試験開始
スタンピードがあった年から、およそ3年後…
シン達は、冒険者として遂に全員がSSランクとなった
世界でも数が多くないSSランクが一挙に集うパーティーとして、多くのクエストをこなしていた
シン「ふぅ…そっちはどうかな?」
フラン「こっちも終わったよ!
やっぱり勉強ばかりで、体を動かさないと気が詰まるね…」
二人の周りには、ワイバーンの骸が血溜まりの中に沈んでいた
シン「まぁフラン姉さんも学園に入ったからね。仕方の無いことだよ。だからこうやって休みの日は一緒に魔物刈りをしてるでしょ?
あと、授業でも戦闘訓練的なのあるんじゃない?」
フラン「あるにはあるのだけど…あまり訓練にならないし…」
シン「………まぁSSランクの冒険者からすれば、お遊び程度になっちゃうか。」
フラン「休みの日が待ち遠しいのよね。あ、学校がつまらないわけじゃないのよ?」
シン「それはそうだね。いつも楽しそうに学校でのことを話してくれるしね。」
フラン「いっぱい楽しいことあるからね。シンもあと少しで入るんだから楽しみにしててね!」
シン「うん!」
エリス「マスター、そろそろお時間です。」
シン「あ、もうそんな時間なんだ。」
フラン「楽しい時間はすぐ過ぎるのよね…」
エリス「今日のご飯はオークキングのステーキだそうですよ。」
シン「キングの?あれ美味しいんだよね!」
フラン「そうね!早く帰りましょ!」
エリス「マスター、ワイバーンの死骸を回収し忘れています。」
シン「あ!本当だ!〈アイテムボックス〉!エリスありがとう!忘れていたよ。」
シンの発動したアイテムボックスによって、ワイバーンの骸は全て虚空に吸い込まれていった
シン「よし!じゃあ帰ろうか!」
フラン「そうね!」
シン「いくよ!〈ワープ〉!」
その場から、2人の姿が消えた
シンとフランの会話から分かる通り、フランは今アルスラーン王国の王都に在する学校、『王立アルスラーン学園』
へと、昨年入学した
この国では、齢10歳になると貴族は強制的に、庶民は金のある者がどこかの学園へと通う事になっている
この国には、各領に学園が設置されている
王都にもあり、この国一番の優秀さと難度を誇っている
入学すると、3年間基礎科目から戦闘訓練までこなす
家から通う者も居れば、寮に入ることも出来る
因みに、シンとフランの兄であるレイは数年前に卒業し、実家のカルミナ家を継ぐために、アレックスの下で家業について勉強している
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そして1ヶ月後、シンは制服に腕を通していた
制服は、中に白のシャツを着て、上着は青を基調として、所々に金色の刺繍が施されている
肩の部分には校章である剣と本のマークがついている
ネクタイは学年によって色が違い、一目で見分けられるようになっている
シンは1年生となるため、赤である
シン「どうかな…?」
その場で着替えを見守っていたアリシアに聞く
アリシア「とてもお似合いですよ。」
シン「良かった…なんか着られてる感があるけど…」
アリシア「大丈夫ですよ。ご主人様のスタイルだと、完璧に着こなしていますから!」
アリシアの太鼓判もあり、シンは荷物を持って部屋を出る
すると、ハクが駆け寄ってくる
ハク「お兄ちゃん!どう?似合ってる?」
ハクもシンと年齢が同じであるため、学園に一緒に入学することになっている
基本的には男子と変わらないが、スカートを履いており、ハクがくるくる回るとそれに合わせてふわっとスカートが浮かぶ
シン「ちょっ!ハク!似合ってるから!止まって止まって!」
ハク「やったー!お兄ちゃんに似合ってるって言われた!
お兄ちゃんもよく似合ってるよ!カッコいい!」
シン「それは良かった…だけどハク?外ではあんまりそういう事をするのは辞めてね?」
ハク「え?」
シン「ハクがとっても可愛いから、他の人達に見せたくないんだよ。」
ハク「お兄ちゃん…///」
シン「でもそういうわけにはいかないから、お淑やかにね。」
ハク「うん!お兄ちゃんだけにする!」
なんともシスコンとブラコンである
そこへ…
アリス「ご主人様。アレックス様とミリア様がご到着なされました。」
シン「アリスありがとう!じゃあ皆行こうか。」
シンとハク、アリシア、アリスは玄関へと向かう
そこには、アレックスとミリア、フランとナズナが居た
シン「父上!母上!今日は来てくださってありがとうございます!」
アレックス「おぉ!シン!よく似合ってるじゃないか!」
ミリア「とってもカッコいいわよ!」
フラン「やっぱりシンは何でも似合うね!」
ナズナ「ご主人様!とても良くお似合いです!」
皆から賛辞を受ける
フランも制服を着ている
ハクと同じで、ネクタイは2年生のため緑となっている
フラン「ハクちゃんもよく似合ってるね!可愛い!」
早速ハクはフランに捕まって愛でられている
アレックス「今日は2人のめでたい門出だ!私達も来なくてはな!」
ミリア「入学式に私達も行きますよ。」
シン「ありがとうございます!」
その後も少し雑談をしていると、
アリシア「そろそろ出発の時間でございます。」
アレックス「む?おぉ!もうそんな時間か!では続きは中で話そうではないか!」
そう言って入学式に向かう者は馬車に乗り込む
今回学園に向かうのは、
アレックス
