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#04「最弱でも昇格がしたい!」中編

【レベルアップしました。現在レベル2】

朝起きたら目の前にタッチパネル式の画面が現れ突如祝福される。

「なるほど。こうやって表示されんのか」

俺が先日開放された能力【日進月歩】

毎日、日が変わる事に自身のレベルが1ずつ上がっていくという能力。

レベル100で人並みの魔力を手に入れれるわけだから3ヶ月はかかる…

「道のりはまだ遠いな」

昇格試験まで残り2日…

先程も言った通りレベル100で人並みなのでレベルが2な俺には魔法はあまり使えない。

努力より才能な属性魔法はライター程度の火を出す…や水滴を少し垂らす…ぐらいの魔法しか出せないし魔力をあまり使わない基礎魔法でさえ1、2回使えるかどうか怪しいレベルだ。

とにかく俺には時間が無いため、基礎魔法をめちゃくちゃ磨く必要がある。

属性魔法は才能だ…ただ基礎魔法は努力なため、昇格試験に合格するためには基礎魔法を磨くしかないのだ。

基礎魔法を磨くメリットは2つ

1つ目は魔力の消費を抑えれる点

2つ目は魔法の発生時間を減らせれること

正直この残り2日間で基礎魔法を完璧にすることは不可能に等しい。

だから今はただ自分の限界まで磨くことしか出来ないのだ…

急いで朝食を済ませ俺は学校の中にある練習場へと向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

俺は今…絶賛大ピンチである。

学校に着いてから練習場でひたすら基礎魔法を練習していたのだ。

だけど朝のホームルームへの時間が近くなったからか練習場が閉まってしまった。

そして教室に戻ってきたのだが朝のホームルームまでの時間が暇すぎる。

あと15分はあるぞ…

いや、このまま過ごせば良いのかもしれないが暇すぎる。

本を読もうにも国語の文章問題すらマトモに読めない俺が読めるわけないし、かといって誰かに話しかけんのも無理だ。

それぞれのグループが出来てやがる…普通なら転校生を気にするんだが…転校生慣れしたのか誰も話しかけてこない。

この前仲良くなった風花ふうかさんなら話しかけれるかも…と思って風花ふうかさんの方向いたら案の定、友達と話していた。

あと残ってるのと言えば…秀斬ひできか、秀斬な ら…と思い秀斬の方を向くと…ktkr!ボッチだと思ったのだが真剣に1人で本を読んでいた…

そこで秀斬ひできに1人の男子がオドオドしながら話しかけるが…

なんか秀斬ひできに軽くあしらわれてる、会話の内容は聞こえないけど軽く流されてるのは分かる。

だからボッチなのか…と少し可哀想に思えてきた…うん、辞めよう。

などと秀斬ひできの方を向いてると、さっき秀斬ひできに話しかけた子が1人で落ち込んで突っ立っていた。

なんだ…あの子もボッチなのか…ならコイツに話しかければ良い!と思い、俺はその子に近づいて声をかける。

「よっ!俺、ここ初めてだから色々教えて欲しいんだけど…つか名前なんて言うの?」

「えっ…あっ…よっ…よろしく…えと俺の名前…たいら 防人さきとっていっ…言います」

と俺の問いに返答する陰キャくん…なるほど…コイツは俗に言う陰キャと言う奴なのか?まっ、俺もみんなに話しかけるの戸惑ってる時点で陰キャかも?

中学校は良かった…部活繋がりで友達も多少は居たし…

ただこことなれば話は別だ…話しかけられない転校生+部活という唯一の繋がる手段がない…

まぁ今はそんなことより目の前の防人さきとくん?だっけ?に集中せねば…

「…」「…」

でもマジで話すことねぇーっ!つーかどうすりゃいいんだ?ここのこと色々教えてっていったやつの返答返って来てないもん。マジどーすればいいの?

「えっ…えと…」

駄目だ、最悪だ。自分でもテンパってしまった。サッカー部だからって全員が陽キャだと思うな!

「あっ…ありがとね…俺なんかに話しかけてくれて…さっき秀斬ひできくんに会話流されてたの見てて助け舟出してくれたんでしょ?」

「いや、てか俺も話しかけれる人いなかったし…」

「そーなんだ…結構陽キャな顔立ちしてたからてっきり友達できてるのかと…まぁでもとりあえず…よっ…よろしく?」

ということでなんとか友達になれました?

