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幼馴染と7年ぶりに同じクラスになった  作者: とらとー
第4章:秋・冬イベント編
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第49話 初詣の誘い

 話は少し前、12月の中頃までさかのぼる。

 その日はまた、俺の家で、母さんと響子さんがお茶をしていた。

 俺はまた、二人の邪魔にならないように、自分の部屋で勉強をしていたのだけど、その時、コンコン、と俺の部屋がノックされた。

 出てみると、母さんがいて、「ちょっと来てくれる?」とリビングに促される。

 リビングでは響子さんが笑顔で待っていて、母さんも似たような顔をしていた。

 そして、響子さんが話を切り出した。

「悠珠くんは、今年の初詣は、琴美とどうする予定なのかなと思って」

 話の内容は、なんだか前にも同じようなことがあったような内容だった。

「ええと、まだ決めてないですけど……」

 基本的に人混みが得意ではない俺に琴美が配慮してくれていることから、少なくとも元日には初詣に行かない予定を立てていた。

 そもそも初詣というものは1月中に行っておけば十分問題はないというものなので、下旬にでも二人で行くかもね、くらいの感覚で話していた。

「いやあね、二人とも高校生になったことだし、琴美も悠珠くんも、和服姿で揃っていくのもいいんじゃないか、という話が出たのよ」

「えっ、俺もですか!?」

 響子さんの言葉に、俺はつい驚く。

 前にこんな話が出たときには、琴美が浴衣を着て夏祭りに行くという内容で、俺は普通に洋服を着ていた。

「俺が着ても、大したビジュアルにならないんじゃ……」

「そんなことないわよ! だっていつも琴美、悠珠くんのことカッコいいって言ってるもの」

「えっ!?」

 その言葉に、つい驚く。

 まさか、そんな話を琴美が家でしていたなんて、思ってもみなかった。

 そうか……琴美はそう思ってくれてるんだ……。

 嬉しさが胸に、そっと広がっていく。

「だから、今回は悠珠の和装姿で、琴美ちゃんをあっと言わせてあげなさいよ!」

 母さんもそんな感じで乗り気だ。どうやらお金も出してくれるらしい。

 ……琴美に、かっこいいと思ってもらう。

 それは……思ってほしいな。

 そんな俺の顔に、母さんは満足そうに、

「じゃあ、今度買いに行きましょう!」

 と宣言したのだった。


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