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新しい特技を見てみたい

「おはよ」


「あ、おはよう。コータ」


 駅前で香奈を見つけたので、小走りで追いかけて声をかけた。


 前までは香奈と会いたくなかったというのもあって、いつも早い時間に家を出ていたし、遅くなりそうなときは急いで準備をしていた。でも最近は、香奈に会えるかもしれないし別にいいかと思って、少し遅れたとしてもあまり急がなくなった。


「昨日言ってた課題、終わった?」


「なんとか……。あれ、難しかったよね?」


「そうだね……。あの先生もうちょい課題楽にしてくれればいいんだけど」


「ねー」


 3年も疎遠になっていた幼馴染だけど、仲直りをして2週間も経てば話す内容は、昔の話や疎遠だった時の話より今の話や今後の話が多くなってきた。


 はじめはちょっとぎこちなかった会話も今では普通に話せるようになっている。


 そうして、二人で話しながら駅まで歩き、電車に乗った。


 電車の中から外を眺めると、道路わきの綺麗な花が目に留まった。


「あ、そう言えばさ」


 花を見ていたら、ふとまだ聞けていなかったことを思いだした。


「部活、奇術部ってさ、どんなことやってるの?」


「どんな事……、マジック?」


「そりゃそうだろうけども」


「うーん……トランプのマジックはよく練習するかな。伊織が好きでいろいろ見せてくれて、やってみたくなるんだよね。伊織みたいにうまくは出来ないんだけど」


「へえー、それは見てみたいな」


 昔は大雑把というか、結構本能で生きているようなタイプだったから、マジックなんて繊細そうなものをやっている香奈が想像できない。正直、トランプをぶん投げて「無くなりましたー」って言ってる姿の方が思い浮かぶ。昔、実際にやってた気さえする。


 運動会の時も奇術部は最終走者の人以外、普通に走っていたし……。そもそも、あの杖から花が出すやつは、そういう小道具を使った演出って感じだったしなあ。


「伊織に頼んだら見せてくれるよ」


「うん?いや、香奈がやってるのを見てみたいなって」


「え、伊織のほうが上手だよ?」


「五十嵐さんとあんまり話さないからなあ……」


 香奈がずっと一緒にいるから、挨拶したりはするけど。香奈と話している感じから、しっかり者の苦労人感がある。前までは、香奈と2人セットでクラスの一軍!って感じだと思ってたのに、最近は香奈の保護者なんじゃないかと思う時がある。


 ……香奈に「お母さん」って呼ばれたことありそうだな。


「……それに香奈がマジックとかやってるのってあんまり想像つかなくて」


 別に、生でマジックが見たいというわけじゃない。いやそれもちょっとあるけど……香奈が、やっているところを見てみたい。


「そう?」


 香奈がこてっと少し首を傾けて言う。昔より髪が短くなっているのもあって、髪がふわっと揺れる。


 ぐっ……、かわいい。……不意打ちを食らった。仕草は昔とあまり変わらないけど、格段にかわいさがアップしている。


「……香奈、そういう細かいことあんまりできなさそう」


「たしかに苦手だけど!もう1年やってるんだからちょっとくらいできるよ!?」


 心外だという反応をする香奈。こういう反応は、昔と同じで安心する。


 笑っていると、香奈は「むぅ……」と口を窄めていた。


「じゃあ、今日の放課後見に来る?」


「いいの?」


「うん。大丈夫だよ。先輩も多分いないからね。伊織しかいないと思う……あ」


 そこまで言って、香奈がしまったという顔をする。何か予定でもあったのかな。


「ん?どうしたの?」


「えっとね……」


「……予定とかあったら別にいいよ?」


「そう言うわけじゃないんだけど……」


 言いにくそうにしていたからそう言ったのだけど、香奈は難しそうな顔をしている。


 何だろう……。トランプ持ってくるの忘れた?


「……その、みんなにまた色々言われないかなって」


「あー、確かに。ちょっと大変だったもんなぁ」


 体育祭で色々聞かれたけど、その後はなにもないから忘れかけていた。


 放課後に一緒に帰ることは今までなかったし、一緒に教室を出ていったらまた天道さんあたりに色々言われそうだ。あれは、ちょっと面倒くさいか……。香奈も、仲直りしたからって、付き合ってると勘違いされるのは嫌だろう。


「あ、いや、私は、全然いいんだけどね!?コータは色々言われるの嫌かなって!」


「そんなに気を使わないでもいいんだけど……」


 急にあたふたし始めた香奈にそう言いながら、どうするか考える。また機会があったら、という事でもいいけど……一度見せてくれると言われたのに見れないのは、残念な気がする。


 うーん……。……あ、そうだ。


「じゃあ、放課後、うちくるのはどう?」


「……………………………ウチクルノワドウ?」


 え、なんか急に壊れたんだけど。

お久しぶりです。


随分と長いこと放置してしまい、すみませんでした……。

私が、この春から新たな門出なので、ぼちぼち更新していこうと思います。

思い入れもあるし、ちゃんと完結させたい……。[以前作った構想を見たら、80話くらいで完結する予定になってて震えた{あくまで構想なので、もっとはやく完結する可能性も大いにあります(もちろん、長く続けるかも)}]

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― 新着の感想 ―
うぉ! 久しぶり過ぎてビックリ ちょっと前の話を読み返して復習しちゃいました~
更新ありがとうございます。
気長に更新をお待ちしております。
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