予兆
カルミナ家に到着した次の日、玄関ホールにはシン、アリシア、ハク、アリス、ナズナ、そしてフランが居た
フランに至っては白いローブを着て、魔法の杖を持ち如何にも魔法使いという出で立ちであった
シンたちはいつも通りではあるが、シンから貰った武器を装備している
シン「……………本当についてくるつもりなんですか?姉上。」
フラン「もちろんよ!お父様にも許可を取ったし!」
そう、フランは昨日シンにアレックスに許可を取ったら連れていくと言われ、本当にアレックスから許可をもぎ取ってきたのだ
…………いや、脅したと言っても過言ではないのかもしれない…
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フラン「お父様!私もついていっていいでしょうか!!!!」ドアバーン!
アレックス「?!なんだ?!……フランか。どうした?ついていっていいとはなんのことだ?」
フラン「それはもちろんシン達にです!」
アレックス「シン達なら数日後に出発すると言っていたが?」
フラン「それは私も知っています!私が言いたいのはハクのお父様に会いに行くのについていっても良いかということです!」
アレックス「?????何のことだ?すまんが最初から説明してくれ。」
フラン「シンが明日にでもハクのお父様が居る森に行くそうです。そこで私もついていきたいのです!」
アレックス「その森はどんなところなのだ?」
フラン「シンから聞いたところ、この近郊の魔の森です!」
アレックス「魔の森?!それは許可できんな。流石に可愛い娘をあんなに危険な所に行かせられん!」
フラン「許可してくれなければ、お父様を嫌いになります!」
アレックス「うぐっ……………それは困る………が流石に危険に曝すことは出来ない…」
フラン「そうですか……ではお父様、さようならです。」
そう言ってフランは部屋から出ていこうとする
アレックスが慌てて引き留める
アレックス「分かった!分かったから!許可する!」
フラン「ありがとうございます!お父様!」
アレックス「だが条件がある。シンのそばから離れるなよ。そして絶対に無事に帰って来てくれ。」
フラン「もちろんです!」
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シンはあの後アレックスに呼び出され、血涙を流しているアレックスに頼まれた
アレックス「フランのことを頼んだ…だが決して怪我をさせないようにしてくれ…」
シン「それは分かっていますが…そこまでですか…」
アレックス「そうだ…嫌いになると言われて凹まない親は居ないぞ…」
そんなこんなでフランを連れて行くことになった
シン「じゃあ姉上は絶対にみんなの側から離れないでくださいね。皆もちょっと気にかけてあげてくれる?」
フラン「無理言ってついてきてしまい申し訳ありません。」
アリシア「分かりました。」
シン「じゃあ行こうか。」
そういうと、シンたちは馬車に乗り込んで、カルミナ家を出発した
馬車の中では、今回の計画のすり合わせをする
シン「今回はあくまでもフェンリルに会いに行く事を目的にするからね。出来る限り戦闘は避けていくよ。あくまでも闘うのは避けられない時だけね。」
フラン「戦わないのね…折角戦える装備をしてきたのに…」
フランは少し残念そうだ
アリシア「お嬢様。フェンリル様は森の奥に居られますので戦っていては到着まで時間がかかり過ぎるのです。」
フラン「そうなのね…それは仕方ないね…」
そうして領都を出て暫く行く間、女子会が開催されていた
シンはその間、女子3人よれば姦しいということわざを思い出し、出来る限り気配を消していた
そして森についたのだが…
シン「………?何かおかしい…気配がしないぞ?」
フラン「?何の気配がしないの?」
シン「今〈サーチ〉を使って森を調べてたんだけど、フェンリル以外の気配がしないんですよ。」
フラン「…………そんな事はありえるの?」
シン「分からないです。ですが、恐らく不味いことになってます。ん?」
シンの〈サーチ〉に動きがあった
なんとフェンリルがこちらに近づいてきている
シン「フェンリルがこっちに来ている…何かあったのかな…?」
数分もしないうちにフェンリルが姿を表した
フェンリル『おお!シンではないか!どうしてここに?』
シン「久しぶりだね。今回は貴方に会いに来たんだけどね…何やらきな臭いことになってきたね。」
フェンリル『ああ。ここ数日魔物たちの気配が消えている。恐らくこの空気は…魔物氾濫【スタンピード】が起こるだろう…」
アリシア「!やはりそうですか…」
シン「アリシア、スタンピードって何?」
アリシア「スタンピードは本来であれば群れるはずのない魔物でさえ統率的に群れをなして、森やダンジョンから出てくることを指します。数十年に1度のペースで発生するのですが、一度発生してしまえば甚大な被害が出ることが予想されています。」
アリス「大体のスタンピードはリーダーとなる魔物がいて、それを倒すことが出来れば終息するのですが、基本的には後ろの方に居るのでなかなか倒すことが出来ません。」
シン「そうか…これは父上に知らせたほうがいいね…」
フェンリル『今回は兆候が長い…つまり出てくる魔物も強いだろう。俺も手を貸す。』
シン「それはありがたい。」
フラン「早く帰って知らせないと!領民を避難させないと!」
シン「そうだね。早く帰ろうか。」
フェンリル『そうだ!シンよ!女神様からの伝言だ。教会に来てくれとのことだ。』
シン「………分かった。教会に行こう。それじゃあフェンリル、また後で!」
フェンリル『ああ。』
そう言ってフェンリルは森の中へと消えていった
シン「それじゃあ早く帰ろうか。父上にも相談して、対抗手段を講じなければね。」
シン達は素早く馬車に乗り込み、領都へと向かう
領都の中へと入ると一直線にカルミナ家まで向かい、シンとフランはアレックスのもとへと向かう
シン「父上!急ぎの用事があります!」
アレックス「ぬ?入ってくれ。」
シン「失礼します。父上!スタンピードが発生します!」
アレックス「なんだと?!それは本当か?!」
シン「はい。森に行った際に、魔物の気配がなく、極めつけはフェンリルがスタンピードが発生すると知らせてくれました。」
アレックス「な?!フラン!どうなんだ?!」
フラン「シンの言っていることは本当です!」
アレックス「そうか……誰か!誰か居ないか?!」
アレックスが呼びかけると、執事が入ってきた
執事「お呼びでしょうか?」
アレックス「緊急事態発生だ!領軍の団長と冒険者ギルドのギルドマスターを呼んでくれ!スタンピードの予兆ありと伝えてくれ!会議を行う!」
執事「?!分かりました!」
執事が慌てて呼びに行った
アレックス「2人共情報をありがとうな。ここからは大人に任せてくれ。」
そう言ってアレックスは部屋を出ていく
部屋に取り残された2人は
フラン「シン?これからどうするの?」
シン「そうですね…まずは教会に向かおうと思います。女神様から呼ばれているそうですし。」
フラン「そうね…私もついて行くわ。」
シンたちはアレックスが会議をしている間、教会に向かった
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