裏話 勇気ある少女の救い
シン「さぁ…同じ報いを受けてもらおうかな。」
シンはフランのため動き出す
シン(姉上が頑張って街を守ろうとしたのに、それを嘲笑うかの様に嬲るようなことをするなんて、絶対に許せない…)
先程シンによって吹き飛ばされ、家屋に突っ込んだオーガも瓦礫の中から這い出てきた
吹き飛ばされたときにでも千切れたのか、左肩が無く、血が吹き出ており、腹部にも穴が空いていた
どう見ても致命傷であり、その場に倒れ伏した
他のオーガ2体はそれを見て仲間が殺られたことを理解したのか、シンの威圧を振り切るかのように雄叫びを上げる
オーガ「グォォォォォォォォォォォォ!!!!!」
そして1体はシンに向かって走り出し、そのまま右手にもつ棍棒を振り下ろしてくる
もう1体は連携を取るためか、後ろから時間差で攻撃を仕掛けてくる
シン「策略をめぐらしてきたか…でも負けないよ!」
シンは肉薄してきたオーガを蹴飛ばし、もう1体のオーガにぶつける
どちらも吹き飛び、シンとの距離があく
そこで、
シン「先ずは……そうだね…1発かまそうか!〈散り桜〉
!!」
シンの背後に巨大な桜の木が現れる
そして満開の桜の花弁が散ると同時にオーガのもとへと飛んでいく
オーガは気にも留めず、シンへ走り出すが花弁がその四肢や肉体に切り傷を作っていく
無数の切り傷から血がどんどん流れていく
オーガ「グガァァァァ?!?!」
オーガは困惑したように棍棒を振り回すが、多少の花弁が落ちてもまだまだオーガの周りを舞っている
次第に血が少なくなってきたのかフラフラし始め、棍棒を落としてしまう
シン「じゃあ、そろそろ…」
そう言ってシンはエクスを構える
そして一瞬でオーガに近づくと、四肢を切断する
ダルマとなってしまったオーガ達は苦悶の声を上げながら、地へと倒れ伏す
オーガ「ギャァァァァァァァ!!!!!!」
シン「森の中だったら見逃してたかもしれない…けど流石に街の中に入って荒らし、あまつさえ姉上を傷つけた。
これは許せない。」
シンはエクスに黒い炎を纏わせる
シン「地獄の業火に焼かれろ…憤怒の炎〈レイズ・ブレイズ〉!!」
オーガはどうにかして逃げようと身体をよじるが、シンの剣からは逃げられない
首を切り飛ばされ、身体と首に燃え移った黒い炎が灰さえも残さないほどに燃え上がる
シン「よし…これでここは終わりだね。エリス?他の様子は?」
エリス「街の中に他の敵対反応はありません。」
シン「了解。じゃあ姉上を連れて帰ろうかな。」
シンは隠れながらこちらを伺っているフランのもとへと向かう
シン「姉上。オーガはすべて倒しました。もう怪我は痛くありませんか?」
すると下を向いていたフランは顔を赤らめながら、
フラン「うん…怪我も回復してくれたからどこも痛くない。シン、ありがとう。」
シン「どうしました姉上?何やらいつもの元気がありませんが…まさか何か状態異常が?!」
そう言ってシンはフランに近づくが、
フランは顔をそらし、更に手で顔を隠す
フラン「大丈夫!どこもおかしくないから!」
シン「う〜ん…まぁ姉上がそう言うのであれば…」
そこへ帰ってきていたアリシア達は…
アリシア「あら…ご主人様の方も終わっていたようですね。無事フラン様を助けられたようで…」
ハク「ん?でも何か様子がおかしいようだけどどうしたんだろ?顔を赤らめてるし…まさか…」
アリス「本当ですね…」
ナズナ「そうですよね…」
アリシア「あれは…フラン様はご主人様に惚れましたね。」
ハク「やっぱりそう見えるよね?」
アリス「やはり窮地を颯爽と助けられると惚れてしまうのも無理はないですね…」
ナズナ「でもご姉弟ですよね…?どうするんだろ…」
アリシア「その点は問題ありません。ご姉弟ではありますが、腹違いですので結婚できます。」
この世界での結婚は基本的に一夫多妻、一妻多夫などが法的に許されており、強者は多くの人を娶り、次代に血を残すことが義務だと考えられている
実際、この国の王であるラルフは過去にはもう1人王妃が居たのだが、現在は病死している
貴族や名のある冒険者は配偶者が多数いることも珍しくはない
更に言うのであれば、近親婚もあまり現実的ではないが、認められてはいる
貴族の中には情報を秘匿するために、近親内で婚姻を行うということが極稀に起こる
その場合でも条件はあり、腹違いでなければならないという血が濃くなりすぎて、子供に悪影響を与えないようにという配慮がなされている
今回の場合、シンは第二夫人の息子であり、フランは第一夫人の娘ということで腹違いということで許される
ナズナ「そうなんですね…私の村では一夫多妻や一妻多夫の方はいらっしゃらなかったので知りませんでした…」
アリシア「確かに主要な都市でないと、そういった方を見かけることはないのかもしれませんね。」
ハク「あ!お兄ちゃんがお姉ちゃんを運んで来てる!」
アリス「フラン様がとても恥ずかしそうにしてますね。」
シンはフランをお姫様抱っこで抱き上げると、アリシア達の下へと向かってくる
フランは顔を更に赤くして、手で隠して恥ずかしそうにしている
シン「姉上のことも助けられたし、帰ろうか。」
アリシア「了解しました。」
こうしてスタンピードの裏で起こっていた勇気ある少女の話は終結した
その後、カルミナ家邸宅に着くとすぐさまフランはシンに降ろしてもらい、逃げるように部屋に戻った
シン「どうしたんだろ…?いつも元気なのに…」
アリシア「ご主人様。すぐに分かりますよ。」
エリス「マスター…女心を少しは理解したほうが良いですね…」
シン「結構言われた…」
ということがありながらも、シン達一行は部屋に荷物を置くと、執事からアレックスが呼んでいると言われ、書斎へと向かう
そして書斎に着くと、アレックスとローエル、ミリアが居た
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