ただ、ただ、レビューを書いた。
誰かを批判する話ではありません。
僕を持ち上げる話でもありません。
何処かの誰かを褒め称える話です。
なんだかレビューについて色々言われているので、2022年秋と2023年春の2回に渡って、約200件くらいのレビューを書いてみた人のお話です。
最初に、読者専の方々に謝ります、ごめんなさい。
『僕はそのレビューの殆どを、作者の為に書きました』
募集はTwitterから、今風に言えばRT企画とでも言えばいいんでしょうか。
別に『いいね』も『RT』もいらなかったけれど、よく見るハッシュタグは使わせてもらいました。
『読ませてください、そうして褒めさせてください』ってだけの話。
どうしてかって、それで作者が少しでも元気になって、読者と作品で繋がるならいいなって、そのくらいの動機でした。
作品は沢山ありました。だけれど、誰の作品がどうだったなんて事は言いません。
書籍化した作品もあったみたいですが、多くは未だに僕の作品達のように燻っている作品だろうと思います。
僕の目から見て『僕には合わない』と感じる作品は勿論ありました。
――だけれど、当たり前だけれど、だからって良い部分が無いわけじゃないんです。
僕のレビューした作品一覧を見てくだされば一応証明は出来ると思います。
それぞれ全ての作品に違う言葉で良い部分を真正面から伝えたつもりです。
僕にとっては合わなかったとしても、誰かには合うかもしれない。
何より作者が、僕が見つける事が出来て、書き残す事が出来た強みを元に、もっと良い作品を創る未来があって。誰かの楽しい時間を創るかもしれない。そんな気持ちでやった、良いとこ探しの旅でした。
言ってしまえば、僕は読むよりも書く方が楽しいし、インプットは別媒体から取り込むので、自分から他作品を読むという事は殆どしなく、Twitterで自薦して頂きました。
でもやっぱり、それって良い目で見られるもんじゃないんだよなぁなんて、そんな風に思いながら、受動的だけれど山程ついたリプライ、要は200作品全てにレビューを書いてみました。
そうして、それらのTwitterの記録はもうありません。
だって自薦して書かれたレビューを忌避する読者、及び作者もいるのでしょう? それに募集要項を読まずに同作品を送ってきた証が残っていたり、『なろう限定』と目立つように書いていてもカクヨムだったり別サイトがあったり、そういうのって汚点になってしまうでしょう?
僕については、それでもいいんですよ。
実際の所。カクヨムはアカウントがあったからそれで書けばいいし、知らない別サイトは登録して書けばいいだけの話。手間じゃあない。けれど失敗は失敗、何も言わないけれど、気づいてくれりゃあいいけれどなあなんて事を考える僕は、ちょっと冷たい人です。
――そもそも、褒めるだけなんてのは冷たい事ですから。
とはいえ、これは僕のスタンスで、変えようも無い事でした。
募集要項を読まれなかろうが、何されようが、リプライに来た作品が消えてようが、レビューを書いた数日後に作品が消えていようが。
『"僕は"』気にしません。
だって僕がやったレビューは僕の我儘で、僕が作品を自薦して『貰って』いて、ただやらせてほしくてやっていただけなのだもの。
だけれどもし僕の所で失敗して、次他の所でやるのならうまくやってくれたら良いなって思ってみていました。
本当に、他の人の所ではやめよう。迷惑もかけちゃうし、自分の評価が下がっちゃうよ。
結局、いくつかの作品が消されているので200件からは減りましたが、レビューについては書かせてもらってありがとうしかないんです。
こういうレビュアーもいるんです。
とはいえ、レビュアーと名乗れるような事を書けていたかは分かりませんが。
多かったのもあり、個人的な好みも勿論あるので、似たような褒めるポイントも、見ていけばあるかもしれない。
けれど確かに全ての作品それぞれに、ちゃんとその作品にある強み、良い部分がありました。僕はそれを作者に伝えたかった。
筆が折れていくのを見るのが、しんどかったんですよね。
自分語りはあまりしたくはないのですが、きっかけとなった出来事があります。
