閑話休題 彩の過去
奏「皆、お兄ちゃんの何が好きだったのかとか、アルバムとか見てお話しよ〜!」
奏の言葉を端に、総司の思い出を語る会が始まった
まず始めに雪菜が何か取り出した
水琴「雪菜さん?それは家族のアルバムですか?」
雪菜はアルバムをとりd 雪菜「いいえ…違う…」
アルバムでは無かったようだ…
雪菜「これは…総司だけを撮った写真…」
奏「私が隠し撮りしたのも入ってるよね。」
なんとこれは雪菜と奏によって撮影された総司のみの写真集だった
雪菜が写真集を開き、テーブルに乗せると皆が覗き込む
そこには本当に総司だけが写っている写真が収められていた
雪菜「これは…小学1年生の頃に、お化けが怖くて私のところに来た時のやつ…」
雪菜が指した写真には、幼い総司が涙目で枕を抱えてこちらを見ている姿が写っている
時雨「この頃の総司って、怖がりだったもんね。」
雪菜「この時は寝る前に少し怖いテレビを見ちゃったから…」
彩「ふむ…今とは違うのだな。今は凛々しいと感じるのだが、昔は可愛いのだな。」
その後もページをめくっていく
小中高の各行事の写真や、旅行での満面の笑みなど、沢山目を引くものがあった
しかし、あるところで皆の目線が固定される
それは…
水琴「この写真は…」
水琴が赤面する
奏「あ、これは私が隠し撮りしたお兄ちゃんの着替えシーンだよ。これは…中学2年生の頃かな?」
そこには、部屋でシャツを脱いで上半身が裸のシンが写っていた
水琴「恥ずかしいです///」
奏「お兄ちゃんすっごくいいカラダしてるでしょ?」
水琴「それもそうですが///」
時雨「こんなに恥ずかしがるなんて…もしかして男の子の体見たことないの?」
水琴「……………はい…///」
時雨「あちゃ〜…」
水琴「幼馴染という存在もおらず、昔からいるメイドさんがお風呂を入れてくださってたので…」
時雨「それもそうだね…」
彩「そういう時雨はあまり恥ずかしがってないようだが?」
時雨「私は総司と幼馴染だからね!
小さい頃は一緒にお風呂も入ってたし、着替えとかも特に気にしたことは無かったから!
流石に中学に上がる頃から恥ずかしくなったけど…///」
雪菜「総司と奏と時雨と私の4人でお風呂に入ることも珍しくなかったからね…」
彩「そうか…」
奏「お兄ちゃんは小学校5年になってから道場に通い始めたから、これは数年経って鍛えられた体だね。毎日鍛えられてたから筋肉は凄いよね!ね?彩さん?」
話を振られた彩は懐かしむように言葉を紡ぐ
彩「そうだな…総司が道場に来てからもう5〜6年になるんだな…」
水琴「そういえば如月さんはどうして総司さんのことを好きになったのですか?」
彩「そうだな…それを話すと少し長くなるがいいだろうか?」
水琴を含めた皆が頷く
彩「あれはそうだな…確か、私が中学3年生の頃だったか…
あの頃、私はとても天狗だった。」
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当時中学校の中では文武両道の才女として有名だった
テストでは、ある一人を除いて比類するものは居なかった
大体のものは1度聞けば覚えられる故に、さほど苦労せずとも上位を取れたのだ
武道では家が道場を経営しており、既定路線のように道場へと入った
そこでも才能を発揮したのか、瞬く間に腕前が上達し、いつの間にか道場内でも敵なしだった
道場は、基本的には武器を使った武道を教えている
理念としては、どんな武器でも手足のように扱えるようになれ
その通り、道場ではいろんな武器を使っての稽古が普通だった
刀、十手、薙刀、サーベル、片手剣、鎖鎌、トンファー、他にもあるがこれらを全て扱えるようにと皆必死に稽古した
時々、大会にも出るようになった
そこでも、最初は負けが多かったが次第に勝つのが当たり前となったのだ
次第に、毎日がつまらなくなったのだ
何も楽しくないと思い始めたのだ
そんな時、道場でとある対戦をしたのだ
それが、総司だった
総司はこの時中学2年生だった
総司も天才の部類に入る程強かったが、戦績では私に勝ったことがなかった
私はこの時も負けるとは思っていなかった
両者とも刀…と言っても危ないので木刀を使っての寸止めで試合をした
