第八話 能力
久しぶりの投稿です
今後もゆっくりやっていきたいとおもいます。
あとスキルのランクはC〜SSSまでで、同じSでも能力には個人差があります。
広場が幻想的な光に包まれ、次第にその光が収まると一部の兎族の体に電気のようなものが纏っていた。
詳しく言えば部隊長クラスの兎族たちだ。
「なんですかこれは?!」そう真っ先に発したのはソフィアだった。
それを聞きすぐさま賢太は解析の能力を使う。すると驚くべきことが判明した。
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名前 :ライ・ソフィア
称号 兎族 :族長
血継覚醒能力 :電光石火
スキル :瞬歩 見切り 雷纏
技能 :剣技S(二刀流)
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そう兎族は血継覚醒能力が目覚めていた。
「嘘だろ...こんなことあるのか?!」
「・・いや普通こんな目覚め方は聞いたことがないが…しかしこういった目覚め方もあるんのかもしれない…」
「しかも見てよソフィアの剣技がSになってない!?しかも新しいスキルも増えてるし!」
「・・この上がり方はすごいな。想定していたよりも大分上がっている。この様子だよ兎族の戦闘力も底上げされてるに違いないな。」
こんな感じで賢太とマフィンはいろいろと考察しているとソフィアが説明を求めてきた。
おっとこの解析結果見えているのおれたちだけだった。
「えーとね。結論から言うと君たちの一族は血継覚醒したみたいです。」
「え?え...あの血継覚醒ですか?あの古き一族しか目覚めることがない能力のことですか?!」
「あぁ。その通りだ。まさか血継覚醒が目覚めるとは思わなかったけどな。」
「「え!!??」」
兎族全てのものが驚きの顔を浮かべていた。まさか自分達にそんな能力が覚醒するとは夢にも思わなかっただろう。皆が驚くなか覚醒したものはこの力がどれだけすごいか気づくことができだ。
そしてしばらくすると部隊長クラスが纏っている電気が収まりそれと同時にソファアは賢太に感謝を伝える。
「我々と血の契約を結んでいただき本当に感謝します!しかもこんな能力まで授けてくださるとは感謝してもしきれません!」
頭を何度もペコペコ下げて感謝を述べる。
いやー別に授けようと思ったわけじゃないんだけどな〜しかし本当に驚いたなこんなに簡単に発現する能力じゃないと思うんだけどな。なんて思っているとマフィンから念話が飛んでくる。
『・・おそらく賢太の血に含まれていた強力な魔力に
よって無理やり発現したのだろうな。』
『そんなことあるの?』
『・・私の知る限りではないな。しかし血継覚醒に関しては情報が少なすぎるからなんともいえないな。』
そして一旦念話を終えソファア達に声をかける。
「兎族はこれまでと違い”力”を手に入れた。しかしここで一つ約束をしてほしい。」
そう言うとさっきまでざわついていた広場の雰囲気が消えシーンと静まり返り賢太の方に皆視線を向けた。
「その力はすごく強力なものだ。でも今までの敵討ちや仲間をやられた恨みで使って欲しくない。その力は仲間を守る時に使ってほしい。家族そして共に戦う仲間達を守るために。これが兎族の主人になって一つ目の約束だ。守れるな?」
「「はい!!」」とても良い返事が広場に響き渡り
ソフィアが最後にこの儀式をしめる。
「それではこれで解散とする!」
その号令と共に各々兎族達は広場から離れていく。
それからこの村の状況を確認すべく、村の色々な代表だけが村の集会場に集まり今後のことについて話し合うことになった。
「全員揃ったので始めても良いですか。」
「おう。よろしくね。」
「では私から紹介しますね。まず財政面はカールにやってもらっています。それから農業面、食料面の管理はマイクが中心にやっています。そして私とマサドは村の管理、警備などを主に指揮をとっています。」
一様この村は自給自足でやっていけているみたいだな他の亜人たちもこんな感じでやってんのかな?
