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#07「脳筋でも犯人探しがしたい!」中編

「ん…」

目が覚めると俺は謎の部屋にいた。

「やっと目覚ましたわね…」

この声は!

目の前にいたのは僕たちが本来助けなきゃ行けなかった風花ふうかさん。

「ごめんなさい…俺らのせいで…逃がしてしまって…」

「大丈夫だよ〜それに今は水月みずきもいるし〜」

「え?」

風花さんから話を聞くと毎日お互いが家に着いたあとタイミングを見計らって水月みずきが泊まりに来てくれてるらしい。

そして水月みずき風花ふうかさんの家に向かってる途中で縄でグルグル巻きにされてる俺らを発見したらしい。

つかそりゃそうか…風花ふうかさんをそのまま1人に出来るわけないか…

でもやっぱストーカーには悩んでるっぽくて度々お風呂に入っていると窓から妙な視線を感じるらしい。

…いや犯人キモすぎだろ…

ん…てか待てよ…ここつまりは女子の部屋!?

ヤバイヤバイ俺なんかがいいのか!?

いやまず女子と話したことすらあんま無いのに!?…

アワアワとし始めるのぼるとは逆に防人さきとは深くうずくまっていた。

「僕が…た…け…な…ゃ…」

防人さきとがなんかブツブツと言っている…

俺は好奇心で近づく。

「俺が助けてあげなきゃ行けなかったのに…」

なんか深く落ち込んでるぞコイツ…

ま、それはともかく…こっからどーするかなー

はっきりいって犯人を見つけれても今の俺らじゃアイツに手も足もでない…

剣術を練習したところでだし…

俺の困ったような顔に気づいたのか風花ふうかさんが1つ提案をしてくる。

「じゃあ明日どうせ日曜日で休みだし今日はうちに止まっていきなされ〜」

は?

「いや、俺ら別にこれからどうやって帰ろうとかそーゆーの悩んでたわけじゃ…」

「あらそーなの?じゃあ自分たちの家にk…」

「いえ、泊まってきます!」

即答だ。この間役0.2秒。

ガチャ。

奥から扉の開く音がしてそちらに目をやるとそこに居たのは…

水月だった。うん、俺もちょっと犯人が来たんじゃないかと期待していたけど水月だった。

風花ふうかさんが水月みずきにかくかくしかじかと話す。

直後。「はぁ〜?ありえないんだけど!ストーカーから守れなかったコイツらをうちに泊まらせる?」

いや、ここは風花さんの家だぞ…

「お願いします!…」

俺が全力で頭下げてお願いする。

「ん…」

水月みずきがしばらく黙り込んでたら…

「まぁまぁこの子達を助けてくれたのも水月みずきなんだし良いじゃないの〜私助かったわよ〜」

直後、水月みずきが顔を上げ

「ま、まぁ、今日ぐらいは泊めてやってもいいけど次風花ふうか守れなかったらお前らクビな!」

いつから雇われてたんだ俺ら。

その後、風呂だの食事だのを各々済ませて全員で風花ふうかさんの家に戻った…訳ではなく

風花ふうかさん以外はしばらく水月みずきの家で待機となっていた。

「あの…なんで水月みずきさんの部屋なんです?俺ら」

「仕方ないでしょここは風呂も夕食も外に出なきゃ済ませないし!」

「だからストーカーが離れてくまでは私の家で待機よ!文句言ったら追い出すかんね!」

この子以外に優しいけど怖い。

10分ぐらいたった後、俺らは風花ふうかさんの家に向かった。

「お邪魔しま〜す」

3人で部屋に入った。

「なんかこんな大人数だとお泊まり会みたいだわね〜」

しかもやっぱ1人用に作られてるからか以外に狭い。

いや足場はあるんだけどそれでもやっぱ狭い。

「そういえば今日、寝る時はどーするんです?」

「そりゃあ今日はオールに決まってるじゃない!」

水月みずきが突然叫び出す。

オールなんて中2以来か、1度友達とお泊まり会した時のオール以外一睡もしないなんてしたことなかったもんな…

オールが決まってから10時間ほどずっと俺らはトランプをして楽しみました。

「ん…どっちだろう…」

目の前には2枚のカード、どっちかがババでどっちかが俺の持ってるカードのラストピース。

俺は水月みずきから左の方のカードを奪る。

結果は…ババだった。

「たあー負けたー!」

「よっしゃあ!99勝98敗!私たちの勝ち!」

クソ…負けちゃった…でも意外とトランプって楽しいな。

めっちゃ遊び方あるし…下手すりゃ普通にトランプって元取れる値段で販売してるのでは?

防人さきとがふとカーテンの方を見る。

「あ、もう朝か…学校いかなきゃ…」

「今日は日曜日だから行かなくていいのよ〜」

「そーなんすねー」

それにしても眠そうにしてる風花ふうかさん普通にお嬢様って感じがして可愛いなオイ。

【レベルアップしました。現在レベル6】

一睡もしなくてもレベルって上がるんだな…

「そーいや、普段はどーやってこの休日過ごしてるんすか?」

「休日は限定でいつも教室だった場所が売店とかに変わったりするのよ〜」

「へー、先生たちが運営してるんですか?」

「まぁ、そんな感じねー売店って言っても地域の夏祭り程度だけどねー」

風花ふうかの説明になるほどと頷くのぼる

「じゃあ早速売店行こうぜ!」

「それは無理」

俺の言葉に水月みずきがブンブンと首を横に振る

「ストーカーになにされるか分かんないしまた

尾行されるかもしれないから私たちは行けないよ!」

そうだった。まだストーカーはいるんだよな…

風花ふうかさんの方をチラッと見るとどこかキラキラとした眼差しを感じていた。

「そん時は、俺らが守ってやるよ!な防人さきと!」

「まっ、任せっ、任せてよ!」

俺らは弱い…でも最低限は守ってあげなくちゃ意味が無いだろう!

