7 原田玲子の場合 ハジマリ
7話目です!それでは~
なんで、なんでこんなに可愛い玲子をみてくれないの?
玲子の想い人の西澤雅樹は玲子をみてくれない。確かにファンは多いし、告白する輩も多い。でも雅樹はこの前言っていたのだ。
「真美とは幼なじみなんだ。だ…」
だ…の後は知らない。聞こえなくなってしまったのだ。でも斎藤真美はただの幼なじみなのだ。ただの。幼なじみだから、といつも隣を陣取っている斎藤真美のことが玲子は大嫌いだった。
「雅樹君だって迷惑そうにしてるもん。」
玲子は恋バナをするとき必ず言う。だから自分にも可能性はあるのだと。斎藤真美よりも自分の方が可能性が高いのだと。そんな事を言っているから女子から距離を置かれているのだということを玲子は知らない。
でも、ここ最近は雅樹が真美のことを好きだという噂がある。噂だからと玲子は必死で自分に言い聞かせる。
しかし、現実は非情だった。
少しでも雅樹の方を見れば真美に笑いかけている雅樹が目に入る。噂は本当らしかった。
そんな光景を見てしまった日は大急ぎで家に帰って泣く。玲子の目は腫れたままだった。その顔で学校へ行くから周りの男子も距離を置き始めた。
玲子は周りが見えなくなっていった。呪いや占いの類は全て試した。しかし日に日に雅樹と真実の仲は深まっていくばかりだった。
『ドウシテ?ドウシテ玲子ダケヲミテクレナイノ?!』
心の声は日増しに大きくなっていった。
・・・玲子は狂っていく