無辜の怪物は、今日も嗤う。~ただの強面オッサンだった俺、後世の人々が色々な設定を付けたせいで最強の存在として転生する~
プロローグだけ書きなぐってみました_(:3 」∠)_
「死ね! 極悪人、カオス・リングレット!!」
「な、に……!?」
それは突然の出来事だった。
なんの変哲もない一日の始まり、俺は突然、隣人に腹を刺された。
しかも極悪人だなんて、まったくをもって身に覚えのないことを言われて。なすすべなく倒れた俺は意識が遠退く中、周囲の人々の声を聞いた。
「こ、これでよかったのよ!」
「あぁ、そうだ。噂では魔王軍を陰から操っていたとか」
「しかも膨大な魔力を秘めていて、こうして人間の姿をしているのも仮初に過ぎないらしいぞ」
「でも、聞くところによると神々の子孫らしいじゃないか」
「私もそれを聞いたことがあるわ。なんでも、強面を理由に追放されたとか」
…………は?
俺は心の底で、こう叫んだ。
その情報――【強面の部分しか正しくない】じゃないか、と。
そんなこんなで、俺は勘違いで隣人によって刺殺されたわけだ。ここまできたらギャグとしか思えない、いわれのない罪を着せられて。
ゆっくりと意識が闇の中に消えていく。
しかし、間もなくのことだった。
その闇の先に微かな光が見えたのは。
「あ、れ……? なんだ、これ」
そして、次に目を覚ました時。
俺の目の前には――。
◆
「お目覚めになられましたか、カオス・リングレット様」
「へ……?」
大勢のフードを被った人々が、片膝をついていた。
何が起こったのか分からないまま、俺は手近にあった窓を見る。するとそこには、自身の姿が映った。それを確認して――。
「は、誰これ……? もしかして、これが俺なのか?」
思わずそう口にした。
何故ならそこにいたのは、魔王も裸足で逃げ出すほど凶悪な顔をした悪魔。そんな奴が、俺の動きに合わせて行動しているのだ。
それって、つまりはそういうことだよな……?
「お目覚めになったばかりで、記憶が混濁されているのでしょう。しかしご安心ください。カオス様の伝説は、枚挙に暇がありませんゆえ……」
「は? 伝説?」
「えぇ、そうです。我々は多くの伝承の中から貴方様が最強の存在だと考え、召還させていただきました」
「最強の、存在……?」
「その通りでございます」
なにを言われているのか分からない。
首を傾げていると、フードの人物の代表がこう言った。
重々しい口調で。
「神々の子孫でありながら、その強大な力故に追放されし存在。古代魔王軍を陰から操り、世界を破滅させんと企てた史上最強の魔族王……!」――と。
その時の俺は何も言えなかった。
だってそれは勘違い、だったのだから……。
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