開始直後は私が押していた
手数の多さで攻めていたのだ
しかし、手数の多さで攻めるということは、それだけ体力を使うということでもある
私が攻めている間、彼は堅実に守っていたのだ
私は攻めきれずに焦っていたのか、少しずつ技が粗くなり体力の消費も多くなって来ていたのだ
そこからは彼の独壇場だった
粗くなった私の技を、的確に弾きどんどんと追い詰めていったのだ
そして、最後は首に添えられた木刀を見て私は負けたのだと分かった
あの時はとても衝撃だった
負けるとは思っていなかった相手に、完膚なきまでにやられたのだ
そして、勉強でもとある者に抜かれてしまったのだ
それが天田雪菜であった
定期テストで、1位を譲ってしまったのだ。
2人によって私の長くなった鼻はへし折られたのだ
その時、私は忘れていた感覚を思い出した
負けたことにより、誰かと競う楽しさを思い出したのだ
この時に雪菜と総司と仲良くなったのだ
総司は私に勝った後も、絶えず鍛錬していたようだ
私はその姿に感化されて、共に鍛錬することが多くなった
この時には私は彼に惹かれていた
私を負かして、鼻をへし折ってくれたこと
競う楽しさを思い出させてくれたこと
沢山理由はあるが、彼を好きになったのは間違いなかった
雪菜と話してみると、彼女は少しゆったりとしているが、思考能力はとても凄く、私に勝つためにどうすればいいかを研究していたそうだ
いつの間にか、私達は親友となった
ある時、雪菜から相談を受けたのだ
私には血のつながった弟がいるのだが、好きになったらどうすればよいかと…
まだこの時は2人が家族であることは知らなかった
雪菜に弟の写真を見せてもらうと、そこには彼の姿が写っていた
私は動揺した…
好きな人が、親友の弟であり、更に親友の想い人であった
どうするべきかと考えた
すると、いきなり私の心中を読み取ったかのように、雪菜が言った
雪菜「彩…貴女、総司のことが好きでしょ?」
なぜわかったのかと聞くと、
雪菜は総司から私のことを聞いていたそうだ
だからこそ、この話をした時に私の反応を見て、確信したそうだ
その後も話を聞くと、妹も彼のことが好きなのだが、血がつながっているため結婚することができないと訴えられた
そしてとある提案をされた
それは…私が彼と結婚し、4人で暮らすことだった
私は是非もなく快諾した
彼と結婚することができ、親友である雪菜と暮らすこともできる
そんな思いが頭を埋め尽くした
互いに不戦協定を組み、独占しないことや協力することを約束した
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彩「その後今彼にアピールはしたのだがらいかんせん彼が気づいた様子はないのだ…」
水琴「そんなことがあったのですね…」
雪菜「結局は時雨がこの協定に参加して、5人で総司を共有することになっていた…」
水琴「……わ」
彩「君のせいではない。そもそも、この作戦は周りから見れば、異端だったのだ。しかし、私達からすれば、青天の霹靂だった。ただそれだけだ。それに…彼の魂はまだどこかで生きていると思っている。」
水琴「え?!」
彩「ただ女の勘だがな…」
雪菜「たしかに…そうだったらまだ希望はある…」
奏「転生しているなら、この世界が良いな!」
時雨「そうであることを祈るしか僕たちにはないね…」
彩「まぁこんな面白みもない出来事だったが私の過去だ。」
水琴「いえいえ!お話くださりありがとうございます!」
奏「皆何かしら、お兄ちゃんに感化されてか助けられて好きになったもんね!」
雪菜「この世界に神様が居るのならば、総司をこの世界に転生させてください…」
あいにくこの世界では無いが、別の次元で女の子に囲まれている総司が居るのを知ったら、この人たちはどうなるのだろうか…
奏「もし転生してるなら、今度は離れられないように物理的に繋ぎ止めるんだ!」
雪菜「私は…監禁しよう…」
この姉妹は特に怖い…
運命の歯車は今にも動き出そうとしている
その時は…
閲覧頂きありがとうございました!
次回も宜しくお願いします!
次回からは新しい章になります!
シン達の学園生活をお楽しみください!
もしかすると、運命の歯車は回りだすかも………?




