会議
ラルフ「では、スタンピードについての報告と会議を始めよう。」
クラウス「了解しました。先ずはカルミナ伯爵とカイツ殿から、報告を聞きましょう。」
クラウスがアレックスとカイツに話を振る
アレックス「分かりました。今回のスタンピードの発生は神獣フェンリル様がシンに知らせてくださったことにより、調査隊を派遣しました。
その後森の異常を確認し、スタンピードと認定しました。
構成された魔物はゴブリンから始まり、オークやアラクネが出現、後半にはオーガが現れました。その他にもゴブリンとオークの上位種である、ジェネラル級を確認しました。」
エドワード「なんと…それは大変だ…ジェネラル級か…損害は計り知れないな…」
クラウス「ですな…しかし先程上がってきた報告書の中での被害者数はいささか少ないように思われますが…」
カイツ「このジェネラル級の討伐は、冒険者パーティーであるネビュラにより行われ、討伐場所も防衛線から程遠いところであった為、ジェネラル級による被害はゼロでした。」
クラウス「なっ…?!………いや驚くことでもありますまい。アストラ男爵達であれば、このジェネラル級など歯牙にもかけないでしょうな。」
ラルフ「うむ…やはりシンの力は我らの想像を超えてくるのう。」
エドワード「シンくんやっぱり強いね!」
アレックス「………まだまだ話は続きます。シン達の報告になりますが、フェンリル様が偵察をしたところ、今回のスタンピードのリーダー格である魔物はオーガの亜種でした。
その際取り巻きとして通常オーガが周りに陣を敷くように取り囲んでいたとの事で、手が出せなくシンに討伐を依頼したとのことでした。」
ラルフ「なに?!オーガの亜種だと?!」
クラウス「……エルメダ殿、魔物の亜種のランク分類はどうなりますかな?」
エルメダ「そうですね、素となる魔物に依りますが、オーガをベースとした亜種であるならば、魔物のランクではSSランクが妥当かと思います。もし討伐に失敗していれば、この国が滅びてもおかしくはないですね。」
ラルフ「なんと…そんな魔物が現れたというのか…軍務大臣よ、もし討伐するとなればどれぐらいの被害が出る?」
グリム「この国の全兵力とこの国に留まる冒険者全てを動員しなければ勝つことが出来ません。ですが、ギルド本部のマスターであるエルメダ殿が動けば話は別ですが…」
ラルフ「ふむ…そうか…」
アレックス「この亜種オーガですが、便宜上黒オーガと呼称することにします。黒オーガの討伐はネビュラによって達成されました。その際周辺のオーガも一緒に討伐され、スタンピードは収束しました。」
エドワード「………え?本当に?SSランクだよ?国一つ滅ぼすことができる強さだよ?」
カイツ「事実です。冒険者ギルドの方でも討伐を確認しました。」
エドワード「………シン君は私達の想像を遥かに超えてくるね…もう君だったら何でも出来そうな気がするよ…」
カイツ「同感です…」
ラルフ「…ふむ…その間の防衛線はどうなったのだ?」
カイツ「街の防衛線では、オークとゴブリンが大量に攻めてきましたが、領軍と冒険者の合同作戦により、均衡を保っておりました。
しかし、何分数が多く、戦線が瓦解しそうになりました。
その時にフェンリル様が現れ、爪や魔法を使い大量の魔物を薙ぎ払って、戦局を変えてくださいました。
ネビュラによる黒オーガの討伐後は統率の取れなくなった魔物の掃討戦を行い、街の防衛を完了しました。」
ラルフ「そうか…よくやってくれた。改めて街を守った英雄達に感謝と称賛を。」
カイツ「ありがとうございます。報奨も頂いたので、確かに参加した者に渡します。」
アレックス「私も参加した者への報奨として渡させて頂きます。」
ラルフ「うむ。」
クラウス「では報告も終わりましたので、何かこのスタンピードについて意見がある方はいらっしゃいますか?」
エルメダ「…では私から一つ。このスタンピードは奇怪な点があります。
本来亜種の魔物は素となった魔物と群れを形成することはありません。
群れの形成には先程の話にありました、ジェネラル級か、それよりも上のキング級が必要となります。
ですが、今回のスタンピードでのリーダー格である黒オーガは周りに通常オーガを従えていたようです。
であるならば、今までの前提が崩れることになります。」
ラルフ「………確かにおかしいのう…」
グリム「…陛下、このことについて調査隊を派遣するべきでは無いでしょうか?」
エルメダ「冒険者ギルドの方で既に調査隊は編成していますが、ダブルチェックとして、国の方でも調査隊の派遣はお願いしたいところですね。」
ラルフ「うむ……そうだな…軍務大臣よ、直ちに調査隊の編成をせよ。」
グリム「御意!」
エルメダ「こちらでも分かったことは共有させて頂きますね。」
ラルフ「エルメダ殿、ありがとう。」
クラウス「では、他にありますでしょうか?」
エドワード「う〜ん…もし人為的なことだったらどんな意図をもってスタンピードを起こしたのかな?」
アレックス「………特に思い当たる節はありませんが…」
ラルフ「調査してからでも遅くはあるまい。」
エドワード「ですね。」