ーーーーーーーーーーーー

4限目の体育…ここではバスケをするのだが俺は今日仲良くなった友達の陰キャくん…たいら 防人さきととペアを組んでいた。

そして今は絶賛試合終わりの休憩中。

もちろん俺はバスケは好きじゃない、フィジカル至上主義なサッカーと違いバスケで体をぶつけたりは、できないのだ…

俺とは縁もゆかりも無い相性の悪いスポーツだぜ…

「キャー!かっこいいー!」

俺らがぐったりと休憩をしていると近くから女子の歓声が聞こえ振り向くと1人の男子が鮮やかな弧を描くようなシュートで得点を決めていた。

秀斬ひできスポーツもできんのな」

女子からの歓声を浴びていたのは紛れもない秀斬ひできだったのだ。

勉学は言わずもがなで毎度学年1位を取っているらしいがまさか運動までできるとは…

余計朝ボッチだったのが謎だ…女子人気高いはずなのに…まぁあんな素っ気ない態度とってたら当然か…

話しかけにくい空気出してるもんな…防人さきとはよく頑張ったよ…

「次僕らの番だよ」

などと思ってると防人さきとから声をかけられたので向かう。

対戦相手は筋肉モリモリゴリラ顔の汗呑かんの 将打しょうた率いるチームA。

良かったぁ脳筋ばっかのチームが相手で…

などと安堵していると対戦相手の将打からなぁなぁと声をかけられる。

「この勝負で負けた方が勝った方のい言うこと聞くっていうルールにしようぜ」

などと提案してくる…なにが目的なんだこのゴリラ。

まぁ俺も基礎魔法を磨くコツ聞きたかったしちょうどいい。

「俺がこの勝負勝ったら俺の奴隷になれよ」

「どんなガキ大将だよ、じゃあ俺が勝ったら練習にでも付き合ってもらおうか」

両者の掛け合いの後、ビ〜ッと試合開始の音が鳴る。

最初は将打しょうたボールからのスタート。

将打しょうたは早速、のぼるに対してドリブルにかかるが…

「ヨッ!」

のぼるが軽々しくボールを奪うと前線へ一気に投げあっという間に2点が入る。

「所詮は脳筋だな」

昇が一発煽りを決める。

リスタートの音が鳴り響き将打しょうたは、またのぼるへ向かいドリブルを始めるが…

「ホイヨッ!」

またしてものぼるに軽々しくボールを奪られ

前線に繋がれあっさりゴールを決められてしまう。

その後…結果は10対0でのぼるチームのボロ勝ちだった。

そしてなぜか将打しょうたからボールを奪った俺じゃなくゴールを決めたチームのAくん(偽名)の方が歓声を受けていたのは謎だったし少しイライラした。

ついでに将打しょうたはすごく悔しそうだった。

俺が将打しょうたとの試合の前に少しチームの足を引っ張ってしまったのを見て勝てると思ったのだろう…ただ哀れなことにその舐めてた相手に負けてしまったのだ…相当屈辱だっただろうな…

そして帰りのホームルーム終了後、俺は早速、将打しょうたに練習を付き合ってもらっていた。

最初は断られると思っていたのだが…根は良い奴なのか、ちゃんと負けは認めたし練習にもこうして付き合ってくれている。

「腹から声を出すと言うよりな…」

つか思ったけどコイツ地味に教え方上手くてなんかズルい。

もちろん、普通にキツかった。

急に将打しょうたが実戦だ!とか言って召喚魔法で剣だした時は流石にビビった。

ただ実戦練習も相まって剣術も上手くなったし、剣を召喚する時間も10秒から7秒へ縮まった。

「じゃあ、今日はありがとな!」

「おう!また明日!」

そして俺らは互いに別れを告げるとそれぞれの帰路へと向かった。

ーーーーーーーーーーーー

【レベルアップしました。現在レベル3】

自身の起床とともに画面から祝福を浴びる。

試験まで残り1日となった。

いつものように朝の支度を終わらせ朝食を済まし学校へ向かう。

朝の学校では練習場でただ剣を振り練習をする。

剣の振る角度、剣の持ち方、剣のスピード、全てに着目して練習をこなす。

サッカー部の時もそうだった。

市の大会が迫るといつも朝イチに学校のグラウンドに行きひたすらボールタッチを磨いていた。

それが功を成したのかレギュラーに選ばれ大会でも2得点を決めた。県には届かなかったけど間違いなくこれは自身の努力の結晶だと感じた。

その時から好きなことへの努力は凄かった。

俺は多分、昇格試験を合格することに…ワクワクしているのだろう。

それとも、いつかここを出て異世界に行けることになった時を想像してワクワクしているのかもしれない。

どちらかは分からないけど今はただ目の前の昇格するということを目標に頑張ればいいんだと思う。

そして俺の一振りの剣の音だけが練習場に響きわたる。



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