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転生者だったら、どう生きたいですか?  作者: カネダ・ルガ・タカミツ
8/12

尋問と司法取引

木の陰から執行官を名乗る男が現れた。彼は先生を知る執行官の一人だ。

そんな彼からとある取引をすることになる。

工場に向かう最中、木の陰から男が話しかけてきた。風体は私と同じ中肉中背で白いコートを羽織っていた。私はこのコートに見覚えのある。彼は魔術執行官だ。

数度目にしたことがある。先生が黒魔術の実験をしていた頃に捜査と称して何度か工房に来ていた男だ。

「あなたは先生のお弟子さんでしたね。先生が急に亡くなりさぞかし悲しかったでしょう。」

偽装が失敗した?そう思い彼に記憶操作の魔術をかけようと事前に用意していた小瓶に手を出した途端。ビリっと指先に衝撃が走り動けなくなってしまった。

「今魔術使おうとしていたよね?魔術執行官の前で変なことは出来ないよ。」

何故か声も出ない。体も首を振るしか出来ない。私は執行官に拘束系の魔術を掛けられているようだ。

「私も私用で捜査している案件でね。強制力はないんだけどあなたに尋問をかけようと思うんだ。ここじゃひと目にはばかるから、あなたの事務所で話を聞こうか。」

すると私は執行官の男に抱えられ工場の事務所に向かうことになる。

事務所に来て1時間たった。その間男は事務所に術式を掛けていた。

「時間を掛けてすまなかったね。でもあなたならもっと簡略化できるだろう。一応周りにに聞かれないように術をかけた。」

拘束術は魔術から縄に替えられ、手は縛られているが腰の小瓶に手が届きそうだったが、小瓶がなくなっていた。

「あなたの魔術関連は一応押さえた。あなたに尋問をかけようと思う。」

すると彼は、持っていたナイフで私の右太ももを刺した。思わず大声で叫んでしまった。今まで私は加害者になるが被害者になったのは初めてだった。

「先生はまだ生きているんだろ?」と優しい口調で執行官は尋問する。私は痛みで喋ることも出来ず、否定のため首を横に振った。

「どうなんだ!」と執行官は急に豹変し怒鳴り私の右頬にビンタをかましてきた。

私は意識が飛び気を失う。

数時間経った頃目が覚める。体は縛られているものの刺し傷とビンタの痛みは無くなっていた。

「死なれると困るからね。最低限の回復はしておいた。なかなか口を割らないから最終手段を使うか。」

執行官は私の口に液体を流し込んだ。

「執行官専用の自白剤だ。意識が薄くなるが少しは正直になるだろう。」

術によるものではない薬草のみの自白剤と認識できた。意識が薄くなっていく。口が軽くなりそうだ。

「先生は生きてるか?」

首を縦に振る。

「どこにいる?」

私は先生は黒魔術で若返り、孤児に紛れていることを話した。

「あなたの階級は4級だったね。私が見る限り2級相当の術式も使えるんじゃないか?」

私は記憶操作による証拠隠滅に特化していた。先生の手ほどきもあり、黒魔術の指導も受けていたことを話した。

「黒魔術か・・・禁忌であるがあなたの返答次第で処遇が決まる。」

私はなんとかこの状況を脱したかった。嘘でも良いから、はいと答えよう。

「先生を殺害しろ。彼女は死んでいるが嘘とわかればこれまでの失踪事件に片がつく。証拠はあなた自身が証拠として生存すればいい。いわゆる司法取引と言うやつだ。」

命の恩人である先生であるが、幼女化していた先生に対して殺害衝動が無い訳ではない。むしろ殺したくらいだった。若返った四肢を切り裂き悲鳴を上げながら小便を垂らしながらもがく姿を何度想像したことか。

「もう一つ条件がある。事件解決の際、あなた自身は証拠になるが、魔術執行官として登用しようと思う。黒魔術は使用を禁止してから年数が経っており詳しいものが居ないんだ。極秘裏に黒魔術専門の執行官として任についてもらう。」

「いつもどおりに、加工場と孤児院の経営にをやってもらって構わない。そのかわり、監視役兼秘書として執行官を置かしてもらう。黒魔術の研究は、独自にしてもらっても構わない。被験体はこちら側が用意する。要請があればあなた自身で調達しても構わない。悪くない取引だろう。」

願ったり叶ったりだ。半ば先生の対応も面倒になっていた。殺すのもいい時期と思っていた。まだ足りない知識は前に先生が掛けてくれた前世の記憶を取り戻す術の応用で私に移しもらうかと思う。

私はその取引に乗った。しかし時間が必要だ。3ヶ月猶予をくれと言った。

「それくらいなら良いだろう。その代りに早速だが執行官を一人側付きとして用意しよう。人間族とエルフ族どちらが良い?」

エルフ族の執行官は魔術は使えないものの、五感が人間族の比ではないので捜査専門で雇わられいると聞いたことがある。エルフであれば工場の住人からの紹介として馴染むことが出来るだろう。多分先生もごまかせるかもしれない。

というわけでエルフの執行官を一人側付きとして指名した。

名目は繁忙によるスケジュール管理として秘書の雇用としておくことにした。

「取引成立だ。必要な素材があれば秘書に用立てすればいい。私が用意しよう。作戦はあなたの自由だ。」

そんなわけで先生の殺害計画が始まった。

翌日早速エルフ執行官が秘書としてやって来た。

「よろしくおねがいします社長。任務は秘書として監視につけと聞きましたが私は何をすれば良いですか?」

彼女には工場の雑務と作戦の準備を手伝ってもらう。先生には悟られないようなるべく孤児院には行かないことを命令した。表向きは工場の秘書として活動してもらうようにして貰った。彼女のために工場の私の部屋には極力魔術が取り込まれないように作った。工場内は先生の黒魔術の一件でエルフたちに永続的に魔術をかけ続けているため、捜査で必要な察知能力を損なわせないための配慮を行った。

準備や薬品は秘書に任せて準備は整った。作戦の開始だ。

話は終盤を迎えてきました。先生の殺害作戦をどうやるか構想中です。

正直この物語の構成は意外と難しいのですが、イラスト等で世界観を具現化することでさらなる広がりを見せていこうと思います。執筆中や投稿時には配信をしているのでそちらも御覧いただけると幸いです。

Twitter@takmtako

https://com.nicovideo.jp/community/co1300615

ニコ生にて随時配信予定です。お楽しみ。

次回の投稿予定は数日中に投稿するかもしれません。乞うご期待。

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