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黒き相棒を纏いし英雄  作者: shito
はじまり
6/15

第六話 仲間との出会い

小説を書くのは初めてなので感想や評価などお願いします。

 

 時間を少し遡り、兎族の少年が捕まったのを見ていた賢太だか次の瞬間、かつてないほどの怒りがこみ上げてくる。今まで状況を読み取れず待機していたが騎士が少年を殺そうとした時、とうとう我慢できなくなった賢太は行動に移る。


「マフィン行っていいよな」

「・・決めるのはお前だ」


 その言葉を聞いた瞬間に足に魔力を集中させ300メートルくらいの距離を一瞬で詰め、捕まっていた少年を抱える。その際少年を殺そうとした騎士やその周りにいた物達がソニックブームのような強烈な風圧により吹き飛ぶが全く気にはならなかった。


 少年を抱える賢太をみた騎士達はその強烈な殺気と魔力を発している賢太に、襲いかかるのはおろか、動くことさえできずにいた。


 そんな中、悠々と歩いて騎士達がいるところを割って歩き、兎族のところへと向かう。そしてその少年をそっと族長らしきものに渡し、一言声をかける。

「あとは任せろ。だから早く治療してやれ」


 言葉をかけられた族長らしきものは頷くことしかできなかったが、数秒後 我に返った族長は治療だ!と声をかけて急いで取り掛かった。


『よし、じゃあ全員ぶっ飛ばすか。」

『・・初の対人戦だな。まー賢太なら負けることはないが、一つだけ約束してほしいことがある。』

『なんだ?』

『・・殺すことをためらうな。殺したくないなどの甘い考えはこの世界ではやっていけない。』

『...あぁ、分かった。そうゆうことも訓練してきたからな。覚悟はある』

『・・なら思う存分暴れるんだ。訓練の成果を見せてやれ。』

「まかせろ」

 そうして、賢太たちは騎士たちの目の前に立ちふさがる。そして騎士たちに語りかける。


「なぁーお前達がこの森の亜人達を殺しに来たっていうんだったら逆にお前らも殺される覚悟できたんだよな。」

 その殺気を混ぜて発せられた声に教会の騎士達は凍りつく。しかしそんな空気を破ったのは教会のリーダーだった。


「だ、黙れ!亜人の味方をするなど異教徒め!そんな愚か者は我らネフィスト教が葬り去ってやる!立ち上がれ騎士達よ!貴様らには神のご加護が付いている。負けるはずがない!」

 さすがは教会のリーダーを任せられるだけのことはある。巧みな言葉で最底辺まで落ちていた士気を一気にあげる。


「そ、そうだ!どんな化け物だろうと我らには神のご加護がある!」

悪魔(ディアボロ)を殺せ!」

 次々と湧き上がる悪魔を殺せコール。そして士気が最高潮に達した時を見計らい教会のリーダーは突撃命令をかける。


「皆の者、あの悪魔を殺せ!突撃だ!」

 その号令に従い100人ほどの騎士達が突っ込んでくる。

 しかしこの戦いはすぐに終わることになる。


 まず賢太は瞬時に魔力を練り上げて手に集中させるとマフィンを纏ったときに現れる手の装備が大きく変化する。そう、これこそ訓練の成果の一つガントレットモードである。これは常時マフィンに送っている魔力を増幅させるという緻密な魔力操作を完璧にすることによりガントレットモードへの移行が可能になる。ガントレットは黒く輝いていて爪の部分が発達しておりなんとも男心をくすぐるフォルムをしていた。


 そして賢太は肩幅に足を開き軽くひざを曲げ、右手のガントレットにさらに魔力を集中させて突っ込んでくる騎士たちに渾身の右ストレートを放つ。

 くらえ!!「悪魔の一撃(デビル・ストレイク)


 技を放った瞬間すさまじい爆音と風圧で突っ込んできた100人と木々などを一気に吹き飛ばす。先頭付近にいた騎士たちの防具や武器などは一瞬にして粉々になり、すごいスピードで木や地面に激突する。


 その光景に言葉を失う教会側だったが悪魔の前に逃げ出すことは自分たちの教えにに反することになるため引くに引けない。そのため無謀な突撃をさらに繰り返すことになるが賢太の力の前になすすべもなく

 残り100人くらいになった教会側はなんと撤退始めたのだ。遅すぎじゃね?と思う賢太だったが当然逃がすわけもなく楽に教会のリーダーを捕縛することができた。


「ひぃぃぃ!!殺さないでくれ!!なんでも話す!」

「さっきまでの威勢はどうしたんだよ?まーいい情報はすべてしゃべってもらうからな」

 そうして教会のことや国のことを事細かにしゃべりだす。


 このリーダーはネルトというらしい。ネルト曰く教会側で毎年こうして亜人の討伐隊がくまれ、この森にせめてくるらしい。目的は亜人の殲滅はもちろん亜人を捕まえて売れば破格の値段で売れるんだそうだ。


 ネフィスト教のことも聞いてみたんだが、この世界で最も古い宗教らしくとても奥が深いので詳細のほとんどはわからないらしいが総本山があるらしく大陸の北西側に位置する「始まりの場所」と言われているところにあるらしく、名前の由来は不明らしい。


