親離れ
先生の殺害任務を受けた主人公が殺害に向けて行きます。誤字脱字あれば報告よろしくおねがいします。
先生の殺害が今回目標だ。まだまだ学ばなければならない所も多いが、遂行しなければ私は殺されてしまう。まだ死ぬのは嫌なので決行する。と言うより今まで抑えていた少女に対しての殺害衝動が勝ったというべきか。どっちにしろ先生には死んで貰わねければならない。
前に私にかけた前世の記憶を呼び起こす術の応用と言うよりかは基礎的な術を使うことにした。
先生の黒魔術と記憶操作の技術を完全に自分のものにしなければならない。先生殺害の証拠と今後役に立つと思ったからだ。
この術の生贄には先生と同様の風体とマナの凝縮が必要になる。先生にバレぬよう秘書より協会から適当に実験台と数人集めてもらった。
実験は孤児院内の工房でしか出来ないため、先生には新たな実験の材料と言うことで言いくるめた。先生は若返りの影響か精神年齢も見た目相応になっていた。時々勘が鋭いときもあるが、他の孤児たちと遊ぶことで上手くごまかされそうだ。
実験はまず実験体に体内マナの凝縮を行った。今回は生きた実験体であるため睡眠状態にして2ヶ月程時間を掛けて行った。結果5人居た実験体の内3人凝縮に耐えられなくなり亡くなってしまった。その亡骸も凝縮実験の生贄として使うことにした。
最終的に高濃度のマナ凝縮した2人の少女が完成した。
ここまでは計画通りだが次は賭けになる実験をした。
先生の記憶置換において重要となるのが体内マナと一定の魔術知識がある若い生贄が必要になってくる。1人の少女に私の記憶の置換魔術をかけることにした。術式の一定範囲内にいれば先生が私の前世を見た時同様、知識として共有ができる。一時的に私は実験体の少女の記憶を置換されるが、一定以上記憶の定着が済んだ後にもう一度、実験体に置換魔術をかけるように命令した。結果魔術知識について私と同程度の実験体を作ることに成功した。後はこの二人のどちらかが先生の記憶を私に送るためのバイパスとして働くように命令した。
2ヶ月の間実験と催眠の繰り返しで彼女たちは意のままに操れる人形のようになった。普段は孤児たちと楽しく遊んでいるが、呼びかけに応じて目的を遂行する人形になった。
猶予1週間前に事件が起きた。
先生が孤児院を飛び出したのだ。
食事の最中当番だった先生は私に睡眠薬を忍ばせ寝ている隙きに逃げ出した。
女の勘と言うべきか、齢600歳の年の功というべきか、危機を察してバレてしまった。
対象を逃がせば私は死ぬ。そんなことを思った矢先、秘書がエルフだということに気付いた。エルフは五感やマナの感知に優れおり、執行官である彼女なら容易く見つかるだろうと察知した。
すぐさま工場に向かい秘書のいる部屋に向かった。
しかし先生のほうが一枚上手で遅かった。秘書は気を失った状態で見つかった。薄々執行官だというのにも気付いていたと、目が覚めた秘書が言っていた。
詰めが甘かったのだろうか。秘書は感知能力は失っていなかったようだ。先生のマナを追っていく内に魔術師協会の本部に向かっていることに気付く。
今あそこに行かれると私に容疑がかかりかねない。私は急ぎ本部に向かった。
本部に着くとそこには、依頼主の執行官がそこにいた。
「この子が先生なんだね。協会に逃げ込む際、私の感知能力がビビって来てね。捕まえておいた。」
荒縄を両手両足に縛られ口は舌を噛まぬよう布で猿轡されていた。
んーっ!んーっ!と声が出ない割に身動きが取れない状態に私は先生も墜ちたもんだなと思いつつ今から先生に手をかける興奮を抑えられずにいた。
「証拠として彼女の記憶の共有を立ち会わせてもらう。そしたらあなたは晴れて執行官としての地位と2級魔術師として私の部隊に配属してもらう。あなたの研究は好きにやってもらっても良いけど、少しだけ我々に助力をいただきたい。黒魔術の研究も黙認する。」
その執行官は先生を担ぎ私と2名で記憶操作で行うとした。
工房に戻ると真夜中を過ぎたあたりになっていた。
あらかじめ工房には実験体の少女2人を呼んでおいた。
今回は実験体の1人の脳を置換術で交換し、私にその記憶を共有させることがが目的だ。
早速術式に取り掛かることにした。置換術は成功し、最後の工程である私への記憶共有を行う最中、事が起こった。
なだれ込む記憶の津波が私を襲う。600年の記憶を流し込まれる体験は後にも先にも無いだろう。とてつもない体験だ。
そんな中私は先生の前世の記憶に踏み込んだ。見覚えのある顔と体。どこか寂しそうな少女は、じっと私の顔を見ていた。あのときの少女だ。
初めて仲良くなったあの女の子だ!初めて殺した少女。先生の前世は私の前世で初めて殺した少女なのだ。
記憶が混ざり合っていく。私の使命がここではっきりした。
気がつくと体内のマナが吸われ骨と皮だけになっていた数体の遺体があった。たぶん先生と実験体の二人だろう。
外に出ると朝を迎えていた。入り口に秘書が立っていた。
「3ヶ月の任務お疲れ様です。つきましては魔術師協会から呼び出しが来ております。出発の手配は済んでいますので急いで向かいましょう。」
今回の任務の報告と言ったところか。少し記憶が混乱するが移動している間なんとかなるだろうと思い、本部に向かった。
ご覧頂きありがとうございました!カネダ・ルガ・タカミツです。
ついに死んじゃいました先生。元より殺す気だったんであっけなくご退場してもらいました。
今後の展開を見て、台詞の少ない今回の話を皆さんで脳内に保管していただけると幸いです。
みなさんが違う意見を持ち様々な可能性を見つけていくのがこの小説の肝としています。
ただ心中思惟を書くのが面倒なだけなのですが、そこを考えてくれると面白くなるんじゃないかなと思います。
8話投稿時ツイッターで19RT頂いたのは何故でしょうか?見ていただける方がいると嬉しいです。
これを執筆中も基本はニコ生にて配信しています。
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次話はちょっと構成中のため遅くなるかもですのでそこをどうか!