俺らの強い意志を感じたのか風花ふうかさんが安堵したように息を吐いてから話だす。

「じゃ、今日はのぼるくんに売店のこととか色々教えるのも加味してみんなで売店に行こう!」

「でも、風花ふうか大丈夫なの?」

「私なら心配ないよ!」

「それなら大丈夫だよね!」

と頷く水月みずき…それに継いで俺らこくりと頷く。

「じゃあ、早速売店にレッツゴー!」

「「「おー!!!」」」

拳を上に突きつける。

4人して深夜テンションだったからか大声で叫んでいた。周りの迷惑も気にせずに…

ーーーーーーーーー

売店が開店し始めて5分、俺らはちょうど売店広場に着いていた。

「うぉーーー!しっかしすげーな!売店なんでも売ってんじゃん!!」

あたり一面を見回すとモンスターの死骸等で作られたハンカチなど日常品やサッカーボールなどの娯楽用の物まで沢山売っていた。

ただ物を買うためのものが硬貨じゃなくて魔力とはね…俺魔力6しかないし…

6つったら日本円約60円ぐらいらしい…トホホ…

そんな俺の表情に気づいたのか風花ふうかさんがこちらへと話しかけてくる。

「今日は私が奢ってあげるから沢山買いなさいな!」

「マジすか!?ありがとうございます!」

マジか!ありがたすぎる!この恩はいつか返します…

「その代わり!今日は存分に楽しみなさいよ!」

「はい!」

なんか風花ふうかさんってお母さんって感じがして凄くいいんだよなー

最初はただのポンコツかと思ってたけど意外としっかりしてるんだなー

5分後…

前言撤回…この人やっぱポンコツだー!

たまたま売店にあって俺が目をつけたサッカーボールを買ってもらおうとしてるんだけど…必要魔力が420で風花ふうかさんの所持魔力が130、で4日間…つまり4回分にわけて支払うのだが420÷130という小学生でも暗算で答えられる問題なのだが…なぜか手こずってる。

「えーと、420÷130は42÷13と一緒だから…7?」

違います。4余り30です…

「いや、3に決まってるでしょ!どっからその7がでてきたのやら…」

心の中でつっこんでると水月みずきが呆れたように解を答えていた。

「なるほど!さすが水月みずき!あとでヨシヨシしてあげるからねー」

「いや、別にそこまではいいって!そんなことより早く買いに行った方いいんじゃない?レジ混んじゃうよ」

「そうだった!ありがとね水月みずき!じゃ私、猛ダッシュで会計行ってくるー!」

防人さきと…アンタついて行きなさい」

「え!?僕!?」

「当たり前でしょ何のための防御魔法なのよ!」

「いや、でも…」

「行け」

怖い…ものすごく怖い…

水月みずきの覇気にビビって防人さきと風花ふうかさんの後ろについて行った。本当に大丈夫か?アイツ…

サササと風のように去っていく風花ふうかさんとそれを追いかける防人さきと…それを後ろから見送る水月みずき…なんかエモいな…

「はぁ…全く…風花ふうかったらこーゆーところポンコツなのよね…」

やれやれとため息をつく水月みずき水月みずきを見ていて1つ気づいたことがある…

彼女は多分素直じゃないのかな…いや素直なんだろうけどこう…なんていうか小さなツンがあるような?感じがするよね…

それからそれぞれの買い物を済ませたり昼食をとったりしていたら夕暮れ気味になってしまっていた。

今まで昼食そっちのけで色んなことしてたから何気に初めての昼食だったかも?

帰り道、俺は風花ふうかさんの隣で歩いていた。

防人さきとはというと水月みずきの話す風花ふうか武勇伝を聞かされていた。でも2人とも楽しそうに話していた。…あれ?防人さきとって陽キャ嫌いじゃなかったっけ?ま、そこは水月みずきのコミュ力がカバーしてるのかも?

「今日は楽しかったわねー」

満足気味に話す風花ふうかさん。

「今日はサッカーボール買っていただきありがとうございました!」

「どーいたしましてー」

俺の感謝の言葉を風花ふうかさんは素直に受け取る。

「どうして風花ふうかさんはこんなにも俺らに優しくしてくれるんですか?」

率直な疑問を風花ふうかさんへ投げかける。

「それはね!…2人に助けられたからよ」

「でも俺たち、まだストーカーは捕まえてませんよ?」

「捕まってはないけど…それでも感謝してるのよ」

直後…今にも泣きそうな声で話し始める。

「私ね…ここ最近は、外でストーカーになにされるか分かんないからってずっと家にこもってたの、水月みずきが泊まりに来てくれてたけど…それでもやっぱ外は怖くて出れなかったの…しかも水月みずきに負担もかけたくなかった。でもね…そんな時にあなた達が声をかけてくれたの。俺たちが守るって言ってくれたから私は勇気を振り絞って外へ出れた」

1枚の雫が目から地へと落ちる。

「だからありがとね!これからも頼りにしてるよ!」

風花ふうかさんは泣いていた。どれだけ辛かったのだろう…風花ふうかさんを恐怖へおとしいれたストーカーを俺は絶対に許さない!そう決意した。

「あー!なに風花ふうか泣かせてんのよ!」

「いや、違っ!これはその…」

「言い訳は出来ないよ…のぼるくん…」

防人さきとまで誤解してるし!いや、ガチちげーから!」

水月みずきに追いかけられるのぼるを見てクスッと笑う風花。

風花ふうかさんのこの日常を取り戻す為に俺は今ストーカーを絶対に捕まえなきゃ行けない…

そのために俺は強くならなきゃと心に再び強く刻んだ。









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