プロローグ 『 忍者は辛いよ 』
初投稿です。
……俺は御影しのぶ、里で一番の天才忍者と呼ばれている凄腕下忍だ。
えっ、何で凄腕なのに下忍なのかって? ふふふっ、それは秘密だ。別に忍術を使ってスケベなことをして、その罰で下忍になっているんじゃないぞ、断じてな!
俺のプロフィールは……えっ、別に訊いてない? まあ、話すけど。名前は御影しのぶ、十六歳だ。ちなみに特技は影分身の術で趣味は隠れ身の術だ、ニンニン!
そんな俺は今ちょうど父上に呼び出され、腕を組む親父の前で正座をしているところだ……別に覗きがバレたからじゃないからな!
「また、女湯を覗いていたようだな」
……馬鹿な! バレていただとォ!
俺は焦った。焦ると額から汗が滝のように溢れてくるので俺が焦るとバレる。人はこれを水遁、冷や汗の術と呼んでいる……人は俺だけど。
「何のことですか」
↑汗、ダラダラ。
俺は取り敢えずクールに誤魔化すことにした。
「……汗、出ているぞ」
「きょっ、今日は暑いですね」
「今はまだ春だぞ」
「……」
「……」
「……」
「……おい、黙るなよ」
……流石は父上、一筋縄には行かなかった。
「で、本日は何用ですか?」
「おい、誤魔化すなよ……まあ、いい」
どうやら父上の気を逸らすこと(?)に成功した俺、やはり天才か。
「お前は村一番の忍者だ……しかし、一つ欠点がある」
「……欠点?」
「そう、欠点だ。わかるか?」
「美しすぎる、とか」
「殺すぞ」
「えっ、何で?」
「……えっ、ボケたんじゃないのか?」
「えっ?」
「えっ?」
……どうやら両者の間に認識の違いがあるようだ。
「お前の欠点は破廉恥なところだ」
「……ハレ……ンチ?」
……それってそんなに悪いことかなぁ。
「……話が長くなるがいいか」
「別に構いませんが」
「お前は破廉恥すぎて任務に差し支えそうだから、罰として一年間、東京の知り合いの娘さんの御庭番になるのだ」
……話、思ったよりも短かったな。
「待ってください、父上! 俺に相談も無く勝手に決めないでください! つか、娘さんって可愛いですか! おっぱいは何カップですか!」
俺は勝手に話を進める父上に怒りをぶつけた。
「うむ、お前の怒りはもっともなものだ」
「じゃあ!」
「隙あり」
怒りで我を無くした俺は正直集中力を欠いていた。その隙に父上が吹き矢を飛ばした。
――グサァァァ……!
ぎゃーっ、額に刺さった!
「念の為にもう一回」
ぎゃーっ、沢山の針が手足に刺さった!
「更にもう一回」
ぎゃーっ、全身針の山になった! てか、やり過ぎだろ!
全身に鈍い痛みが広がる。まずい、解毒しないと――……。
……――どさっ、身体中の力が抜けた俺は座敷に伏した。
「……これは……睡眠薬かっ」
「そうだ、お前はどうせ言っても聞かないからな、実力行使に出ることにしたんだ」
「なんやて!」
「……お前、以外に余裕そうだな」
そんなことはない! 今でも俺は意識を保とうと必死だ!
……だが……もう限界だ。
「……ちく……しょうが」
……身体が全身鉛のように動かない。
……意識はどんどん薄くなっていく。
……もう、無理。
「……」
……そして、俺の意識はそこで途絶えた。
……………………。
…………。
……。
「おはようございます、御影さん」
……暗闇の中、声が聴こえた。その声はどことなく優しく、美しく、まるでウィーン合唱団の歌声のような力強さを秘めてい……ごめん褒めすぎた。
確か俺は、父上に睡眠薬を盛られ意識を失ったんだっけ、じゃあここはどこなのだろう。
取り敢えず瞼を開いてみた。久し振りに差し込む日光に俺は思わず目を細めた。
……そこには絶世の美少女が、俺を見下ろしていた。
「あっ、おはようございます……はうっ、もうお昼ですからこんにちはでしたっ」
……「はうっ」とかイタイけど、可愛いので許した。
「こんにちは……はうっ、間違えました、はうっ、初めまして、はうっ、でした、はうっ」
「……ちょっとウザイな」
……可愛いけど許せなかった。
しかし、見れば見るほど少女は美しかった。顔は言葉で言い表せないほどに端正で、髪はよくわかんないけど美しく、全身のシルエットはもうヤバかった……語彙力不足ですみません。
「えーと、はじめまして、雛崎財閥長女――雛崎ほたるだよ。以後お見 知りおきだね」
何か美少女が挨拶してきたので俺も挨拶することにした。
「俺の名前は御影しのぶ、一応忍者をしている。それはともかく、ヒナちゃんは何カップですか?」
「ヒナちゃんとか馴れ馴れしいね! あと、セクハラ言われた! ちなみにブラのサイズはFカップだよ、ふんす!」
……ふむふむ、Fカップね。
「はっ、そういえば寝ている間に拉致られたんだ! 今更ながらここは一体どこなんだ!」
うっかり屋さんな俺はうっかりここまでのあらすじを忘れていたぜ、てへぺろ。
「ここは雛崎邸で、わたしの家族のお家だよ。そして、君は今日から――」
「……あー、この家のお庭番になるんだっけ?」
「わたしの台詞取らないでよ! むぎゃー!」
……こうして、俺のお庭番生活が始まったのであった、ニンニン。
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