表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/16

#13「馬鹿でも戦術が理解したい!」

【レベルアップしました。現在レベル11】

試験まで残り1日となった。俺はいつもの練習場で自主練をしていた。

しかし自主練とはいえど今日は特別違う。昨日身に付けたスキル...魔力操作の定着をさせていた。

「召喚魔法!!」

手の魔法陣から出現するのは先日の鋭い鉄の剣ではなく...ボロボロになった木の剣であった。

「くっそ...これで二連続失敗...流石に習得したばっかだから3回に1回しか成功しねぇなぁ...」

「おいおい...出来なくなったんじゃないだろうなぁ」

奥からひとつの影が迫る。その正体は先日俺に魔力操作を教えてくれた混合こんごう 秀斬ひできだった。

「いやいや...3回に1回はできるようになるんだって!」

「なんだその言い訳」

「言い訳じゃないって...まじ!召喚魔法!!」

先程と同じく手の魔法陣から剣を召喚するものの...出現したのはボロボロな木の剣だった。

「だぁーー!!!本当にできるんだってば!!」

「早朝から叫ぶなぁーー!!!!!」

あまりにも声が大き過ぎたのか秀斬が声を上げ怒りに満ちた眼差しでこちらを睨みつける。

「召喚魔法!!では証明してみろ!実戦練習だ!」

秀斬は手から剣を召喚しこちらへ向かってくる。

「実戦練習!?」

スパッ!!

左から右への素早い一撃。俺は咄嗟にしゃがんで回避する。

「つか...今の当たってたら首チョンパだよな??大丈夫なの!?」

「魔法は人間に対してはダメージ軽減されるからな...切り傷程度だから手を抜かなくて済むな!」

「なにその理屈!?まじ死ぬから!」

スパパパパパパパ!

秀斬は連続で的を刺すように剣で突く。

左...その次に右と左右交互に突いてくる。

その後...似たような攻撃が続いて反撃の隙をも見せてくれない。

どんどん俺は後ろへと下がってしまって壁際へと詰め寄られる。

「くっそ!もう逃げ場がねぇ...」

「これもお前に覚えて欲しい戦術の1つかもな...」

そう呟くと秀斬は強烈な拳を昇に浴びせる。

「これが誘導戦術...だ」

くっそ...立ち上がれねぇ...剣を召喚させる好きも与えない攻撃速度...秀斬手やっぱ強ぇ...

