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鈴木優亜。
俺の8歳年上の幼馴染み。
俺の、好きな人。
子供の頃の初恋と言えば、大抵学校の先生とか年上の人。
俺にとっては、ユア姉がその相手やった。
仕事で忙しい親の代わりにユア姉は俺や妹の面倒を見てくれた。
あの頃の俺らは、ユア姉を本間の姉ちゃんみたいに思ってた。
けど、大きくなるにつれて、「面倒を見てくれる人」が「守りたい人に」、
「姉ちゃんみたいな人」が「好きな人」に変わっていった。
「うまっ!!
ユア姉のオムライス久しぶりやけどめっちゃうまいわあ!!」
「子供の頃苦労したんだよ?
健斗君人参嫌いだったから、どうやって食べさせようと思って」
「えっ!?
人参入ってんの!?
全然分からへんで!?」
「分かってたら食べなかったでしょうが」
ユア姉が好き。
それだけは、年を重ねても変わらない。
そう言えば、子供の頃、ユア姉と交わした最後の約束を、ユア姉は覚えてるやろうか。