生まれる。
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物心のついた7つの頃私の母は死んだ。今考えれば母は母なりに頑張っていたと思う。母は娼婦だった。どこの種かわからないこの私を生み、7つまで育てた。
生まれは貧民街の住み込みの娼館。死んだ途端私は娼館から追い出され宿無しとなったが、孤児院に拾われ衣食住と教育が与えられた。そこで私はこの世界について知ることになる。
私の国は人間族とエルフ、ドワーフ、オークの亜人族の多民族国家と知る。政情としては人間族と各亜人族の内紛状態である事。その中戦争で親を失った子などを集めた孤児院と知る。孤児院の先生の老婆は、宿無しの私に手を当てここに連れて行ってくれた。
不自由ない生活ではあったが、この孤児院には神隠しとして時々子どもたちが居なくなってしまうことがある。けれども数日のうちにその違和感はなくなり新しい子がやってくる。そんな日の繰り返したとある日、ふと好奇心で先生の部屋に行こうと思った。部屋は地下にあり何やら鉄の匂いと腐った匂いが部屋から漏れていた。なぜか不思議と思わず鍵が空いていた部屋に入った途端後ろから先生の声が聞こえてきた。
「次はキミかな?」
そこにはよくわからない葉っぱや花。どこかで見覚えのある首が並んでてあった。奥には何体の子供のパーツが敷き詰められていた。しかしそんな違和感を感じず私はいい香りのする方向へ行き床に描かれた園の中央に立った。そうすると先生はよく分からないことをブツブツと呟き私に近づいてきた。先生が私の頬に手をあてる。骨ばっていて少し冷たい手がほんの数秒触れた。すぐに先生は手を放し、こう告げた。
「キミは特別だ。まだ取っておこう。直にわかるまでここにいたことは忘れなさい。」
頭の中がモヤがかり、私は意識を失った。気付いたら自室のベッドで目が覚めた。同室の友達に聞くと、風邪で3日間寝ていたらしい。
なぜだか私は寝る前の記憶が無く、変な夢を見た気分だった。先生は風邪を引いていて怖い夢でも見ていたのだろうと言ってた。
そんな不思議な体験も数年も過ぎれば、記憶も薄れ、勉学に励むことになる。
人並みに知識がついた18の頃。私は貴族の執事見習いとして、住み込みで雇われ孤児院を出ていくことになる。
仕事内容は10歳になるご令嬢の世話役の一人だった。身の回りのお世話が役割だったが、わがままなご令嬢は、孤児院出の私に強く当たってきた。最初は軽く小突く程度だったが、次第にきつくなり体に痣をつくるなど日常になっていた。毎日のようにおもちゃのように遊ばれ、止めるものは誰もおらず嘲笑するだけだった。
そんなある日の夜中。いつものようにいたぶられている中、令嬢は笑いながら言い放った。
「娼婦の子の分際で。」
母との記憶はあまり無かったが、いきなり負の感情が爆発した。
「殺せ」そんな言葉が頭に響いた。目の前に燭台があったので、掴み令嬢を殴った。その時頭に電流が走った。
「被告を死刑に処す。犯行は計画的残忍で反省の余地がない。」と私に裁判長が告げる。
「きれいな目玉だ。今日はコレにしよう。」と私に似た誰かが少女を解体しながら言った。
コツンコツンと階段を登り、絞首台に立つ私がそこにいた。泣いていた。
首に縄を巻かれ数分後絞首台の足場が落ち意識がなくなる。
そんな出来事の部分のみ頭に流れた途端。私は令嬢の首を馬乗りになりながら目一杯締めていた。手に伝わる脈拍が次第に細くなり、目には光がなくなっていた。死んでいた。
「右目を取れ。」と頭の中で言葉が響く。調理場にあった果物用のナイフで令嬢の碧い右目をくり出す。証拠を残さないように、酒蔵にあった度のきつい酒を撒き火をつけた。付ける前にいくらかのお金を令嬢の部屋から盗み、逃げ出した。
日はまたたく間に屋敷に広がり皆の悲鳴とともに屋敷は崩れ落ちた。野次馬の中に紛れ私は謎の声に導かれるまま、貧民街の孤児院に逃げ込む。無意識に地下室に入り身を隠した。
「先生の言うとおりにしたか。えらいぞ。」と暗闇が聞こえて老婆が出てきた。無意識下だった私はそこで我に返る。左手に持っていた右目を渡した。
「疲れたでしょう。少し休みなさい。」優しい声が聞こえた途端。意識が遠くなっていった。
疲れた。
目が覚めた。場所は地下室で昼か夜かわからない状態だったが、今まで起きたことを思い出す。小さい頃行った先生の地下室のこと、そこで起きていたこと。
「おはよう。目覚めはどうかな?」と椅子に座った先生こと老婆が言う。のどが渇いていたので目の前においてあった水の入ったコップを飲み干す。
「動けるかい?」と老婆が言うと私は老婆の言うがままについていった。
見覚えのあるそこは老婆の研究室だった。
「前世の記憶は甦ったかい?」と老婆が聞き私はうなずいた。「その様子だとまだ完全じゃないねぇ。」そのとおりと私はうなずくと老婆は言った。
「キミは転生者だ。果たす使命がが有りこの世界に生まれてきた。先生が導いてあげる。その代りにキミは追われている身だ。隠匿する代わりに家賃を頂きたい」
と私に言った。屋敷から持ち出したお金を出すと老婆は首を振り、
「ほしいのは生贄だ。新鮮で若い肉体を家賃として頂きたい。その手助けは先生が教えよう。まずは知識を与える。屋敷の件は私がどうにかするから、これを読んでおいて。」と一冊の本を渡された。
読み返してみて、文章や構成が変だなと思ってしまう自分がいます。まぁいい感じでかければいいかなと思っています。一応設定と結末だけは決まっているので上手く肉付けできればいいかなと思います。