思考を巡らせつつも限界を迎えた昇はそのまま倒れ込んだ。

ーーーーーーー

「しっかし秀斬の奴、やっぱ強いな...」

「そりゃ秀斬君だもん...この学校の最強格の1人だよ」

俺と防人は2人してそんな会話を交わす。

「そーいえばここって小学生はたまに見かけるけど高校生って見かけねぇな、高校生ってこの学校には居るの?」

俺は防人に純粋な質問をぶつける。

「いや、高校生がいるってのは聞いたことあるけど確かに見かけたことは...ない...かも」

「ふーん、高校生もいそがしいのか」

「そーかもね」

「ごめん話変えるけどさ...明日は遂に体育試験だね...」

・・・

「え!?もーそんな近いの!?」

防人の発言に驚きが隠せず少し声を荒らげてしまう。

「つまり今日の体育がラスト練習!?」

「そ...そーゆー事になるね...」

「早いな...でそっちは順調なのか?」

「いや...僕はペア組に苦戦中...」

「やべぇじゃん...つかどーすんだよ?今日組めなきゃソロプレイヤーになるぞ?」

「ソロプレイヤーって...」

昇の謎の言葉に少し不思議そうに笑う防人。

「まぁそこは何とかするよ...僕も昇くんに出会ってから多少なりとも勇気が付いたし!!」

「そっか...頑張れよ!!」

キーンコーンカーンコーン

ここでちょうどよくチャイムが鳴る。

そこで俺らの会話は途切れた。

ーーーーーーーー

4校時目...体育

「それじゃあ練習開始だ!!」

先生の言葉と同時に皆が一斉に体育館に散らばる。

「よろしくな...秀斬!」

「それが頼む人の態度ですか?」

「はぁ...よろしくお願いします秀斬さん」

「よろしい」

半ば呆れ気味に頼み込む昇。

なんかだんだん秀斬の態度が高くなってる気がするんだが...まぁいいか

「今日...というかこの試験を突破するにあたってお前に最後に身につけて欲しいのは...今朝俺が披露した誘導戦術だ」

「あれやんの!?まぁつっても魔力操作に比べたら簡単な方か...」

魔力操作と違って頭使う奴だもんな...こう見えて頭使うのは慣れてっからな。

「誘導戦術を舐められちゃ困る...とは言ったが実際に手順は簡単だしな」

「ほれみろ」

「じゃあ説明を始めるが単純に右と左に突きをするだけだ。しかしここで重要になるのが相手を目掛けて攻撃することと相手に必ず回避させることが条件だ」

「いやいや外す前提の攻撃って聞いた事ねぇわ!」

「いいかこの誘導戦術は言葉の通り相手の行く先を誘導させるのが目的だ」

「まぁ細かい事はわかった!いざ実戦といかせてくれ」

「オーケーだ、かかって来い」

「召喚魔法!!」

昇は手から魔法陣を...魔法陣から剣を召喚し秀斬へ攻撃を仕掛ける。

右に左に突いて誘導するっていうシンプルな攻撃だけど実際やってみようとするとムズいな...

シュッ!シュッ!

昇は右に突き、左に突きを繰り返す。

が...秀斬は全く動じない。

そして昇の手首を掴み背負い投げを喰らわせる。

「痛ぇ...反撃は無しだろぉ!!」

「なんだ今のは!!お前の突きは左すぎるし右すぎる!!スピードを意識しすぎだ!!やり直し!」

「うっす」

まぁ仕方ない...言われたことは事実だ...俺の突きは速さ重視で狙ってないから誘導もクソもない...もっと精密度を上げなきゃ!!

「行くぜ!第2ラウンド!!」

シュッ!シュッ!

しかしまた秀斬は動じない。

先程より際どい部分を狙っている...だが秀斬は全く動じない。

再び手首を捕まれ背負い投げを喰らわされる。

「今度は狙い過ぎてる!なんだその突きの遅さは!全く怖くないぞ!!」

無理だ...一気に精密度も速度も上げろなんて無理な話だ...でもやるしかねぇ!!

「はぁぁぁぁぁぁー!!!!」

俺は剣を手に秀斬の元へと襲いかかる。

俺は二度三度突くが未だに秀斬は動かない。

このような出来事が二、三回続きその度秀斬の怒り混じりの指摘を受ける。

内心イライラしつつも冷静に突いていた...つもりだったがやはりイライラしてたのか軌道がズレてしまった。

「あ、やべ...」

俺は秀斬の顔を目掛けたまま、剣で突きを行ってしまう。

途端、今まで微動だにしなかった秀斬が回避した。

当たり前の行動だ...だけど謎の違和感が襲う。

これだ!!秀斬が言っていた相手に目掛けた攻撃...そして相手に攻撃を回避させること...相手を狙うが回避を可能とさせるような攻撃!これが誘導戦術習得の鍵か!

「コツは掴んだ!!このまま行くぜー!!!」

俺は秀斬目掛けて剣を突くが先程までとは違い秀斬が自ら回避する回数が増えた気がする。

さっきの突きの焦点を少し左右にずらせば!!

秀斬は左右へと来る突きを身体をずらし躱していく。

そのまま秀斬を壁に追い込む。

「...おめでとう...ひとまずは習得完了だな」

秀斬は拍手とともに俺を称える。

「もちろん!こんなん序の口じゃい!!」

俺は少し調子乗り気味にガッツポーズを決める。

「ふっ...俺にたくさん怒られた癖に」

「たか四、五回だぜ?魔力操作の時に比べたら少ない方だろ!」

「...そうかもな...ただ気は抜くな、朝のようにできなくなってる可能性もあるし一発屋の可能性もある。まだ時間があるから誘導戦術を本格化させるぞ」

「もちだ!」

俺は素直に了承し再び練習を続ける。

キーンコーンカーンコーン

授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、俺は集合場所へと足を進める。

「昇!」

「ん?」

秀斬に呼び止められ俺は一度振り返る。すると秀斬は拳をこちらへと向けて話し出す。

「明日の試験頑張れよ!!」

「もちろん!!」

俺も差し出された拳に応えるように拳で押し返す。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