クラウス「それではこれにて会議を終了します。
報奨については後日使者に届けさせます。」
ラルフ「シンよ…お主強すぎではないか?」
シン「えへへ…………少しやりすぎたかとは思いましたが、少しでも被害を少なくする為に頑張りました。」
エドワード「やはり娘をシン君に託して正解だったようだね!」
クラウス「報告を聞く側からすれば、胃が痛くなりますがね…」
ラルフ「シンよ。これからも頼んだぞ。」
シン「はい!」
ラルフ「うむ。おぉ!そういえば、イリスとシャルロッテ嬢が会いたがっておったぞ。
スタンピードに遭ったと聞いて、気が気でなかったそうだ。
会いに行って安心させてやってくれ。
今日は王城の庭園で、2人でお茶会をしているはずだ。」
エドワード「僕からも頼むよ。でも、節度を守ったお付き合いをね?ね?」
シン「は……はい…」
エドワードの少し圧のある笑顔に気圧されながらも、返事を返すシンであった
その後王城の庭園にて…
シン「居るかな……?あっ!いたいた!」
イリス「シン様大丈夫でしょうか……?いくら強いと言っても、やはり数に囲まれると怪我をしてしまうかもしれません…」
シャル「確かに心配だけど、私達はシン君の安全を願っておくしか出来ないしね…」
シン「イリス!シャル!ただいま!」
シンが2人に近づき、声を掛けると
イリス「!シン様!お帰りなさいませ!お怪我はありませんでしたか?!」
シャル「シン君お帰り!無事で良かった!」
2人は紅茶を置くと、いつもの2人からは考えられないほどの素早さで、シンに抱きつく
シン「うわっ?!2人共落ち着いて!僕は無事だから!」
その後も数分程2人が抱きついていたが、なんとか説得し、席へと座らせる
因みにこの間、メイドはとても微笑ましそうな目をして眺めていた
王女付きのメイドのため、情報の秘匿に関しては問題なく、時たまイリスの方から相談を受けるほどの間柄でもある
シン「改めてただいま!」
イリス「お帰りなさいませ!ご無事で良かったです!」
シャル「ほんとにね!私達シン君がスタンピードに巻き込まれたって聞いた時心臓が止まるかと思ったよ!」
シン「あはは…でも僕はとても強いし、負けることはないから安心して!」
イリス「もう…大怪我をしてしまうのはイヤですよ?」
シン「そうならないように気をつけるよ。」
シャル「じゃあ…そのスタンピードの話が聞きたいな!」
イリス「私もです!」
シン「じゃあ…えっとねぇ…」
シンはフェンリルとの会話から、オーガとの戦闘やジェネラル級との戦闘、黒オーガとの戦闘、そして街に入り込んだオーガの戦闘について話した
話を聞いている間、イリスとシャルの表情がコロコロ変わり、シンは少し満足であった
しかし、フランを助けた所の話になると、2人共が少し考え込むような表情をする
シン「うん?どうしたの?」
イリス「シン様…そのフラン様とはその後どうなりましたか?」
シン「えっ?!え〜〜〜〜〜〜〜〜っと…………」
シャル「何か言いにくいことでも?」
シン「う〜ん…言いにくいことではないけど…まぁいいか、フラン姉さんから告白されて僕も受け入れて、1人婚約者が増えました…」
シンは何故か責められているような、審判台に立たされているような感覚がした
イリス「やはり…そうでしょうね…」
シャル「やっぱりね…まぁ確かに気持ちも分かるね…」
イリス「1度お話してみたいですね。」
シャル「そうだね。シン君!今度お茶会する時に、フランお姉様を連れてきてくれないかな?」
イリス「私達も同じ婚約者ですので、親睦を深めたいと思いまして…」
シン「う〜ん…大丈夫だと思うけど、少し相談してみるね。」
イリス「分かりました。」
シンは念話を使い、フランと連絡を取る
シン(フラン姉さん、聞こえる?)
フラン(シン?!これが念話ね!聞こえるよ!どうしたの?)
シン(えっとね…今イリス達とお茶会しているんだけど、次のお茶会で、フラン姉さんと会ってみたいって言ってるんだけど、どうかな?)
フラン(イリスって……まさかイリス王女殿下?!)
シン(そうだよ。同じ婚約者として、親睦を深めたいんだって。)
フラン(……………分かったよ。大丈夫!)
シン(了解!ありがとう!)
シン「フラン姉さんに聞いてみたけど大丈夫だって!」
シャル「やった!」
イリス「いきなりシン様とフラン姉様、シャル、私だけというのも緊張するでしょうし、全婚約者での親睦会にしましょうか。」
シン「そうだね。じゃあ皆連れてくればいいんだね!」
イリス「シン様、お願いします。」
シン「任されたよ!」
シャル「会うのが楽しみだなぁ〜!でも早く私達も人前でシン君と遊びたいなぁ…」
シン「それは仕方ないけどね…」
イリス「お父様にせっついてはいるのですが、やはりシン様に関するあらぬ疑いをかけるわけにはいきませんものね…」
シン「まぁ早く功績積んで、伯爵になれるよう頑張るよ!」
イリス「私達も結婚後にシン様を支えられるように勉強を頑張りますね!」
シャル「そうだね!」
その後も和気藹々とお茶会をして、お開きとなった
閲覧頂きありがとうございました!
次回も宜しくお願いします!




