奴隷と掘り出し者
アリシアの想いを聞いた後もお茶会は続く
ミリア「そういやマリアンヌ?貴方のあのことをシンたちに言っちゃったのよ。」
ミリアの発言にメリッサは驚く
メリッサ「貴方あのことを言っちゃったの?!この3人だけの秘密にしてたじゃない!」
ミリア「本当はそのつもりだったんだけどね?この子達に聞かれちゃって、さらにマリアンヌ?貴方今も時たま行ってるでしょ?」
メリッサ「マリアンヌ?そうなの?」
マリアンヌ「まぁそうね…時々人目を盗んで行ってることは確かね。でもそれがどうかしたの?」
ミリア「丁度良い機会だからこの子達に教えてあげて欲しいの。勿論バレないように。」
マリアンヌ「…………確かにそれはいいわね。もし何かあってもこの子達が一緒だったら万が一もないでしょう。いいでしょう私が教えてあげる。」
ミリア「良かったわね、シン。これであなたもなれるわよ。」
メリッサ「全く…ミリア。貴方は本人に許可も取らず事後報告でやるなんて…このことは本来知られてはいけないことなのよ?」
ミリア「それは反省しているわ。でもマリアンヌにも利になることだと思ったからね。」
こんな会話が続く中、内容を知らないイリスとシャルは頭に???が浮かんでいた
マリアンヌ「この子達がついていけていないわね。この際この子達にも明かしてしまいましょうか。どうせ将来シンくんと結婚するんだし、そうなればいやでも知ることになるでしょう。あなた達?今から話すことは他言無用です。いいわね?因みに聞かないこともできるけど、どうせ将来知るわよ。」
マリアンヌがイリスとシャルに問う
イリスとシャルは顔を見合わせ、頷く
それを見たマリアンヌはミリアがシンたちにした話と同じものをイリスたちに明かす
話を聞くにつれてイリス達はどんどん驚きの顔になる
話し終わると…
イリス「お母様が冒険者をしていて、さらに今も時々抜け出して活動していると…確かに時々居なくていつの間にか戻ってきていることもありましたが…」
シャル「お母様と王妃様がそんな繋がりがあったなんて…」
驚愕が隠せない様子の2人はさておき…
マリアンヌ「これから冒険者登録することがあるでしょうけどその時はアリシアさんに聞きなさい。時々私が出るときには一緒にクエストを受けましょう?」
シン「分かりました。」
こうして波乱万丈のお茶会は幕を閉じた
そして次の日、シンはアリシアと奴隷を買いに来ていた
シン「あんまり奴隷とかは好きじゃないけど…」
アリシア「ですが労働力を手に入れるのが最も簡単と仰ったのはご主人様ですよね?」
そう今回は自宅で雇うメイドを用意しに来たのだ
早速奴隷商の中に入っていく
中は小綺麗できちんと掃除されている
奥から人が出てきた
奴隷商「これはこれはようこそお越しくださいました。本日は何をお探しで?」
シン「メイドとして雇いたいので家事スキルなどがある人を探しています。」
奴隷商「分かりました。ではお見せしますが、奴隷の制度などはご説明いたしましょうか?」
シン「お願いします。」
奴隷商「了解しました。奴隷は主に3つに分かれます。借金奴隷、犯罪奴隷、違法奴隷でございます。借金奴隷は主に借金のカタとして身売りしてなることが多いです。借金分の金額を返すことができる、もしくは主人が解放すれば奴隷の身分から解放されます。
犯罪奴隷は軽犯罪から重犯罪まで犯罪を犯したものがなるもので基本的には解放されることはありません。主人が解放すれば出来ないこともないですがおすすめはしておりません。
最後に違法奴隷ですが、これは本来は取引されておりません。
奴隷商は国の認可を受けて行うものです。
しかし違法奴隷は人攫い等によって強制的に奴隷に落とされなるものです。
見つけたらお近くの認可を受けた奴隷商にお知らせください。即座に解放する義務があります。
奴隷は主人の所有物となりますので、他人の奴隷を強引に傷つけるなどすると罪に問われることになります。
奴隷は主人の命令に遵守しなければなりませんが、
主人は奴隷に対して死ぬことを強制するような命令は出来ません。
そして奴隷の衣食住を保証するという義務もあります。
以上が奴隷の説明になります。何か聞きたいことがあればお答えしますが?」
シン「いえ、今のところは大丈夫です。」
そんな話をしながらも奴隷商はどんどん奥へと進んでいく
すると檻に入った人達が見えた
排泄物が垂れ流しになっているわけではなく、奴隷たちもお風呂にちゃんと入っているのか嫌な匂いもすることがない
食事もちゃんとしているのであろうか顔色も悪くはない
奴隷商「ここは借金奴隷がいる所になります。メイドとしてはここに居る人たちがよく買われていきます。」
シンは鑑定を発動し、1人1人のステータスを見ていくが、いまいちピンとこない
シン「他に居ますか?」
奴隷商「この他には犯罪奴隷が居ますがおすすめはしません。メイドとしては使えないものが多いのです。」
シンはエリスに話しかける
シン(エリス?どうすればいいかな?)
