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幼馴染と7年ぶりに同じクラスになった  作者: とらとー
第4章:秋・冬イベント編
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第47話 クリスマス③

 家に帰ってから、テーブルの上に、ピザとケーキを並べて。

 普段使わないワイングラスを出してきて、それにシャンメリーを注いで。

 そして俺と琴美は、向かい合わせに座った。

「メリークリスマス」

「メリークリスマス」

 お互い静かに、相手にだけ伝わるような声でそう言うと、小さくカツン、とお互いのグラスを合わせて、シャンメリーを口に運んだ。

 琴美の誕生日会のような派手さはないけれど、だからといって気まずさもなく、穏やかな時間が流れる。

 こういうのも、なんかいいな、と感じた。


 琴美は今回も、ピザもケーキも、本当に美味しそうに食べていた。

 やっぱりこの顔、好きだなあ、としみじみ思っていると、


「うん、やっぱりこのケーキ、とっても美味しい! 悠珠も食べてみてよ!」

 

 そう言って、琴美が選んだショートケーキの一部をフォークに刺して、俺の方に向けてきた。


 ……こういうときは時々、たまに、いや結構な頻度であるけど、やっぱりなかなか慣れないなあ。

 そう思いながらも、ワンクッション置いてから意を決し、あむ、とケーキを咥える。

「どう、美味しいでしょ!」

「……うん、美味しいね」

 早まる鼓動を抑えながらそう言うと、琴美はとてもいい笑顔を向けてくれた。

 そして、その後、琴美の視線が、俺の選んだチョコレートケーキにそそがれていることに気がつく。

 その視線の意図を読み取ると、俺はケーキを一部切り分けてフォークに刺し、手を添えながら琴美の口元に持っていく。

 あむ、と前に乗り出しながら、琴美は俺のフォークを咥える。

「ん~ん! これも美味しいね!」

 それは、いつもより赤みがほんのり差した、でもやはり俺が大好きな、琴美の笑顔だった。


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