貌だった。魔法使いというのは美形ばかりなのかもしれない。


 固まるレノに対し、来客が声をかけようと口を開く。


 その瞬間、レノの後方から横を強風が通り過ぎた。そして、そのまま目の前に立つ来客の体を庭の隅まで吹き飛ばす。


 反射的に後ろを振り向くと、そこにはいつものように優しく微笑むライカが立っていた。


 ライカの魔法による突発的な不思議現象に多少の耐性が付いていたレノであるが、人を吹っ飛ばすという行為とライカが結びつかず上手く言葉が出てこない。


「驚かせてしまってごめんなさい。大丈夫かしら?」


 何も言わないレノの様子を心配し、ライカが少し早口で謝罪する。その言葉にレノはコクコクと首を縦に振る。


「良かったわ。少し彼とお話をしてくるわね?あぁそうそう、きっと彼もお腹を空かせているはずだから、朝食を分けてあげていいかしら?」


 聞き慣れた優しい声、見慣れた優しい表情。しかし、どこか圧を感じる。レノは直感的にその圧は自分ではなく庭の隅に向けられているものだと察する。


「大丈夫、たくさん作ったから」


「ありがとう。直ぐに戻るから朝食の準備を進めてもらっていいかしら?」


 コクリとレノが頷く。レノの反応にライカはふわりと優しく笑う。それはレノが知る優しいライカの姿だ。


「ありがとう。お願いね」


 そう言い残しライカが目の前から姿を消す。向かう先は分かりきっているため庭の隅に視線を移すと来客とその前に姿を現すライカが映る。

 そこまで見届けてライカの「お願い」を聞くため玄関を閉め一人家の中に戻った。「お願い」がレノを遠ざけるための方便ということぐらい嫌でも分かる。


 リビングに入ると、朝日を部屋に入れるためカーテンを開けていた窓から庭の隅を見る。そこには玄関から見た時と変わらず2人の魔法使いの姿がある。


(良かった、僕以外ともライカが話している)


 レノがライカの元で暮らし始めてから店の方に客が来たことはない。つまり、レノはライカが自分以外と話している姿を今まで見たことがなかったのだ。初めて見るその姿に良かった良かったと呟きながらカーテンを閉めて朝食の準備に戻る。


 ダイニングに行けばテーブルに置かれたままとなっていた山盛りのサンドイッチが目に入った。ライカの好みを考えていたら作りたい種類が多く、種類に比例して量も増えてしまったのだ。


(良かった、2人で食べきれるか不安だったんだ。お客様は男性だったから沢山食べるだろうし丁度よかったんだ)


 そう思いながらスープを温め、来客分も含めたサラダの準備をする。ライカは直ぐに戻ると言っていたのだから急いで準備を進めないといけない。


(お客様に対するライカの対応、容赦なかったな…)


 ライカに圧をかけられたことや、まして吹っ飛ばされたことなどないレノにとって衝撃的だった。きっと気の置けない中なのだろう。


(彼もライカみたいに何百年も生きているのかな?)


 だったらライカと時間を共有できる存在だ。長く生きるライカにとって大切な人だろう。良いことだ。


 レノは良かった事を頭の中で巡らせる。しかし、来客の姿を見たときから胸に残る得体のしれない不安が無くならない。


 カーテンを閉めたリビングの窓に目をやる。


「ライカ、早いく戻ってこないかな…」


 無意識にレノの口から零れた言葉を拾う者は誰も居なかった。


次はライカと来客の会話を書こうと思います。

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