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第二話 奎援の手にした能力

              ~~side keisuke~~

ミリティアとの話をある程度終えてふと疑問に思った。

どうしてあの時、わざわざ変な空間にいたのか、どうして、今俺の手には見慣れない真っ黒い、まるで自分の手のようにつけた心地のしない手袋がついているのか。

周りを見渡して、一息ついた瞬間、俺の視界は闇に包まれた。


「は・・・?」


真っ暗とまでは行かないが、薄暗い草原みたいなところに俺は立っていた。


「ここ・・・何処だ・・・?確か・・・騎心と瑞姫が・・・」

「ここは僕の意思の中だよ」

「!?」


突然後ろから声がしてすぐさまあとずさる。するとそこには一人の少年がいた。


「やだなぁ、そんなに警戒しないでよ。僕は・・・そうだね、君の手についてた黒い布の意思だよ」

「・・・それって直訳すると僕は手袋ですって言ってるようなもんだろ」

「そうだよ、僕は君に惹かれて、君と歩むことを決めたんだ」


意味がわからない・・・。手袋に意思なんてあるのか・・・?このわけのわからない世界にきて、ますますわからなくなった・・・。


「わからないって顔してるね・・・無理はないかなぁ。まぁ、聞いてよ。僕は君が想像した武器になれる力を持つ。だから、君が僕をつけてさえいれば、君はずっと武器を所持してるようなものなんだよ」

「それと、この世界は君たちからしたら異世界。魔物もいるし、国も、言葉も違うよ。どうしてこの世界に来てしまったのかは、僕にもわからないんだ。ごめん」


そこまで言われてはっとする。なにを恐れる必要がある。こいつは俺に力を貸してくれると言っているんだ。そして、この手袋は少なからず俺たちを元の世界に返すためにどうにかしようとしてくれたんじゃないか。


「すまない、ちょっと動揺してた」

「いや、いいよ。無理もないと思うよ。いきなり知らない世界に飛ばされたんだからね・・・。とりあえずもう一回説明するよ?僕の使い方。頭で自分の想像した武器を握る感じをイメージしてみて?そのときに一緒に武器を握る感じで手も一緒にね」


そこまでいうとその少年は俺を見つめていた。


「リョウカイ。えっと、武器を想像してその武器を握る感じだな・・・」


そういって眼を瞑り、想像する。俺が一番得意な武器を。そしてそれを握る感じを。

すると何もなかったはずの手には、直径2.5m程の大鎌を握っていた。


「そう。そんな感じでいいんだ。それと、応用だけど、素手で相手を斬るそぶりを見せて、一瞬だけ想像した武器を出すってことも可能だから、覚えておいてね」

「あ、ああ、わかった。それにしても・・・ずいぶんと軽いな・・・」

「そりゃあ、そうだよ。だって、君の武器だもん。あ、でも、切れ味は本物だよ?鉄くらいなら多分簡単に斬れるよ。あと、重さや長さは自分の想像でどうにでもなるから。それと、消したい時は武器が砕けるイメージで強く握ればなくなるよ」

「そうした場合、その武器が二度と使えなくなることとかは?」

「するわけないじゃん。全ては君の想像次第だよ」

「なるほど・・・大体わかったかな・・・」


でも結構肝心な問題がいろいろ残ってるがこの際は無視してまずは・・・


「なぁ、ここから出るにはどうしたらいいんだ?それに、周りから見たら今の俺、どう見えてるんだ・・・?」

「ここから出るのは簡単だよ。深く眼を瞑って深呼吸するだけ。周りからは・・・多分遠くを眺めてるように見えてると思うよ」

「そうか・・・じゃあ、そろそろ脱出したほうがいいな」

「そうだね、遅くなればなるほど守りも厚くなっちゃうと思うしね」


ふむふむ、と頷きながらこれからのことを考える。とりあえずこの城から脱出して、ミリティアが居た国にでも・・・・と考えをめぐらせてふと気づく。

あれ、そういえば、名前って、付けたほうがいいのかな・・・?


「え?名前?考えたこともなかったなぁ~」


ビックリだ・・・。まさか心に思ってることがばれてるなんて・・・


「ばれてるんじゃなくて顔に出てるんだよ。とりあえず楽しみだなぁ~名前、どんなのになるかなぁ~」


なんか思いっきり期待されてるけど、俺的に顔に出てたっていうのはショックだ・・・。気をつけなくては・・。それにしても名前かぁ~・・・


「と、ところで、ずっと手袋のままなの?」


話をそらすことにした。


「僕がいないと武器は実体化できないけど、僕が外の世界で実体化することは出来るよ」


なるほど・・・、じゃあ決まったな。


「レイル」

「え?」

「それがお前の名前だよ。よろしくな。相棒(レイル)


そういうとレイルは笑顔で消えていった。さて、俺もそろそろ戻らないとな・・・・。

眼を瞑り深呼吸をすると、景色が元に戻った。

戻ったのはいいんだが、騎心と瑞姫とミリティアが思いっきり和んで話しているのにはなんとも言えなかった。







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