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黒き相棒を纏いし英雄  作者: shito
はじまり
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第九話 戦闘訓練

賢太は草や木々の色、そして土などの植物っぽい色を頭に浮かべ組み合わせていくと二つの魔法が浮かんだ。一つ目が「植物操成」二つ目が「神秘命種」だ。


「おー!マフィン!二つ魔法が浮かんだよ!」

そう言いさっそく魔法を試してみる。まず最初は「植物操作」をと唱えてみた。すると木々がうねうねと動いた。


「うゎ!きも!頭の中でこう動けって念じると動くんだけど!」

「・・その辺は名前通りのスキルだな。他に

できることはないのか?」


そうして色々とやってみるとわかったことがいくつか

わかったことがある。一つは植物の成長を促すことができる。そしてこれは戦闘面で使えそうなのだが簡単に言えば木が生えてくるという表現が最も適しているだろう。念じるだけで地面から任意の数だけ木がすごい勢いで生えてくる。この光景は結構シュールな感じで笑えた。


「ふぅーすこし遊びすぎたな…でもこのスキルめちゃくちゃ使えそう。」

「・・あぁ。森での戦闘では相当な威力を発揮するだろうな。」

「よしじゃあ次行こうかな。えーと「神秘命種」だね。」


んーこれは名前からじゃあちょっとわかんないな。

まーやってみるしかないかな。しっかりと気持ちを切り替え魔法発動に集中するそして魔法を唱えると自分の右手が光り出した!まさか!手からビームが!?なんて思ってると手の中に何かが現れた。


それに気づいたと同時に光もやむ。恐る恐る手の中を確認すると、何かの種のようなものが二、三粒入っていた。


「これは…なんかの種だよね?」

「・・すこし待て、今解析をしてみる。」

そして凄い勢いでその種を調べると何の種はすぐに判明した。


「・・解析完了。これはトマトの種をだな。」

「え!?トマト!俺が一番好きな食べ物だ!!」

「・・しかしこの種にはふつうじゃ考えられないくらいの魔力が込められている。おそらくただの種ではないことは明白だ。ちょうどいい、さっきの二つの魔法を組み合わせてその種を育ててみればわかるんじゃないか。」


「おーナイスアイデア!」

賢太はさっそくその種を足元に埋めて「植物操成」をその種に向かって唱えるするとみるみると草が生えてきて、高さ80センチくらいまで伸びた。しっかりと太く逞しい茎に葉っぱ生い茂りそこに4つほどの大きな違いトマトがぶら下がっていた。


そのトマトは見ただけでどれほど質がいいか確認することができた。

「うぉー!すっげーうまそうなトマトだ。しかもでかい!日本でもこんな大きなトマトは見たことがないよ!」そう言って、すぐさまトマトをむしり取り賢太は一口頬張ると数秒間無言のままマフィンに見つめてからまた無言で食べ尽くす。


「あまりにも美味しいもの食べると無言になるやつって本当だったんだな。」そう涙を流しながら言った。

その様子をマフィンは呆れた目でみていた。


それからほかのキャベツやジャガイモなどの野菜の種を出して、育ててみたが全て成功したのだが、なぜか土の中でなるジャガイモなども、全て80センチくらいの草に実をつけるというとても奇妙な作物が完成したが品質の方は最高に良かったので問題なかった。


気づけば夕方くらいになっていた。

「よし。色々と収穫あったしもうそろ帰るか。」

「・・そうだな。この魔法のお陰で食糧問題も解決できそうだ。」


そうして、賢太とマフィンは転移魔法で集会所の一室へ転移した。そしてソフィアと食糧面を担っている

マイクを呼び出し今日の成果を報告する。そして実践も兼ねてマイクとソフィアに今日使った作物を育てる魔法を披露すると2人とも泣かながら神を崇めるかのように賢太に感謝を伝え、それを落ち着かせるのに賢太は大変苦労した。そしてその日長い1日が終わった。


次の日からは狩りに出かける日々が続いた。能力の練習や一番の目的は野菜だけでは足りず、肉も必要だったためだ。そんな日が続き気がつくと二ヶ月が経過していた。まず食糧問題の方は「植物操成」と「神秘命種」を使い土地を広げていき安定した作物の栽培に成功していた。


そして一番の成果は「神秘命種」によって傷を癒す薬草の種を作り出し、育て薬剤師の協力を得てフルポーションを作り出すことに成功した。


これは普通は滅多に手に入らず、腕が切れても生えてくるくらいの傷修復能力があるらしい。そんなものを安定して作れるようになるのは本当にやばいと思う。

そして、ソフィアたち兎族の戦闘技術も格段に上がっていた。


もともと兎族の剣術には昔から代々伝わっている兎真流という型が伝わっており、それと今回の契約により発現した血継覚醒の能力【電光石火】をその型に組み入れ今までとは比べものにならない強さを手に入れていた。


