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思いたったら吉日とすぐに結婚式はあげられた。
貴族と平民の結婚式であったが最近では珍しくもなくなっていることなので意外とすんなりとできた。
ノリでサンが乱入して軽い修羅場になったのは笑い話であろう。
何はともあれ無事結婚式は終わった。
「その~、エルちゃん」
「なんですの? 私に恥をかかせる気ですの?」
「いやぁ、俺としちゃもう抑えるのも結構つらいんだけどさぁ」
「ならいいじゃないですの」
「ほんとに大丈夫?」
「大丈夫ですの!」
結婚初夜、ヤーサはエルの体を気にしてなかなか一線を超えられずにいた。
ヤーサは経験もなく加減などできるはずもないと不安に陥っていたためである。
「……うん、わかった。プレヴェ――」
「待ったですの!!」
「そっか、やっぱ」
「そういう意味じゃないですの!」
「?」
「その……避妊魔法は要らないですの」
「……子供欲しいの?」
「はい。ヤーサ君との子供欲しいですの」
「俺は賛成できないかな……」
「どうしてですの!?」
「エルちゃん無事赤ちゃん産める体?」
「……大丈夫ですの」
「俺はまだ見ぬ赤ちゃんなんかよりもエルちゃんと長くずっといたい」
「……赤ちゃんは愛の結晶ですの。もしかたら私が死んで、ヤーサ君が次の恋をする邪魔になるかもしれません――」
「俺はエルちゃん以外に恋なんてしない!! それに死んでとか不吉なこと言わないでよ……」
「すみません、それでも可能性としては一番高いのでこの仮定で話を続けさせて貰いますわ。これは私のエゴなのですけどヤーサ君の子供を産んで、私が生まれてきた意味を
残したいんですの」
「今のままでも俺はエルちゃんを愛してるしそれが意味にはならない?」
「うーん、意味と言うよりも証って言った方が正確ですの」
「証……」
「やっぱこんな話よりも簡単な事をヤーサ君の師匠さんに教えてもらいましたのでそっちで行きますわ」
「ししょ――」
「ヤーサ君、抱いて」
「――――」
上目使いでされたお願いはヤーサには効果抜群だった。