エリス「ようやっと出番が来ました…わたしの出番が少なすぎませんか?全く…少々お待ちを。何やら奥から生体反応を確認。」
シンはその言葉を聞き、探知〈ソナー〉を発動する
すると奥に何やら小さい反応が2つあった
シン「この奥には誰もいないのですか?」
その言葉を聞いた奴隷商は少し顔を曇らせる
奴隷商「いるにはいるのですが…お客様に見せられるような状態ではなく…」
シン「それでもいいよ。見せてください。」
奴隷商「………………分かりました。」
そう言って奥の扉を開けると、そこには2人が部屋の隅に集まるようにして居た
2人は特徴的な見た目をしており、1人は鱗のような模様が身体にあり、もう1人は狐と思われし耳と尻尾がついていた
エリス「どうやら狐の獣人と竜人のようです。」
しかし竜人の娘は右手がなく、狐の娘は耳が片方なく右足もない
奴隷商「この者たちは他の奴隷商によって輸送されていた際に魔物によって襲撃を受け、その奴隷商は死亡し、この子達にも魔物が襲いかかっていました。運良く私が率いていた商隊が通りかかり、この2人だけは助けることができましたが、身体の一部を欠損してしまいました。
身体の欠損ともなると、やはり治せる人は殆どいなく、聖女様や教皇様位でないと出来ませんので、買い手もつかず…私達も心を痛めております。」
シンはその話を聞きながら2人を鑑定する
すると興味深い物を見つけた
ナズナ 年齢6歳
種族 狐人族
職業 巫女
Lv6
体力 600
筋力 260
防御 400
魔力 900
スキル
祈祷
火魔法
風魔法
加護
豊穣神の加護
魔法神の加護
アリス・ラ・ドラグル 年齢10歳
種族 龍神
職業 龍神の娘
Lv26
体力 9000(封印中)
筋力 6500(封印中)
防御 8000(封印中)
魔法 2000(封印中)
スキル
竜魔法
竜化
人化
生活魔法
加護
龍神の加護
状態異常
ステータス封印の呪い
シン(エリス?この竜人の娘、神の方なんだけど…)
エリス「珍しいですね…龍神であるならばそこら辺の魔物等蹴散らせるのですが。ステータス封印の呪いが効いているのでしょうね。」
シン(解呪できる?)
エリス「解析できればすぐにでも解呪出来ます。」
シン(じゃあこの娘達にしようかな?)
シン「この娘達をください。」
奴隷商は驚いた
奴隷商「先程申し上げました通り、この者たちは手足がなく、ご要望にお答えできないのですぞ?!」
シン「いいんですよ。僕がこの娘達を買います。」
奴隷商「…………分かりました。」
そう言って奴隷商は部下たちに指示を出し、2人を連れて行く
奴隷商「少々準備させるのでお待ち下さい。その間に契約事項を確認しましょう。」
そうして応接室に行き、奴隷商が契約書を書く
内容は、
一、奴隷は主人の命令に従う
ニ、主人は奴隷の命を軽んじるような命令は出さない
三、奴隷の衣食住を保証する
大まかにはこんな感じである
奴隷商「これでよろしいですか?」
シン「問題ないよね?」
アリシアに契約書を渡して、内容を精査してもらう
アリシア「問題ないかと思われます。」
シン「ではこれでお願いします。」
奴隷商「分かりました。これで契約させていただきます。奴隷の証である首輪は紋にすることも出来ますがどうなさいますか?」
シン「紋でお願いします。」
奴隷商「分かりました。では金額になりますが、ここでの教育費や食費等など諸々含めて…2人合わせて金貨5枚でどうでしょうか?」
シン「アリシア?どうなのかな?」
アリシア「妥当な値段かと。」
シン(エリスはどう?)
エリス「龍神や巫女がこの値段で手に入るのであれば儲けものかと。」
シン「これでお願いします。」
奴隷商「これで商談は成立しました。」
すると扉がノックされ、職員が入ってきた
職員「準備が整いましたので連れてきました。」
職員に連れられて入ってきたのはお風呂に入ったのかきれいになった2人であった
奴隷商「では契約を始めます。2人の左手の甲に紋がありますのでそこに1滴血を垂らしてください。」
シンは針を使って血を1滴づつ垂らす
すると紋が赤く光った
奴隷商「これで契約はなりました。おまえたち、これからはこの方がご主人様だ。精一杯お仕えするようにな。」
2人を連れて奴隷商を出て、馬車に乗りアストラ家へと帰る
馬車の中では2人は縮こまっており怯えている
シン「そんなに怯えなくてもいいよ。すぐに治してあげるから。」
家につくと部屋へと案内し、一旦書斎へと来てもらう
シン「じゃあそろそろ治そうか。」
それを聞いてようやく口を開く
アリス「お言葉ですが…欠損ともなると、普通の回復魔法では治せないのではないでしょうか?」
シン「確かにそうだけどね?でも僕は治せるんだ。これは秘密にしておいてね?」
そう言ってシンは完全回復〈パーフェクトヒール〉を唱える
眩しい光が辺りを包む
光が収まると2人の欠損箇所は治り、ナズナの尻尾と耳はモフモフとなっていた。
シンは鑑定でステータスを確認すると、アリスの呪いも解除されていた
シン「うん。呪いも解除できたし、怪我も治せたね。」
事態を理解した2人は抱き合って声を上げて泣く
シンとアリシアはそれを微笑ましく見つめる
数分後…泣き腫らした顔ながら2人は感謝を伝える
ナズナ「治していただきありがとうございました!私が出来ることなら何でもします!」
アリス「私も治していただきありがとうございました。正直治すと言われて半信半疑でしたが、温かな光に包まれると全てが治っていました。そして呪いの解呪もありがとうございました。私もお役に立てることがあれば何でもします!」
アリシア(やはりご主人様は凄いですね…本来であれば教皇クラスでなければ欠損回復など出来ませんがいとも容易く成し遂げてしまった…やはりご主人様は神様ですね。)
シン「治せてよかったよ。さて…これからの話をしようかな。」
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