『・・今後ともこの教会には注意しといたほうがいいだろう』

『そうだな。でこいつらどうしようか』

『・・兎族に意見を訪ねたほうがいいだろう』


 賢太は口が空きっぱなしの兎族の族長をよびつけてネルトの処遇について尋ねていた。

「いえ、私たちにはそいつらをどうこうする権利はありません。貴方様が逃がすとおっしゃるならそれで構いません。


「いいのか?お前たちの仲間たちも殺されたりしてんだろ?」

「いいんです。貴方様が倒したのですから。」

「いや..そういうことじゃな..まあいいか。俺はこいつらを逃がそうと思うがいいんだな?」

「はい」

 はいと言いながらも表情の全ては仮面でわからないが口元は少し悔しそうであった。

「ネルト今回はお前を許すが、次また同じことしたらわかるよな。」そんな脅しをむくませる言い方をされ、震え上がるネルトだったが何度も頷き、撤退していった。ちなみに今回の戦闘で教会側の騎士は5人ほどが死に至ったが賢太は特に気にすることはなかった。


 それから完璧に教会側が撤退したのを確認できると兎族の族長から少し相談があるといわれ、族長と側近の三名を含めた話し合いを始めようとしていた。

「まずこの度は兎族の族長として本当に感謝いたします。助けていただきありがとうございます。」

 それに続いて側近たちもお辞儀をする。


「いえいえ、当たり前のことをしたまでですよ。」しかも実戦経験もできたしね。

「貴方様がいなければこちらは全滅していましたよ。」族長がそういうと、側近の一人が族長の耳もとで何かを伝えると

「あっ!名乗るの忘れた!」とすごく慌てる族長がペコペコ謝りながら

「申し遅れました。私は兎族をまとめるライ一族、族長のライ・ソフィアと申します。ソフィアとお呼びください」そういいながら仮面を脱ぐと蒼い瞳に長めの蒼い髪で兎耳が特徴の超絶美女が姿を現した。日本にいた時に何度も美人と言われる人を見てきたがどう考えてもそれとは比べものにならないくらい美人であった。


 それを見た賢太は呼吸をするのも忘れて見入ってしまった。ソフィアに顔になんかついてますか?と聞かれようやく我に返った賢太は緊張のあまりつい心の声が出てしまう。


「い、いや、あまりにも美人だったので」なんて普段絶対に言わないことを言ってしまい顔が赤くなる賢太だが、ソフィアのほうはもっと赤くなっていた。そんな状況を一番驚いていたのが側近たちであった。


 ソフィアは普段から全くと言っていいほど女っけがなく恋愛に関しては完全に無関心で、ましてや男性から言い寄られて照れる表情をするなど長年連れ添ってきた側近たちでも見たことがなかった。そんな彼女があからさまに照れている様子をみて動揺していたが、さっきソフィアに自己紹介のことを伝えた側近の一人は比較的落ち着いていて、この場の雰囲気を変えようとすっと自己紹介を続けた。


「では続いて私が、私はいちおう副長をまかされているライ・マサドと申します。以後お見知りおきを」

 綺麗なお辞儀をすると同時に仮面を外すとこれまた蒼い目と髪が特徴ですごい爽やかでイケメンの青年が

 登場した。そして残りの側近たちはマイクとカールもやはりイケメンだった。


「えーと俺は花山賢太。賢太って呼んでくれていいよ。あとねもう一人紹介するよ。」

 ソフィアたちは何言ってんだ?という顔をして首をひねっている。


「戦闘モードオフ」賢太がつぶやくと黒い装備が液体のようにだらっとなり、それが空中で固まりマフィンが姿を現した。

「・・初めまして私はマフィン。主に賢太のサポートをしている。」


「「しゃべった!?」」

 やっぱりそうゆう反応になるよな..

「まーすぐ慣れるから」


「・・少し質問をしてもいいか?」

「あ..はい。大丈夫です」

「・・私も情報では兎族はもっと戦える奴がいたと思うんだがどうしたんだ。」

 マフィンの質問を聞くと暗い顔になる兎族、そして少し間が空きソフィアは語りだす。


「そうです。今回相談したいことはそのことが大きくかかわっています。我ら亜人は数十年前まではこの森の派遣争いで常日頃、他の種族の亜人たちと戦いを繰り広げていました。


 しかし数年前から人間たち正確に言えば教会側の森への攻撃がすごく激しくなりまして、我々兎族は派遣争いどころではなくなりました。我らの村は人間の領土側にあったため、森の外からは人間たちの攻撃、森の内側からは他の強大な種族たちの攻撃とで挟みうちにあい、数の力に圧倒されどんどん仲間が減っていき、このままでは全滅してしまいます!!なのでどうか我らと主従関係を結びライ一族をお救いください!!」それを言い終わると同時に四人はお辞儀をした。


 ソフィアはわかっていた、このままでは本当に全滅すると、そして大切な仲間たちや村の人たちが失われていくと、そして今自分たちを救ってくれる可能性がある最後の希望が賢太であることを。そんないろいろな感情をこらえようと体を震えさせながら頼み込む。それを見た賢太の答えは一つしかなかった。

「うん、いいよなマフィン。助けよう」

「・・私も異論はない」


「ほ、本当ですか!ありがとうございます。」ソフィアは今まで溜め込んで来たことが一気に溢れ出し涙を流し満面の笑みで賢太に感謝する。その姿を見た賢太は守ろう、この笑顔を守ろう!と心に強く刻んだ瞬間だった。





この後もゆっくり更新していきます。

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