また警備の方は賢太は「植物操成」の

木が地面から凄い勢いで生えてくる技「木々衝撃(ツリー・インパクト)」を村の周りに張り巡らせ敵が通ると発動し敵を吹き飛ばす恐ろしい罠をひいたお陰で警備のより完璧になった。そして今、賢太達は村の訓練所でソフィアとマサドと兎族の戦士の数十人が戦闘訓練しているところを眺めていた。


「おい!そこ動きが遅い!もっとこうだ!一歩目の踏み込みが甘い!」ソフィアが厳しい指導をしながら部下の戦士達をボコボコにしていく。その様子をみていた賢太は普段とは違うソフィアみて絶対に怒らせないようにしようと心に誓った瞬間だった。対してマサドの場合は丁寧かつ的確に指導していて人気があるようだった。


「俺もし剣おしえてもらうことになったらマサドに頼もう。」

「・・その方が良さそうだ」

そんな中、ソフィアに指導してもらっているグループの中にあの厳しい訓練に余裕で受けている戦士がいた。あれ誰なんだろう?


「ナルという若者ですね。」

いつのまにか隣にいたマサドが答えた。

え?!いつのまに?てか、心の中を読まれた!という驚きの表情を頑張って隠してナルという若者のことを聞いてみた。


「あれはですね。剣技は素晴らしいですが、態度に多少問題がありましてね。少々困っているんですよ。」

確かによく見ると他の他の戦士達をバカにした様な目でみている。勿体無ないなーと思っているとあるアイデアが思いつきマサドに提案してみた。


「要は、自分が部下の中で一番強い、才能があると思っていて天狗になってるってことでしょ?なら俺がおってやろうか?」一瞬驚きの表情をするマサドだったがすぐにニヤリと笑った。


「それはとてもいいアイデアですね。ぜひお願いします。」

よーしやるか。と気持ちを切り替え立ち上がり、ソフィアのもとへ向かう。


「ようソフィア。訓練頑張ってるみたいだね。そんな最中に申し訳ないんだけど少しいいかな?」

「あっ!主人さま!いいですよ。何なりとご命令ください。」そうして訓練を受けていた、部下の戦士達に休憩していろ!と声をかける。


「いや、そんなに固くならなくていいから。いやなに

離れて見ていたんだけど、ナルという戦士がなんだか天狗になってる感じだったから、その鼻を折ってやろうと思って。」


「え!?主人のお手を煩わせるなどダメですよ!」

「いやいや俺も最近は魔物相手ばっかだったから対人戦もやっておきたくてさ。」そう賢太が言うと、後ろから声が返ってくる。


「その勝負やりたいっすね。」その声はナルのものだった。

「おいくそがき!口を慎め。」ソフィアが凄い剣幕でナルを睨みながらつぶやいた。


「そんなに睨まないでくださいよ。ソフィアさま、俺は自分の剣技がどこまで通用するか確認したいだけっすよ。」それを聞いたソフィアがブチギレ何かを言おうとするが賢太が手をソフィアの前に出して止める。

「よし、気に入った。じゃあ早速やろうか」


そうして2人は訓練場の中央に行き向かい合う。

向かい合った二人だがナルがあることに気づき問いかける。


「主人はマフィン様を纏わないんっすか?」

「お前くらいだったら全然纏わなくても問題ないから安心して全力でかかってこい。」そんな軽い挑発は今のナルには相当きいた。


「後悔しても知らないっすよ!ではいきます!!」

そうして戦いは始まった。

まずナルが二刀流の長所である手数の多さを活かし、賢太に向かって剣を振る。


しかし血継覚醒の身体強化のお陰でナルの剣技などスローモーションに見える。

そして余裕で全てかわす。まだ血継覚醒に目覚めていないナルと血継覚醒を二つ所有している賢太には基礎的な能力に雲泥の差があるあるためどう考えてもナルは賢太に勝てるわけがない。


しかし今のナルにはそう言った冷静に相手の力量を測ることはできない。

「やるっすね!主人!!じゃあーこれならどおっすか!」と言いながら、ナル自信の兎真流奥義をくりだす。ちなみに兎真流の奥義は基本と応用を学びそれを使い自分自身の奥義を作り出していく、つまり兎真流の奥義は十人十色なのだ。


「奥義、一点槍!」二本の刀を賢太の胸の一点をめがけ突く。いける!そう心の中で思ったなるだったが次の瞬間、絶望へ変わる。


なんと賢太が素手で剣を掴んだのだ。普通では考えられない光景を目にした瞬間、目の前から賢太が消えたそして次の瞬間、腹部に強烈な右ストレートをくらい10メートルくらい吹き飛んだ。


