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危機を回避せよ?


大子が子供の頃に、体調不良の中、外出したこと。

勇気を出して耳鳴り予知の事を付き人の橘に話したこと、


そして...耳鳴りが何かの予知をするという仕組みもわかった。


とりあえずは、耳鳴り予知が発動したときに、起こる何かを回避すればいいってことで...


大(そもそも、耳鳴り予知の力は危険な事が起きるとは限らないのか?

でも、今のところ危険そうな出来事は起きている。

どんな意図で予知するのか、いつ耳鳴りが起きるのかもわからない...

それには、何か対策しなくてはいけない...か。)


現状、耳鳴りが予知能力だという事について知っているのは

大子本人と、話を聞いた付き人の橘のみ。


友人に話せば、中二病かやばいやつだと思われかねない...

もちろん、友人を信頼している。が、万が一も考え、巻き込みたくは無い...

今のところは、理解者が一人いればいい。



とにかく、耳鳴りするタイミングがわからない以上

対策の保護を考えないと、身体への負担としては昔のように

疲れやすくなる。


そうなると、家族や周りにも迷惑がかかる...

負担は、耳鳴りと頭痛、ひどければ失神してしまうかもしれない。

大子が調べる検索履歴は、病名や症状のことばかり、あくまで病での症状だが...


それをこの能力に当てはめてもいいものなのか。



大「まあ...考えながら手を打つしかないかな。

よし、仕組みはわかったんだ。手伝いに行きなきゃ」


つい最近、母が怪我をしたばかりだ。

それさえ事前にわかって防げたら...


考えても仕方がない。

今、母にはゆっくり休んでもらって、大子は学校が終わって帰宅後

使用人と家事をこなして行った。


そんな健気なお姿を見て、「坊っちゃんはお優しい人ですね( ´ー`)

奥様に似たんですかね?」と、みな、口を揃えて言うのだ。


大子は、人のために役に立ちたい思いで...その一心で今は、

目の前の事を一生懸命頑張っていた。



手伝いを終えて、部屋に戻ると

急に耳鳴りがした。

すぐに治まったが、疲れからなのか、それとも予知によるものなのかわからず

気が抜けない。


お風呂に入り、水を飲みに行くと

キッチンに一人の使用人がいて、なにやら物を整理していた。


大「何か手伝いましょうか?」


優しく声をかけると、


使用人「坊っちゃん!いえいえこれは私のお仕事ですから!

お気遣いありがとうございます」


そう言われても、使用人とはいえ女性に重い荷物を運ばせるわけにはいかない。

(やっぱり手伝います)と、言って荷物を運ぶ。


使用人は、「湯冷めしてしまいますし、万が一がありますから!」

とおどおどされてしまった。


それはそうだ。

大子は、子供の頃から病弱で

この家に幼少からの大子を知らぬものはいない。

心配するのも無理はない。


なんだかんだあっても、大子は男だ。

誰にでも親切に、両親の教えと経験をして学ぶ。



荷物を運び終え、出ようとすると...

物置小屋から鉄パイプが倒れてきた!!


大子は慌てて抑え、それを奥の方へ戻した。

使用人は心配していたが、大子は平気です(^-^)といい

ひとまず安心した。


お礼を言われて、部屋に帰る。


そして、大子は思った...

もし、あの時自分が水を飲みにいかなければ、

手伝っていなければ、使用人は怪我をしていたかもしれない。


これが、耳鳴りの原因なら...危機を回避した?

守れた。ということになるが、まだ気が抜けない。



何も起きないことを願って、

眠りについた。


次の日学校へ行くと、友人が、漫画を持ってきていた。


本来なら禁止なのだが、屋上へ行きこっそり見せてもらった。


面白くて、普通の高校生活が楽しくて

たくさん笑った。


何事もなく学校も終わり、帰宅する。


本当に何も起きないこと......



大「...?

昨日のは、ほんとにそういうことなのか?」



夕方、橘の運転する車に乗って文房具屋へ行った。

ボールペンのインクが無くなって買いに行こうとしたところ、

橘が、付き人として坊っちゃんをお守りします。と聞かず、

一人で買い物へも行かせてもらえない。


事情を知ってる一人だが、こんなにも過保護なら話さなければよかったと

後悔する大子だった...。



買い物を済ませ、帰る途中

車内で耳鳴りがした。

それも、少し大きい音...



橘「坊っちゃん大丈夫ですか?

また、耳鳴りですかぁ...何もないといいのですが。」


しばらくして治まると、少し空気を吸うために窓を開ける。


大子が深呼吸していると、赤信号で車が止まり

歩道の向こう側にお店がみえる。


そこに、リードで繋がれていた犬がいた。

お店は閉店しているのに、なぜ繋がれているのか?


その近辺にお店はあるが、ほとんどが閉店していて

人気(ひとけ)もない。


置いていかれたのか、うつむいていてなんだかかわいそうだ...



大子は橘に相談すると、車から降り、犬の元へ向かった。


近くに行くと、犬種は柴犬で、首輪をしていた。

名前は...「まる」


大「あれ?...この犬、前に僕の前に走ってきた犬だ」


橘「あぁ!あのとき、坊っちゃんが驚いて転ばれた...」


大「覚えてなくていいよ...恥ずかしいんだから。


おま...  ま...る? まるは、飼い主は?置いてかれたのか?」


犬は、く~んと鳴き とりあえず近くの交番に相談して

保護してもらった。


柴犬まるは、飼い主が見つかるまで保護活動をしている施設で預かることになった。


ただ...飼い主が現れずこのまま施設で保護されるとなると

犬もかわいそうだし、最終的には生きられ無いかもしれないと。

保護施設の人に言われ、一応引きとってくれる人を探す予定らしい。



見つかるといいな飼い主。


二日たった頃に、真邊家に一本の電話があった。

柴犬のことで、飼い主は現れず、探してる人もいなかったという連絡だった。


それを聞いた大子は、

行くところもなく、探してる人もおらずまるで、居場所のないような感じがして

胸の奥が何故かぐッとつかまれてるみたいに苦しかった。


保護施設の人に、家族に相談して

家で引き取れないか聞いて見ます。と言った


無事 相談でき、まるは 家の家族に迎えることになった。



明後日、迎えに行くことにした。

それまで、エサや犬小屋などの準備をしている。


今回、大子は初めて危機を回避した。

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