ミリア
シン
ハク
フラン
である
アリシア達は学園に入学していない為、これからシン達が学園に通っている時間帯は、アストラ邸で留守番となる
入学式に向かう場所の中で、話はクラス分けに移った
アレックス「そういえば、シンよ。クラス分けはどうなるのだろうか?」
シン「確か…入学式が終わったら、貼り出されるはずですね。」
フラン「入学試験の時に、合格者の中から成績上位者を順にクラスに配属させるはずよ。」
それは半年前…
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シアリシア「ご主人様、そろそろ入学試験の時期でございます。」
シン「そうだったね…フラン姉さんに教えてもらおうかな?」
アリシア「それが良いと思います。」
シン「よし!そうと決まれば、姉さんが帰ってきたら早速お願いしよう!ハクも行くよ!」
ハク「うん!」
フラン帰宅後…
シン「フラン姉さん?もうそろそろ、入学試験の時期なんだけど、試験勉強教えてくれないかな?」
フラン「そうね…確かシンは天才だったから計算とかは教えることは何も無いから、地理とか歴史とかにしましょうか。
ハクは…どれくらい出来るのか分からないからやってみてからね…
戦闘試験については……2人共手加減が必要ね…」
シン「ありがとう!」
ハク「ありがとう!」
こうして1ヶ月ほど、休日にフランによる勉強会が開催され、試験の日となった
フラン「………ほとんど教えることが無かったね…」
シン「そう?フラン姉さんの授業楽しかったよ?」
フラン「………まさか殆どの事を一回聞いたら完全に覚えてるし、そもそも知ってたりで教えることがないとは…」
シンは普段からマップを多用しており、地理には明るい
歴史に関しては、昔からよく本を読んでいた為、おおよそのことは知っており、細部はフランによって教えられた
ハクは最初は何もわからなかったが、スポンジが水を吸うようにどんどんフランから知識を吸収し、フランからも合格点をもらっていた
シン「それじゃ行ってくるね!」
ハク「行ってきます!」
馬車に乗って試験会場へと向かう
そこには沢山の人が居た
受付で受験票を見せると、部屋を指示され向かい、
自分の席へと座る
ハクはシンと番号が続きであったため、一緒に来て、
後ろに座った
周りには最後の最後まで足掻くつもりなのか、本を読み込んでいる人が多かった
少し時が経ち、試験開始前となると試験監督が部屋へと入ってくる
試験監督「皆揃っていますね。では試験を始めるので、書くもの以外は仕舞ってください。
今から試験用紙を配ります。開始まで中身を見ないようにしてください。
カンニング等の不正行為は禁止です。
見つけた場合は即試験中止で、無効となります。
魔法を使っても駄目ですよ。
感知できますので。
では配ります。」
試験監督によって問題と解答用紙が配られた
試験監督「全員に行き渡りましたね?では試験を始めます。
試験時間は今から100分です。
では…始め!」
合図とともに全員が試験を開始する
問題は、常識や計算問題、簡易的な地理歴史といったものが均等に出題されていた
因みにエリスを使えば、全て解けるが、今回はそれを使うまでもなく簡単であった
常識の問題は、基本魔法は何があるのか、応用魔法は何があるのか、今のアルスラーン王国の国王の名前は?といったものから、簡易的な法律の問題が出ていた
計算は四則演算であった
歴史もアルスラーン王国の歴史から出題されていた
シンは手を止めること無く解き終わり、羽ペンを置く
まだ試験時間の半分も経過しておらず、暇である
試験監督が早々にペンを置いたシンを何事かと思い見に来るが、全部埋まった回答を見て納得して元に戻る
ハクの方も少し時間はかかったが、頑張って全部を埋めていた
試験が終了すると、周りからは…
「全部解けた?」「無理無理。あんなの解き終わらないよ。」「だよな!計算問題難しすぎるよ…」
「あんなのどうやって解くんだろうね?」
「あぁ…落ちたかも…」
といった声が聞こえてきた
そこで試験監督が、
試験監督「では、次は戦闘試験に移ります。全員次の場所に移動してください。」
次は戦闘試験ということで、全員が訓練場へと向かう
道中…
シン「ハク?どうだった?」
ハク「う〜ん…フランお姉ちゃんに教えてもらったことは
大体かけたよ!でも自信はないかな…」
シン「大丈夫!出来ることをやったなら受かるよ!それに、次はハクの得意な戦闘試験だよ!これで圧倒的な力を見せられれば、合格間違いなし!」
ハク「うん!頑張る!」
という一幕があった…
そして戦闘試験が行われる訓練場へと着いた受験者一行に試験監督が声を掛ける
試験監督「武器が得意なものは、こちらへ来てください。魔法が得意な方はあちらへ行ってください。両方受けてもらいますが、得意な方から受けることが出来ます。」
これは、得意な方を先に受けることによって、十全に力を発揮してもらうためである
魔法が得意なのに、武器を扱う方を先に受けて疲れてしまい、魔法の試験で力を発揮できなかったと、過去に苦情が出た為である
シンとハクはどちらも変わらず得意のため、さほど迷うこともなく武器の試験から行うことにした
閲覧頂きありがとうございました!
次回も宜しくお願いします!
今回から学園編が始まります!




