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君の隣  作者: 二階堂暦
8/37

07



「駄目ったら駄目」

「どうしても?」

「どうしても」



押し問答が続いて数分。

きっかけは健斗君の一言だった。



「もう遅いし、今日はユア姉の家泊まるわ」



にっこりと笑顔。

その笑顔につられて一瞬頷きかけたけど、何とか押し留まった。



「な、何言ってるのかな健斗君。

家そんなに広くないし、健斗君の寝るスペースもないから」

「別に俺リビングの床でえぇで」

「私明日朝早くから仕事だし」

「え、さっき昼からって聞いたけど」

「…実は私持病の発作が…」

「初耳やし余計誰かおった方がえぇやん」

「…………」

「…………」

「とにかく泊まりは駄目!!」

「酷い!!

こんな暗い中久しぶりに会った幼馴染みを追い出すんか!!」

「おじさんに来てもらいなよ!!」

「親父今日も仕事!!」



ぜえはあと荒い息を整える

大体間違ってる。

25歳の社会人が17歳の高校生を家に連れ込むなんて、下手すれば犯罪だ。

良くてお巡りさんからの注意、悪くて援交疑惑からの逮捕。

刑務所という最悪の想像が頭をよぎった。



「…せやかて、」



ぽつり。

健斗君が呟く。



「せっかく会えたんに…

このまま帰ったら、またユア姉どっか行ってしまうんちゃうかって…」



そう言えば、7年前もこんな顔をさせてしまっていた気がする。

結局、約束を守らなかった私が悪いのだ。



「…明日は2人共昼から仕事と部活だから、朝はちゃんと早く起きる事」

「…え、」

「家狭いから寝苦しくても我慢してね」

「ユア姉、」

「言っとくけど、おばさんが良いって言ったらだからね」



寂しそうだった顔に笑顔が戻った。




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