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第一話 牢屋からの始まり

吹き抜ける風の音・・・・


滴り落ちる水の音・・・・


そんな音で目が覚める。

見慣れぬ壁に鉄格子、奎援はぼんやりとしている記憶をフル稼働させて状況整理と現状把握を試みた。


「そうだ・・・確か、変な光に包まれて・・・ってここ何処だ・・・?それに、明らかにこの鉄格子とか、牢屋デスヨネー。」


どうしていきなり捕まっているのか・・・不思議で仕方ないが、今はあえて気にしないで周りを見渡す。どうやら、騎心や瑞姫も同じ牢屋に放り込まれているようだった。


「瑞姫~、騎心~、大丈夫かぁ~?」


ペシペシと頬を軽く叩くと騎心が気がつき、頭を抑えながら上体を起こした。


「んー・・・どうも最近ついてない気がするよ・・・・」


とでもだるそうにいう騎心に奎援は励みの言葉を入れた


「そもそも、あの変な歪みに飲み込まれてからずっとこの様だからなぁ~・・・。しばらくすれば安定するさ・・・多分・・・・いや、安定させる、だな」


ま、なるようになるさ、と付け加え、今度は瑞姫のほうを起こしにかかった


「瑞姫ー、起きろー、朝・・・?だぞー」


これまた適当なことを言いながら瑞姫の頬をペシペシと叩く奎援。


「むぅ~・・・、めまいがするぅ~・・・」


瑞姫もこれといった異常もなく意識を取り戻した、奎援は二人とも無事でほっと胸をなでおろす。すると、コツ、コツと階段を下りてくる足音が聞こえた。その音で警戒した騎心と奎援は瑞姫を隠すように二人の後ろに移動させた。


「おや?起きましたか?目覚めがそんなところで申し訳ないのですが、こちらもどこぞの輩かわからぬ者を城の部屋で寝させるわけにもいきませんからねぇ」


気持ちの悪い笑顔でよってくる男を見ながら奎援は口を開く。


「確かに、それは一理ある。だから、教えてほしい。俺たちをどうする気だ?」


まずは自分たちの身の安全を確保するためにこの後、自分たちがどうなるかを聞いた。


「どうする?そんなの決まってるじゃないですか、ちょっと実験のお手伝いをしてもらいますよ。その実験が終わったら、好きなところにいくといいですよ。あ、そうそう、申し送れました、私、ザラスと申します」


奎援はこの男の雰囲気を肌で感じ、実験の手伝いも、どうせ実験対象(モルモット)になることだろう、と感じ取り、すぐにここを出る手段を考えた。しかし、一瞬、(モルモット)という言葉に何か引っかかる感じがしたが、今は気にしないことにした。逃げるぞ ということを騎心に目で合図を出し、騎心もそれにうなずく。


「まぁ、とりあえず、しばらくはそこにいてもらいます。それまでは食事も出しますから安心してください」


ザラスと名乗った男はそういうと護衛兵を連れて階段をあがっていった。その間、奎援と騎心の後ろでずっと息を殺して隠れていた瑞姫が顔を出し、口をひらいた。


「ねぇ、奎ちゃん、あそこに寄りかかってるのって人かなぁ?」

「ん?」


そういって奎援は瑞姫に指を指されたほうを向いた。そこには確かに人がいた。しかし、明らかに服装やら、身につけているものが違った。


「ああ、人だな。それに、女性だ。でも、服装や装飾品を見る限りでは、おそらく何処かの貴族の娘かなんかだろう・・・ってあれ?俺、手を保護するものなんてつけてたっけ・・・?」


自分の手を見て奎援は不思議に思った。指先は自由に動かせるように第二関節のところまでしか布がない手袋がついていた


「ぇ?あ、本当だ。まぁ・・・でも、それ手袋だと思うし、いいんじゃないかな?それより、あそこの人も助けてあげようよ、ね?奎ちゃん」


上目遣いで奎援を見る瑞姫に奎援は微笑みながら言った。


「わかってるって。それに、仲間は一人でも多いほうがいい。それに、俺たちはこの場所が何処なのか、ここが何処なのかをまったくわかってないからな・・・。まぁ、この人がこの場所に詳しいことを祈るしかないな・・・」


そういって壁にもたれかかっている女性に近づき、肩を揺さぶる。


「おい、あんた、大丈夫か?」


何度か揺さぶっているうちにその女性は目を覚まし、奎援と目があった。

お互いずっと目を合わせていたが、奎援が気まずくなり、少し距離をとって話し出す。


「俺は西風華奎援(せいふうかけいすけ)、あんた、名前は?」


そういうと、驚いたような顔になり、数回深呼吸をして喋り始めた。


「え・・・?あ・・・わ、私はミリティア・フォールド・ラ・ファインです。そちらの方々は・・?」

「ああ、悪い、そっちにいるのが空海騎心(そらみきさね)、後ろに隠れてるのが佐和室瑞姫(さわむろみずき)だ。」

「え、えっと・・・な、なんてお呼びしたらよろしいでしょうか・・・?」

「え?ああ・・とりあえず俺はケイスケって呼んでくれ。多分向こうも同じようにキサネ、ミズキ、でいいとおもうぞ?」

「あ、はい、では、そう呼ばせていただきます。と、ところで、ここは何処でしょうか・・・?」

「あー・・すまない・・・。俺たちも全然わからないんだ・・・・。多分、この世界とは違うところから来てると思うから・・・」

「え・・・?」


奎援がそういうとミリティアはそっけない声を上げていた。奎援はここが何処だかわかる人ならいいなぁ~程度にしか思って居なかったためそれほど表情に出さなかったが、後ろの二人は膝から崩れ落ちて地面に両手をついていた。


「あ、あの、私、なんかまずいことでもしてしまったんでしょうか・・・?」


ミリティアがそういって後ろの二人を心配そうに見ていた。それに対して奎援は、いえ、気にしないでください、と言うと周りを見渡しながら考え事を始めたかのようにどこか遠くを見つめていた。


「えと、ミリティアさん、あなたはどうしてこんなところに?」


騎心が立ち直り、とりあえず話がなくなって気まずくなったので話題をふることにした。


「あ、そうでした・・・。私が城に帰っている途中に行き成り襲われて・・・気がついたらここに・・・」

「え?城?ってことはミリティアさんってお姫様かなにか?」

「はい、ウェルト王国という国で・・・。ところで、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」


ミリティアが丁寧な口調で聞く中、騎心はまずい、お姫様にこんな馴れ馴れしい態度とっちった・・・と焦っていた。


「あ、はい、なんなりと・・・・」

「そんな改めなくて大丈夫ですわ。とりあえず、この世界とは違う・・・とおっしゃっていたのですが、それはどういうことでしょうか?」

「あ、えっとですね・・・・僕にもよくわからないのですが、僕たちが家に帰る途中で行き成り黒い穴みたいなものが現れて、それに引き込まれて、何も見えない空間みたいなところにいたら、次は光に包まれて気づいたらここにいたんです」


騎心はここまで説明して、先ほどから奎援の反応がなにもないことに不思議に思った。しかし、姫様に詳しく説明しないといけなかったので話し終わってから話しかけることにした。

そして、瑞姫はというと、騎心の話に補足などをして姫様にわかりやすく説明する手伝いをしていた。







ここでやっと騎心と瑞姫の姓と名が両方出てきました。

前から考えてはいたんですけど、展開でどこに出そうか迷ってた結果、ここになりました。

まだまだ読みにくいところがあると思いますが、努力していくのでよろしくおねがいします

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