甘めの料理を
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ライカの元で働き始めてから1週間が経ち、新しい生活リズムにも慣れた。
最近の趣味はライカの観察である。
いつも微笑んでいるため親しみやすい方かと思ったが、その実、感情の起伏が余り無いため好き嫌いが読めないのだ。常に笑顔の人が常に無表情の人と同じくらい扱いが難しいと事を初めて知る。
そのためレノはライカを観察し、感情の機微を察知する様に努めているのだ。
少しでもライカの好みに合わせた家事を行い、快適に過ごして欲しいと言う気持ちが大半であるが、若干の私情を挟んでいる事は否定できない。少しでも自分の有用性を感じてもらいたいのだ。
(でないと、薬代を返し終わった時点で解雇……)
家族の元に居た方が良いとか何とか言われて追い出されるのが目に浮かぶ。
優良な職場を失いたくないという気持ちも勿論ある。だがそれ以上に、自分が去った後またライカが1人になるのが気がかりなのだ。
1人にならない様に町の人と関わりを持ってもらう事も考えたが、今の段階でライカを町に連れ出せるとは思えなかった。それよりも自分の雇用期間を延ばし、一緒にいる方がまだ現実的である。
だが、これからも続くライカの長い人生の中では、レノ自身の生涯を懸けるだけでは全く足りない。だからこそ、いずれは町に連れ出せる様に準備をする必要がある。雇用期間を延ばすのは準備時間を稼ぐためでもあるのだ。
この考えが自分のエゴだと言う事は十分理解している。しかし、そうするべきだと感じたのだ。
レノはこれからの行動方針を硬く誓うように手に持っているヘラを握りしめた。ちなみに現在、絶賛夕食の準備中である。
今回の夕食では、この1週間の観察で思い当たった事を試そうとしている。
それは、ライカは甘党なのでは?という事だ。
ジャムや砂糖、蜂蜜の量が常識の範囲内で多めなのである。
そこでチキンソテーのソースに少し多めの蜂蜜を入れて甘めに作ってみている。
(コレ、外したら怖いな………)
有用性を示すどころか解雇が一歩近づく。
急に不安になり、普通のソースも用意した方が安全か?と考えているとライカがダイニングにやってきてしまった。もう、後戻りはできないのだ。
腹を括って料理を並べ、席に着く。
「「いただきます」」
一緒に食前の挨拶をするが、食べずにライカの様子を伺う。ライカも見られている事に気付いてはいる様だが、特に何も言われないでいてくれる。そのため、最初の頃は盗み見ていたのが、今は堂々としたものだ。
レノに見守られながら、ライカがチキンソテーを小さく切り口に運ぶ。
「ーーーっ!!」
チキンソテーを口に入れたライカの目がキラキラと輝く。
そこには普段の人形のような美しさではなく、好物を食べて喜ぶ子供の様な無邪気さがある気がした。
観察を続けたレノには分かる。
(コレは、大当たりだっ!!)
レノは心の中で踊りながら、まだライカを観察し続ける。
ライカは無言のまま、せっせと2口目を頬張っていた。そんな様子に顔が自然と綻ぶのを感じる。
(また、こんな風に喜んで欲しいなぁ)
漠然と次の事を考えていると、未だ料理に手を付けていないレノに気付いたライカが、少し慌てた様子で笑顔を向けてくる。
「美味しいわ、ありがとう」
いつもの様にお礼を言われるが、違和感を覚えた。なぜか少し早口なのだ。
不思議に思い、ライカを改めて見ると耳が少し赤い気がする。
(…コレはもしかして、照れている!?え、好みの料理が出てきて嬉しくて?黙々と食べちゃったからとか??)
「……貴方も早くお食べ?」
固まっているレノに追加で声がかかる。
普段ならただ食事を促す言葉だが、照れているという仮説が合っていれば、そんな自分の様子を見るなと言われている様に聞こえてくる。
(何それ、可愛い…!)
予測に予測を重ねた状態だが、人は信じたい事を信じる生き物である。それがこの上なく幸せな事なら尚更だ。
想像だけで既にニッコニコの顔がこれ以上崩れない様に注意しながら、言われた通りに自分の分を食べ始めるのだった。
食べたり飲んだりしてばっかりですね。
次は別の事書きたいです。




