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試験結果

 土日の休みが明けて、授業が再開された月曜日。3限の数学の時間になり、山本先生が茶色い封筒をもって現れた。


 生徒たちが、「早すぎ―」なんて声をあげると、「先生はこういうの先に片付けるタイプなんです」といって、笑いながら黒板に最高得点と平均点を書き出す。最高得点は取れているはずもないのであまり気にはならないけど98点らしい。そして、平均得点は62.4点。先生は60点から65点想定でテストを作るとか言っていたので、難易度としては普通のテストだったということだろう。俺の感想もそんな感じだ。


 周りの様子としては「高い高い!」と声をあげる人や、想定内といった風に特に反応を示さない人がいる。中には頭を抱えて動かなくなっている人も……あれは、雅紀だな。……あと、前の席に居る香奈もだ。


 まあ、平均点によって赤点が決まり、赤点かどうかで追試の有り無しが決まるのだから、ギリギリの人はそういう反応になるのもうなずける。まあ、心配だけど、だから何ができるというわけでもない。


 先生が「じゃあ、1番から順番に返すぞ」と言い、名前を呼び始める。


 そして、出席番号が比較的早い俺の順番はすぐにやってきた。


「柏木は……まあまあだな」


「あ、はい」


 返ってきた数学の解答用紙を見ると右上に76と書かれている。……うん。まあまあだ。平均点が63点くらいだったから平均点より13点ほど高いことになる。1年生の時もこれくらいは取れていたし、予想通りの点でもある。


 赤点は平均点の半分以下……だったっけ。雅紀は大丈夫だろうか。


「霧嶋、次はもっと頑張れよ」


 テストを返すとき、山本先生は全員に一言ずつ付け加えるのだけど……今のはかなり点が低かった時に言われるやつだ。小声で付け加えるので、普通は本人にしか聞こえないのだけど、聞こえてしまった。大丈夫か?香奈のやつ。


 席に戻ると、珍しく雅紀が席に来ていた。


「どうだった?」


「まあまあ」


「くっ」


「なんで悔しそうなんだよ」


「マジでやばいんだって……」


 そう言いながら雅紀は頭を抱える。別に俺の点が低くても雅紀の点は変わらないだろうに。


 そう思いながら、何気なく周りに視線を向けると、香奈が五十嵐さんに泣きついているのが目に入ってきた。


 ……え、まじで赤点?大丈夫か……?


 最近の香奈は明らかに本調子ではなかったし、クラス内で心配の声が上がるくらいには体調が悪そうだった。そのせいで試験結果がふるわなかったのだとすると、その原因であるかもしれない俺は、なんというか……いや、そんなこと考えてもしょうがない。俺が何を出来るってわけでもない。



 その後、頭を抱える雅紀を横目にだらだらとしていたら、後3人で雅紀の順番が来るところまで返却が進んでいた。


「マジ心臓止まる……」


「いってらっしゃーい」


 もう自分のテストは返ってきているので気の抜けた送り出しをしたけれど、雅紀の点はそれなりに気になる。追試となると、当然普段より勉強をしないといけないし、色々大変だから。いや、追試があるだけ優しいのかもしれないけど。


 せっかく終わった試験期間が伸びるみたいな感じだしなあ……、なんて思いながら答案返却の様子を見ていると、雅紀は点をチラ見して点が書かれている場所を折りたたむ。


 あー……、なんか、ダメそうな気がする。


 その予想通り、雅紀はやってしまったという顔で戻ってきた。


「あー、まじかあ……」


「何点だったの?」


「31」


 赤点ギリギリじゃなくてギリギリ赤点だったやつか……。


 まあ、俺に言えることは……


「ドンマイ。追試頑張れ」


「次はちゃんとやるわ……。留年はシャレにならん」


「おー、頑張れ」

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