まーいいやとにかく
「マフィンどう思う?今後の予定とか。」
「・・そうだな。やはり食料面などが不足気味だな。その辺はまたあとで考えるとして警備の方はこの村から見て北側に当たる人間領側は今は薄くていいだろう。今回の件でしばらくは襲ってこないだろうからな。
今後注意すべきはほかの亜人たちが住む森の奥の方だな。この村からは南側に当たる方だな。
これも推測だが今回の戦いはほかの亜人はなんらかの方法で情報を得ていると思うからな。近々何らかの接触があってもおかしくない。」
マフィンが言い終わると、おー!という驚きの声が上がる。
「さすがおれの相棒!」
「さすが我が主人を支えているだけありますね!」
賞賛を浴びるマフィンだが考えれば誰でもわかるよねなんて思ったが無言でやり過ごした。
「・・そうだな。私からは以上だ。」
こうして細かな話し合いなども無事に終わり、なんだかんだで1週間程度バタバタした期間が続いたがようやく落ち着くことができだ。賢太とマフィンは村の集会場の一室を寝床にしている。
最初はみんなにはソフィアが住んでいたところを勧められたがどうにも落ち着かず結局、主人命令を使いこの寝床を確保した。
「は〜〜〜ようやく自由な日ができたな。」
「・・そうだな。この1週間はきつかったな。」
そうこの1週間は本当に忙しかった。特にマフィンは馬鹿みたいに動き回っていた。
まず食料確保のために畑の耕し方などを一から教えていたのだ。この村の畑作業はほぼ我流になっていて非常に無駄が多かった。
賢太にも多少知識はあったが、詳しいことまでは知らないので、マフィンが持っている知識を兎族たちに教え、それを賢太自身が手伝ったり、警備の配置もマフィンが計算して素早い対応ができるように部隊連絡の仕組みを一から考え教えるなど様々なことをしていた。そのため賢太はこの村の兎族たちが俺よりマフィンの方が尊敬されてね?などの不安を募らせるほどの働きぶりであった。
「まっ結構マフィン様々だったけどね…」
「・・それより賢太、今日は一日空いているから賢太の能力の確認をしよう。
「あっそういえば血継覚醒の【想色創魔】があったな!完璧忘れてた…」
「・・おい…」
そうしてしばらくしてから賢太とマフィンの二人は外に出て村から少し離れたところに来ていた。ちなみに来るときはソフィアに声をかけておいた。いなくなったとなれば大変な騒ぎになるからな。
「よしじゃあ始めるか。」
「・・そうだな。まずもう一度自分自身を解析してみろ。」
「わかった」
そうしてマフィンを纏い解析を唱える。
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名前 :光 賢太
称号 :光の加護 召喚者
血継覚醒能力 :【国士無双】 【想色創魔】
スキル :なし
技能 :なし
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「え!?まず名前が変わってる?!光って光一族の名前だよな?」
「・・間違い無いと思う。考えられる可能性としてはこちらに来てからまだすぐだったり魔力を扱ったりしていなかったからだろうな。そのあと魔力の扱いを練習したりして賢太の体に光一族の魔力が体に馴染んだせいで名前が変わったのだろう。げんに賢太を召喚する種の中には光一族の血や魔力が使われたからな。」
「まーちょうどいいかこっちに来て第二の人生を始める区切りに名前が変わったと思えばしっくり来るしね。」
特に賢太は花山という名字が気に入ってるとかはなかったため特に気にすることでもなかった。
「・・じゃあ。想色創魔のとこを押してみてくれ。」
賢太はマフィンのいった通りにステータスウィンドウ画面をタッチする。そうすると備考欄に説明が表示された。
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備考 想色魔創 ・・・万能魔法の一つ 効果・・・頭の中で様々な色を思い浮かべ組み合わせることにより魔法を作り出し発動することができる。
※創造過程において鮮明なイメージがないと発動不可
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「なんとなく説明欄でわかるけど、とにかく色を思い浮かべると魔法を作り出せるということだよな」
「・・そうだな。ただしこの注意の部分が肝だな。」
まー要は色々試してみればわかることだ。まず適当に思い浮かべでみよう。 賢太はまず赤色を思い浮かべてみた。しかし特に変化などはまったくなかった。
あれ?なんも起きないんだけど?あっ組み合わせないといけないのか。じゃあ次は赤色と橙色で組み合わせてみよう。すると頭の中に「創造太陽」というのが浮かんだ。
「マフィン!!頭の中に魔法が浮かんだよ!」
「・・よし。それを唱えてみろ。」
「おっけー!「創造太陽!」大きく右手を挙げながら叫ぶと家一軒分くらいの大きな炎の球が出現した。まるで小型版太陽のように。
「うおおおおぉぉぉぉぉx!!すげー!!」
「・・これはすごいな。とんでもない熱量だ。」
その小型太陽はあまりの熱量に周りの草木に引火して大変なことのなっている。それに気づいた賢太はすぐさまスキルを解除して、そこら中に広がる火を消すため水系統の色を二種類くらいを思いうかべると
「創造水流」が浮かんだ。すぐにそれを唱えるとまるで蛇のような動きをする水をうまく操り次々と火を消していく。しばらくしてようやく鎮火に成功した。
「ふ~~~まじで焦った。」
「・・あのままだったら森が焼けていたな。」
「しっかしこの能力はやばいな。なんでも作れるとか強すぎるでしょ?」
「・・確かに恐るべき能力だ。しかし賢太、次は毒を作るイメージでやってみてくれ。」
「いいけど大丈夫なのか?おれ加減とかわからないからどんな被害が出るかわからないぞ?」
「・・ああ。おそらく大丈夫だやってみてくれ」
まーマフィンがここまで言うんだし大丈夫なんだろう。よしじゃーどんな色を混ぜようかな。毒ならまず紫は必須だよな。それと黒かな?まっこんなかんじでいいだろう・・・・
「あれなんも浮かんでこない。なんでだ??色が足りないのか??」
「・・やはりな。賢太は地球にいた時、毒というフレーズは聞いていたけど実際のはみたことがないだろ?」
「あーそういえば!」
「・・おそらくそこに原因があるんだろう。さっきの太陽や水は生活の中で自然と目にするものだから魔法が発動したんだろう。」
確かにそれなら辻褄があうな。小さい頃はよくおばあちゃんに面倒見てて、畑仕事とか手伝ったりもしてたからなー。」
「・・ほう。なら植物系の物もできるんじゃないか?」
「そうだね!やってみるよ」
そうして草や木々の色、土の色とさまざまな色を頭の中で組み合わせていく。その結果二つの魔法が浮かんだ。一つ目が「植物操成」二つ目は「神秘命種」だ。
この二つの魔法は今後、この村を支えるために必要不可欠なものとなってくのだった…
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