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3 西澤雅樹の場合
どうもエリ美です。3話目です!
それでは~
「おい!西澤何してんだよ!」朝っぱらから毎回のようにサッカー部の部員から怒号が飛んでくることに雅樹はうんざりしながら「すみません!」と謝っておく。
結局自分は溜まった鬱憤の捌け口になっているだけなのだ。雅樹は周りよりも少しだけ(実際はかなり)サッカーが上手い。嫉妬と何でも許してくれそうなその言動で捌け口にされているということを知っていながら何も言わないのは彼の性格がそうさせるのか。
だが今日は雅樹の方にも責任がある。
父親と話していた
『真っ直ぐ進んでいくと少女の死体がある』
という噂が気にかかって集中できなかった。父親は警部補だ。しかし警察も気になっているとはいえ捜査はしないようだ。別件があるとかで朝からかなりドタバタしていた。父親には首を突っ込むなと釘を刺されたがそれは無理だ。それこそ体が小さくなってしまったあの少年探偵のように我慢できない。
こういうときこそ真実に相談しよう、と雅樹は思った。