告白
学園編を飛ばしちゃいます。一応もう少し続きますが、見たかった方いるか分かりませんが…すいません
「ん……ん?」
体が動かない。それに、なんか温かい?
そう思って目を開ける
モカさんとハクアが両側から抱きついていた
……な、なんじゃこりゃぁあ!
と、パニックになりながらも、この状況に嬉しく思っているのはしょうがない、よね?
「んぅ、あ、おはょ……」
ハクアちゃんが起きた
「お、おはよう」
体を起こして伸びをするハクアちゃん
それで、という訳でないだろうがモカさんも目を覚ました
「……なぜ君がここに?」
「こっちが聞きたいんですけど」
寝ぼけていて今いるベッドの位置がわかっていないようだ
ここ、俺に当てられたベッドですよ?
「………」
キョロキョロと周りを見渡す
意識がしっかりしてきたらしく、顔がだんだん赤くなっていった
「〜〜〜っ!す、すまない!」
バッ!と距離をとると、頭を下げてきた
「ワタシは低血圧でな。多分、より温かい人のいる方へと移動してしまったみたいだ」
早口でそう説明するモカさん
いや、そこまで必死にならなくても
「全然大丈夫、むしろバッチコイです」
「そ、そうか!……ん?するとハクアは何故ここに?」
「2人だけ…楽しそう…だったから…混ざりに行った」
あー、疎外感を感じちゃったんだね
「こ、今後は無いようにする!……ハクア、今晩から一緒に寝ようか」
「…うん。いい、よ?」
そういうことになったらしい。ちょっと残念である
◇◆◇◆◇◆
という事が初日にあったくらいで、入学してから1年が過ぎた
半年の間起こったことを箇条書きで教えていこう
・座学。新しい魔法を覚えた(色々使えそうなもの)。使う時に細かい説明しよう
・実技。モンスター討伐で、スライムの森に行った
魔法科と合同だったので和光とハクアちゃんの3人でPTを組んだ。涼太?マールちゃんと仲良くやってたよ!けっ!手が早いことで
・実技。モカさんとの組手。剣無し魔法無しの格闘戦闘だった。え、普通に負けましたよ?中高と習った柔道を生かそうとしたけど、モカさん、胸あるから……そのへんは掴めないだろ?俺は掴めませんでした
・特訓。モカさんが剣を教えてくれる事になった。ハクアも一緒にやろうということになり、現在俺とハクアは同じくらいの強さだったりする。ちなみにハクアは2年の中でも強い方らしい。将来は安泰だとか
・特訓。モカさんが剣を教えてくれ始めて2週間。マリーが加わった。俺の後をつけてきていたようで、モカさんが訓練してくれているのがバレてしまった
モカさんには 「まだまだだな」 と言われてしまった。くそぅ
・モカさんとハクアちゃんと3人で買い物に行った
服やらお菓子やら魔導書や防具何かも買った。武器は折れない木剣があるから!
帰り際には喫茶店でパフェを食べた。かなり美味かった
一番下はフレークになっていて、上のアイスが溶けても美味しく食べられるものとなっていた。アイスはバニラで、その上にプリン、生クリームとフルーツ、クッキーなどが乗っていて、そこにチョコソースをかける。フルーツは選択できて、俺はメロン(名前は違うけど、見た目、味ともにメロンだったのでこのまま呼ぶことにする)。モカさんは苺。ハクアちゃんはオレンジだった
・休日。久々に5人で集まって話した
涼太はマールちゃんとうまくやっている様子。くっそーいいなぁ
秋人はシノちゃんを口説いている途中らしい。仲は進展しているようだ
和光と直也はクラスに気になっている女の子ができたご様子。5人の中ではスタートは遅れてしまっているけど、頑張っていただきたい
俺は、3人で買い物に行った話をした
なんか励まされたけど……
うん、進展はあるんだ。頑張ろう
てか、ヘンリーはこのままだとメンバーがいなくなってしまうが、どうなる事やら
その後は模擬戦的な遊びをした。2対3で組んでのPT戦だ
何回かやったけど、割と楽しかった。俺は師匠が強いので、全戦全勝のPTに居ました。やったぜ
とまぁ、こんな日々を過ごしていた
そして、今日は卒業式だ。誰のって?ハクアちゃん達だよ。俺達はもう1年だ
「あぁ、マールがぁ…」
「元気出せって。1年後には会えるだろ?」
涼太が和光に慰められている
「あぁマールちゃんとPT組んで旅する約束したんだっけ。1年の辛抱だな」
俺がそう声をかける
「…そうだな。もうちょい頑張る」
「そういや村氏はハクアちゃんとどうなの?」
直也が声をかけてきた
ふふん!抜かりはない、のだけど受けてくれるかどうかは別の話なのよね
「てわけで、卒業式の後に話をする。受けてくれるといいんだがなぁ」
まぁ、これは考えても仕方が無い
「秋人はシノちゃんどうすんの?」
俺は秋人に話を振ってみる
「……フラレタ」
あっ…(察し)
き、気まずいんじゃあぁ…
◇◆◇◆◇◆
「我々在校生一同は、先輩方の意思を継ぎ、より一層の技術の向上に努めることを誓います」
んぁ、寝てた
舞台ではマリーが先輩に宣誓を終えたところだった
「ふぁ、あぁ」
欠伸を一つ。いかんいかん。集中せねば
「では、これで解散とします。この後は時間いっぱいまで先輩方との会話でしたり、最後の手合せであったりを楽しんで下さい」
よし、じゃあ行こうか
俺は人混みを抜けて俺達の部屋へ向かう。ハクアと会う約束をしていたからだ
先ほどまでの喧騒とは違い、辺りは静寂に包まれる
さて、どうやって説得しようか。実はそこはノープランだったりする
なるようになれというやつだ
部屋の扉を開ける。そこには窓枠に腰掛けるハクアの姿があった
「やぁ、待たせたかな?」
「そう…でも…無いよ?」
このやり取りは逆だろうというありふれた疑問はさらっと流して本題にでも入ろうか
「話って…なぁに?」
ハクアちゃんからふってきた
「あぁ、えっ、とね。ハクアちゃんは卒業したらどうする?」
「冒険者に…なる…よ?」
だ、だよね。ヤバイ、恥ずかしくて言い出せねぇ
「……ねぇ、拓にぃは…卒業したら…どうするの?」
ふと、思いついたかのようにそう聞いてきた
「……卒業したら、ね。とりあえずはハクアちゃんと同じで冒険者にはなるよ。それで、世界を見てまわりたいな。後、もう一つ野望がっ!」
「野望?」
あ、ヤベ
「野望って…なに?」
「あーえーと、そ、それは言えないなぁ」
ごごご、ごまかさなければ!