なんとか気絶まではしなかったが、意識が朦朧とする中、自信のプライドのために歯を食いしばりなんとか立ち上がり賢太を見る。


するとナルはとてつもないある感情に押しつぶされそうになる。それは恐怖だ。

今までその性格上、あまり前線には行かず村の警備をしていたため、本物の死の恐怖を味わったことがなかっため、ナルはその場にへたりこんでしまった。


「ナル。意外とやるなー動きも悪くないし、センスもある。でもな戦いには一人じゃどうしようもない時が必ず来る。そんな時に大切なのが仲間との信頼関係だ。確かにお前はソフィア達の部下に比べたら、頭ひとつ出ている。でもなバカにしたりは良くないぞ、力が劣っているやつを見たら教えてやればいい。そうしてけば必ずお前も本物の戦士になれると俺は信じているからな。」そんな言葉を聞き終えた時には、恐怖に包まれていた感情は綺麗に消え、それと同時に尊敬する気持ちで満たされていた。


その日以来、ナルは本当に努力し信頼を少しずつ得て

ソフィアに迫るくらい強くなるのだがそれはまだ誰も知る由もなかった。


ナルとの一戦を終え、賢太は訓練場を去ろうとすると、ソフィアから声がかかる。


「あ、あのー主人、よければ私とも一戦お願いできないでしょうか?」賢太はその言葉を聞き待ってました!と言わんばかりの笑顔で「いいよ!」と返事を返す。実を言うとナルとの一斉にだけじゃ物足りなかった。そしてソフィアなら少し力を出すことができると考えてとてもワクワクしていた。


「ありがとうございます!ようやくコントロールできるようになった血継覚醒をお見せします。」

そうして、訓練所の中央に立ち両者構える。レフリーはマサドにやってもらう。


「両者構えて、はじめ!!」

「「 纏雷(テンライ)!」「纏えマフィン!」」

両者とも戦闘態勢を一瞬で整える。


賢太は黒い装備に包まれ、一方ソフィアの方は体の周りに雷がビリビリとかこっている。ちなみにお面はしていない。


「おー!それが電光石火か。なんか強そうだな」

「主人こそ、そ、そのかっこいいですよ。」

「え!?あっありがとう…」


両者照れてとても戦いにはふさわしくない空気が流れるがマサドの咳払いによって、我に帰る。

「で、では行かせてもらいます!」


「こい!」

先手はソフィアだった。バリ!っという音の後、ソフィアが消えた。賢太以外にはそう見えたであろうスピードで高速移動する。


そして一瞬で賢太の目の前まで移動して、二本の剣を振るう。しかしそれは賢太のガントレットのパンチによって止める。剣とガントレットがぶつかった瞬間からとてつもない音と風が発生する。


「兎真流 二ノ型 神楽!」すると舞でも踊っているかの美しくそして音を置き去りにしているような剣速で剣を振るうソフィアだが賢太はすべて紙一重でかわしていく。

『なあマフィン…これ早すぎじゃね?ギリギリなんだけど!』


『・・念話の余裕があるなら大丈夫だ。賢太気をつけろ。足に魔力が集中してるぞ』するとソフィアが構え

次の瞬間、物凄い勢いで空中に跳躍する。


「主人!行きます!兎真流 四ノ型 電回撃!」

すると空中で体を回転させ威力をあげ、雷の力を使いまるで(いかずち)の如く落下してくる。


そんな戦闘を部下やマサドそれにナルも食い入るようにみてた。そんな中ナルはあれを食らえば主人でもひとたまりもない!そう思った瞬間だった。


ゴン!!!!!!という爆音がなり周囲に砂埃が舞う。ナルが思わず「主人!」と叫んだ時だった。


砂煙が晴れるとなんと賢太がソフィアの剣を両手で掴んでいた。あまりの驚きに誰もが声を出さずにいる。

それはソフィアも例外ではなく、あり得ないと言った表情だった。


「ふぅー今のは強烈だったなー正直危なかった。だが

俺にはまだまだそんなんじゃ足りないぞ。」と笑いながらいう賢太を見てマフィンもニコッと笑みを浮かべこれを完璧に見切られたら勝ち目はないと思い降参を宣言した。すると見ていた部下たち拍手し、中には涙を浮かべるものもいたのだった。


それから数日たち、賢太たちは集会所の一室でダラダラしてると突然、村の南東辺りのトラップ、つまり敵対勢力がくると発動する「木々衝撃(ツリー・インパクト)」が発動したのだった。























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