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ゴールデンウィーク明け

 ゴールデンウィークが開けて、今日からまた学校が始まるのだけど、香奈の様子がおかしい。二日前からメッセージをしても既読がつかないのだ。昨日、電話をかけてもつながらなかった。


 ちゃんと学校に来てるかな?と思いながら教室のドアを開け、香奈の席を見る。


 そこにはどこか疲れた様子の香奈の姿があった。ちゃんと学校に来ていてよかった、と思うと同時に心配の方も大きくなる。ぱっと見は普通に見えるけれど、疲れが滲み出ている。多分原因は柏木君のことなんだろうけど、何があったんだろうか。


「香奈」


「……」


「香奈!」


「うえ⁈」


「おはよ」


「あ、おはよう。伊織」


「大丈夫?なんか疲れてるみたいだけど」


「あ……あんまり……大丈夫じゃない、かな」


「まあ、そうだよね。その感じだと。携帯、持ってきてる?」


「え、うん。持ってるよ」


 そう言って、香奈がブレザーのポケットから携帯を取り出す。そして、ホームボタンを押して、驚きの声を上げた。


「あれ?」


「何回かメッセージ送ったのに全く反応ないから心配したよ……。電話もしたし」


「えっと、ごめん……。ちょっと、余裕なくって」


――キーンコーン


「あっ。……あとで話聞くから、授業、ちゃんと聞かなきゃだめだよ」


「うん……」


 もっと早く学校に来ればよかった。そうしたら、もっと話を聞けたのに。顔を合わせて喋ったことでわかったけど、凄い隈があった。


~~~


 ……香奈に授業ちゃんと聞かないと駄目とか言っておいて自分も全然集中できなかった。理由は香奈のことが気になったから。


 最初の方はちゃんと授業を聴いていたのだけど、一時間目に香奈があてられたとき、香奈が全然授業に集中していないことがわかって、それからずっと気を取られてしまった。先生が列で順番にあてているのに、あてられるまでそのことに気づかなかったような反応をしていたので本当に心配だ。


 取り敢えず、1,2時間目が終わったので、香奈のところに行く。香奈の後ろの席の柏木君は相変わらず百山君の席に行っている。


「じゃあ、何があったのか教えて」


「……」


 聞くと、悲しいのか苦しいのか辛いのか、色々混ざったような顔で黙りこくってしまった。


 え、本当に何があったの?謝ったら柏木君に話しかけるなって言われたとか?もしかしたら、柏木君関係なく何か起きたとか?


 あまりにも辛そうな顔をするので不安が募り、色々な予想をしてしまう。


「え、香奈?大丈夫?そんなに言いにくいなら言わなくてもいいけど……」


「あ、いや……」


 言っていいのか悩んでいるかのような様子を見せた後、香奈は口を開いた。


「私、康太に……思っていたよりももっとひどいことしてたみたいで……」

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