俺が一人慌てていると、クスッと笑う声がした
「拓にぃ…慌てすぎ」
そう言ったハクアちゃんは微笑みながらこちらを見ていた
「私は…知ってる。拓にぃ達が…卒業試験としてモカ先生と戦うこと。…それに勝てたら拓にぃがモカ先生を…娶ること」
め、娶るって……まぁ、そうなるのかな
てかなんで知ってんのかな?
「それに…拓にぃの野望も…」
何、だと!?
「ハーレム…でしょ?」
バレテーラ
「ま、まぁそうなんだけども……何で知ってるの?」
「……先生との話は…ギルドで聞いた。私…斥候もできる」
フフンと胸を張るハクアちゃん
「ハーレムの話は…勘」
舌舐めずりをしたハクアちゃんはとても妖艶な雰囲気を醸し出していて、凄く大人びて見えた
「私は…半分淫魔。私が好む人は…殆どが色欲の事で頭がいっぱい…だった」
《だった》? そ、それはつまり…
「安心…するといい。私は…まだ処女」
ホッ…って、安心しとる場合か!
「い、いや。そんな事考えてないし!?」
「フフッ…そういうことに…しておく。それで…本題…は?」
そ、そうだ。まだ本題を話していない
「俺は、モカさんに勝つよ。絶対。娶る…というのも、ゆくゆくはそうなればいいなぁとは思ってるし、努力は惜しまない。でもハーレムも目指してる。モカさんが嫌なら止めるかもしれないけど、少なくとも今は俺の目標だ。世界を見てまわりたいのも、メインはそれ。確かに色々見て回るのも面白そうだけどね」
「その旅に…出来ればハクアちゃんも来て欲しいと思ってる。ハーレムに迎えたい、というのが本音ではあるけど。別に、一緒に旅をしてくれるだけでも構わない。途中で別れてしまうかもしれないけど、俺は少しでも君と仲良くしていきたいと思う。これが、今日話そうと思ったことだ」
俺は、ハクアちゃんの方を向く
ハクアちゃんは、微笑んでいた
「私は…拓にぃ。貴方のことが…好きです」
突然の告白に、俺は対応出来なかった
「一目惚れ…だった。スライムの森で…油断してパーティーが全滅しそうになった時助けてくれた。それが初め…あの時は5人だったし…最初は…恋とは分からなかった。でも…話したり…出かけたりしていると…自覚してきた。お菓子をくれたり…一緒に遊んだり…拓にぃと居ると…胸が熱くなった」
そ、そうだったのか
「そんな感じで…フワフワした気持ち…だったんだけど。今日…呼び出された時…胸が高なった…もしかしたら…って。そこで自覚した。実際は…拓にぃがチキンだっけど」
「チ、チキン……まぁ、そうかもしれないな」
「でも…嬉しかった…よ?旅に…誘ってくれて…だから…私はついていきたい。そして…モカ先生から…拓にぃを略奪…する…これ、宣言」
そう、ハクアちゃんが俺に指を指して言った
これは…やられたなぁ
「ワ、ワタシはまだタクミに貰われるとは決まっていないだろう!?」
「「っ!?」」
ドアを蹴り破る勢いで入って来たのは、言わずもがなモカさんである
いかん、2人きりというのは不味かったか!?
いや、しかし2人じゃないと話せなかったし
「モ、モカさん!?いつから!?」
「ハクアの告白からだ!略奪だの何だの言っていたが、そういうのは、当人のワタシがいるところでしろ!」
思わぬ不意打ちに頭が回らない
「いいか、ハクア。ワタシ達は味方であり敵であると分かった。しかし、今ワタシはハクアに先手を譲ってしまったようだが、この勝負。負けるわけにはいかない」
モカさんがハクアを指さし、そう言い放った
ハクアちゃんは、初めはポカーンとしていたが、状況を理解したのかニヤリと笑った
「先生…いえ、モカさん…私は負け…ない。卒業まで時間はある。それまで…頑張るといい。私は卒業したら…本気で…狙う」
「フッ。1年か…いいだろう。それまでに女を磨いておくんだな」
「モカさんも…スタートラインには…立ってて…ね?」
モカさんとハクアちゃんが火花を散らす中、置いてかれている俺
どうしてこうなった