青い猫が出すような能力ばっかりだな。
ここに投稿された音源を聴いてみた。確かに加工の跡があった。
次に、テープレコーダーの音源を聴いてみた。これにも確かに加工の跡があった。
橐から電話がかかってきた。
「投稿の返信見たか?」
「ああ見た。テープレコーダーの方も聴いてみたけど、そっちも加工されてたから、誰かがやったんだと思う」
「心当たりはあるか?」
「全く」
「長時間置いたことは?」
そういえば下校時にちょっとだけ手間取ってしまった。でもその時間も10分くらいだったような気がする。
「1番長いので10分」
「10分であの音源を聴きながら加工するとなるとそんなことできる人俺と先生くらいしか知らんが」
「そうだよな。正直俺もこんなことできるのお前くらいしか思いつかん」
「こっそり録ってたことがバレていたと言う可能性は?」
「確かにバレていた可能性はあると思う。でもそれなら後で加工できる保証もないんだし、俺に恥をかかすと言う目的でももっと別のことをすると思うんだよな...」
「確かにそうするとは思うんだよな。どんな理由でこんなことするんだろう」
「俺には一つだけ考えられる理由がある」
「どんな理由だ?」
「相手が正体を隠したがってる場合だ」
「確かにそういうときはそうするだろうな」
「恐らくこの場合は俺のことを脅そうとしているか、相手が俺に弱みを握られているかのどちらかだろう」
「俺には脅しなんて到底やろうとは思わねえな。逆に論破されそう」
「それはお前だからだろう」
こうして、ベッドに入った。
せっかくなので少し精霊に聞いてから寝よう。
「精霊さん、最強のスキルとして考えられているものって何ですか?」
「あなたはいつも呼び出すときだけ丁寧ですね」
「うるせえよ。さっさと質問に答えろ」
「いつもよりさらに口調が悪いですが、分かりました。質問に答えます」
「その調子だ」
「私の推測では、ほぼ100%この内のどれかだと思います。転移、巻き戻し、再構築、そして反転です」
「順番に教えてくれ」
「転移とは、0秒で行ったことのあるどこへでも行けるスキルです。いわゆる瞬間移動です。しかし、スキルを使って転移した先ではその場所を離れることができず、使う前の場所に0秒で戻る必要があります」
「瞬間移動か...どんな仕組みなんだ?」
「精力の波を空間で起こすことによって、体を移動させます。戻るときは、その波を逆向きにして戻ります」
「聞く限り見破れそうでもあるが...説明ありがとう」
「どういたしまして。次に巻き戻しについて説明します。巻き戻しとは過去の1点に戻ることができる能力です。過去に戻るまでの記憶が残っているのはスキルを持つ者のみです」
「まさに夢に見たようなスキルだな。仕組みを教えてくれ」
「精力の波を時空に適用することによって過去に戻ります」
「なるほど。その相手を倒そうとすると過去に戻られるのか。非常に厄介なスキルだな」
「続いて、再構築について説明します。再構築とは、すでに組み立てられているものを一度分解し、別のものに作り替えるスキルです。原子レベルまで分解できるそうです」
流石にちょっと違和感が出てきた。
「なんか顔のバランスがおかしい青い猫が出すアイテムのような能力ばっかりだな」
「何ですかそれ。想像するだけで気持ち悪いんですけど」
いきなり見たことのない超名作にダメ出しするとは流石恥知らずの精霊だな。
「俺の前の世界の記憶もすべて漁ったわけではないみたいだな。すまん。仕組みを教えてくれ」
「組み立てるのに使われている精力を引きはがし、また精力で組み立てるという仕組みです」
「精力は分子間力とかとは違うのか?あれは別に波じゃないけど」
「なんか違うっぽいです。私にもよく分からないです」
創造主すらよくわからない世界を俺は理解しないといけないって結構な鬼畜だな。
「にしてもこのスキルは特に社会的に有効に使えそうな気もするな。前の二つはどちらかと言えば悪いことに使われそうな気がする」
「それは私もそう思います。では最後に反転について説明します。一定の範囲においてすべての力を逆向きにすることができます」
「これは青い猫出してたか忘れたな」
「青い猫の話やめてください」
「すまん。仕組みを教えてくれ」
「これは意外と単純で、色々な物質のエネルギーを精力に置き換えて反転させます」
「なるほど」
「ちなみに、この4つのスキルが最強と言われる理由は、能力が強いからだけでは無く、」
と精霊が言い終わる前に俺が言った。
「MPが減らないから、だろ?」
「よくわかりましたね。大正解です。どうしてわかったんですか」