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優しい子達

ご覧いただきありがとうございます。

楽しんでいただけますと幸いです。


今回はライカ視点です。

ちょっと短いですが大事なお話になりました。

 朝食を食べ終わると手紙は午後に書くと言い、レノは掃除をしに行ってしまった。


 掃除なんて後回しで良いのにと思ったが、レノの仕事には基本的に口を出さないつもりだ。


 掃除の邪魔になってはいけないので、ライカはレノから受け取った自分宛らしい封筒を持ち、自室に戻る事にした。


 自室に入るとソファーに座り、手に持った封筒をまじまじと見る。薄ピンクの封筒に赤い封蝋が押されており、何とも可愛らしい。


 (手紙何て受け取ったのなんて、何十年振りかしら…?)


 長く生きる魔法使い達にとって、頻繁に手紙でやり取りするという文化は無い。本当にたまに魔法の掛かった手紙が飛んで来たりもするが、最後に受け取ったのが何の用だったかも思い出せないくらい前である。


 魔法使い以外に手紙をやり取りする様な間柄の人間はライカには居ない。そもそも配達員自身はこの店を必要としていないため、この店にかけた魔法が通常の配達方法を受け付けないだろう。


 レノに手紙を書く事を勧めたが、自分が受け取るまで、手紙で家族に近況を伝えるなんて発想はこれっぽっちも無かった。きっとレノはそんな事に気付いていない。


 意を決してライカが手を振る。その手の動きに合わせて封筒が開かれた。レターナイフ何て便利な物は無いのである。


 中の手紙を取り出し、一文字一文字を大切に読み進める。そこには手紙いっぱいに感謝の気持ちが詰め込まれていた。じんわりと胸の奥が温かくなるのが感じられる。


 「そういえば、商品を使った人から言葉を貰うのは今回が何て初めてね」


 ふと思い当たった事が口から溢れる。


 商品を買って使えばこの店はその人にとって必要無くなるのだ。その後、来ようと思っても来れないのは当たり前の事であるため、言葉を貰えないのは当然ではあるのだが……


 「だからこそ今回はイレギュラーなのよね。なぜ来れたのかしら?」


 昨日、突然訪ねてきたレノを思い浮かべながら呟く。


 しかし、実はライカには1つ心当たりがあった。真偽は分からないが、その心当たりを解決する策はこっそり従業員証に施している。


 「きっと、大丈夫」


 また一言呟き、手に持ったままだった手紙を撫で、鏡越しに覗き見た手紙の送り主達家族に思いを馳せる。


 「優しい子達は一緒に未来を行くべきだわ」


 ライカの決心は固かった。

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