表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染は尻軽女+α  作者: 金平糖2式
幼馴染は尻軽女
1/5

苦かった思い出も今は

一万字程度の短編ですが、試験的に場面転換ごとに区切って一日ずつ投稿してみます。

あらすじの通りタイムリープ復縁物ですので、あまり過激な展開とかは無いです。

 そいつに告白したのは、たしか、中学の頃だったと思う。

 いや、まあ――何故そんな事をしたのか、と言えば、若さゆえの勢い、と言うやつだったんだろう。

 物心ついたころから一緒にいたし、認めるのはしゃくだがあのころのあいつは、客観的に見て、かなり可愛かった。

 気が付けば、あいつに寄せられる、ちらちらと周りの男から寄せられる視線が、変わってくるのも感じていたし……

 そこから来る焦りと言うものも、あったのかもしれない。


 ただ、まあ……当時の俺なりになけなしの勇気やら根性やらを振り絞った告白だったが、オチとしては締まらないものだった。

 あっけらかんと、一日違いで、先輩にコクられでつきあうことになったからゴメン、とフラれてしまったからだ。

 今だからこそ笑い話で済ませられるが……まあ当時は、かなりのショックを受けたものだ。


 それを切欠に、自然と付き合いも減っていき

 気が付けば、近所の多少親しい友達程度の立ち位置になっていたのは、当然の事、だったのだろう。


 腐れ縁で、ずっと続くと思っていた関係も、終わりはあっけないものだった。


 成績の関係で同じ高校に通いはしたが、そのころには、もうほとんど関わる事も――

 いや、偶に話をすることくらいは、あったっけか?


 やれ先輩が浮気して別れただの、サッカー部のキャプテンと付き合う事になっただの、それを俺に言ってどうなるんだ、と言うようなことを、何度も何度も、聞かされて、心底勘弁してくれと……苦々しく思っていたのを覚えている。

 ただまあ、当時は、あいつを未だに諦めきれずに、ワンチャンあるかと思って、それに付き合っていた俺も俺だが。


 ただ――進学した大学までは、流石に別の所だったので、それを機に、すっぱりと関係も切れて、会う事もなくなったのだが。

 ちなみに、俺の受かった大学の方が、偏差値としては数段上だった。

 いや、一流どころに受かった連中と比べれば、五十歩百歩ってとこなんだろうが。


 今となっては、至極どうでもいいことだし、笑い話といえば笑い話だ。

 結局の所、幼馴染といったところで……赤の他人に過ぎないのだから。

 そんなあやふやな繋がりなど、切れるときはあっさりと切れるものだ。


 月並みな言葉だが――あいつと俺は、縁が無かった、ということなんだろう。


 その時は、本当にそう思っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