結構近い距離感にいた物書き仲間が四人、ネットでは無く現実での知り合い。
物語を書いてみようと言って立ち上がった友達、僕が物語を書く原因になった人達。
僕以外全員筆を折りました。それが悪い事とは言いません。
それぞれがやりたい事をやるべきです。だけれど何処かの誰かが「誰にも読まれない」と筆を折る前に、その人の強みくらい見つけられないかな。書くという事について後押し出来ないかな。
そんな気持ちでした。
――僕は、誰かの作品のファンにはなれないけれど、頑張る誰かのファンだったんです。
『面白い』かどうかと『強み』があるかは別で、読まれるかどうかについても今は方法論で溢れていて、だからこの程度で語りきれる話ではないのだと思います。
それが、寂しかったのかもしれませんね。
だから、僕がやった事達が正解だったかは、やっぱり分からないです。
答えも、きっといらないんだと思います。
『君のも読むから僕のも読んで』の類。
昔からではありますが、長い事問題視はされていましたよね。
そういうのは正直、好きにしたらいいのだと思っています、方法の一つだろうと思います。
それで伸びて満足出来るのであれば、それでいいんじゃないかなと思うんです。
僕は多分、満足出来ないし、必要無いと思ったので、レビュー期間中にもし読者さんが増えたなら、純粋に好きになってくださった何処かの誰かだと思いたいです。
はっきり言ってこういう行為で自分の作品が伸びて欲しいだとか、こういう事をきっかけで読んで欲しいとは全く思わなかったんです。だけれど読み合いだとかを否定する気もサラサラありません。
方法論、その一言に尽きると思います。そうして、そういった色々な事について文句をつけるのもまた一つの感情の逃し方。
いいじゃないの、そういう風に世界って回っているんだと思います。
じゃあなんで筆を取ったかは、分からないな。
影響を与えたいわけでも、何かを強く訴えたいわけではない。
だけれど『それだけじゃない』を言いたかったのかもしれない。
僕なんか、志だけを語るペーペーで、物凄くちゃんとしたレビュアーさんってのは本当に存在しているからさ。見返りなんていらない僕みたいな変な奴もいるしさ。
だってTwitterの固定の自作まで消して募集要項の『迷惑かけないでね』に変えてたんだ。
Twitterから僕の作品の飛ぶのはあえて面倒にしていたくらい。
だからこそ、ちゃんと増えないブクマやアクセスが証明してくれています。
まぁ、調子が悪くて怠惰な自分も悪いのですが、レビュー絡みで増えた評価などは無いだろうと思います。
それにあっても困るし、見返りも反応もいらないと明記していたので、反応にはいいねだけ押させて頂きましたが、それ以外は僕がレビューを書かせてくださいと言っていた痕跡すら残っていません。
残ったのは、僕からの想いだけです。
最初に書いた通り、皆本当に自作には触れてくれなかった、ありがたかった。
これでいい、非効率かもしれないけれど、これも一つの矜持。
――矜持を抱いて死ぬか、方法論や傾向と対策でのし上がるか。
それはきっと、ネット小説で高みを目指す人のテーマにも成り得るんだろうなと思いました。
僕なんかはニッチな話を書く人なので、そのうち死ぬんだろうなぁ、実際調子も悪いですし。
レビューを書いている中で、ものっっすごく同じような文章を量産している人もいたし、問題視されて毛嫌いされているような状況も見て、やっぱり悲しい。
けれど、僕についてはまぁ、何言われてもいいかなぁと思った。
僕が思った、募集した時のアレソレなんて、僕が良いって言ってるんだ、僕が我慢するだけの話。
それでも、いつか気づいて欲しいと小さく願ったりもした。
レビュー、書き終わったし、きっともう書く事も無いんだろうなぁって思ったから、こういう人もいたんだよ。っていう記録を残しておきたくなった。
『筆が折れなきゃいいよなぁ』って想いだけで、レビューをちょっとだけ多く書いてみた人のお話でした。
そんな事を書く僕もまぁ折れかけた筆で、折れてしまった心で、血反吐をインクにして、何とかかんとか、生きるように書いていきたいとは、思っています。
満足して終わるその日まで、がんばろうな。