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幼馴染と7年ぶりに同じクラスになった  作者: とらとー
第4章:秋・冬イベント編
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第45話 クリスマス①

 秋の過ごしやすい気候の時期はあっという間に過ぎ去り、一気に冬が訪れて。

 気づけばもう12月になっていた。

 その日は、俺と琴美と、江藤さんの三人でお昼のお弁当を食べていた。

 琴美と付き合ってからも、こうして時々一緒にご飯を食べている。


「そういえば、琴美と緒方くんってクリスマスイブは二人で何するの?」


 そんな江藤さんの言葉は、突然発せられた。

「そ、そんな二人で何かするのが当たり前みたいな……」

「いや、そうなるでしょ、こんなラブラブなカップルなんだから」

「ら、らぶらぶ……」

 俺の言葉に対して、そう断言されるように言われると、俺も琴美もタジタジになってしまう。


 い、いや、まあ、二人でいる予定なのは、本当だけどさ……。


「でも今回は本当にたまたまで、ちょうど俺の父さんも琴美のお父さんも、会社の忘年会が入ってて、俺の母さんと琴美のお母さんは一緒にママ友会に行ってて、それで帰りが遅いってだけで……」

「なるほど、後は二人でお楽しみ、と」

「帰りが遅いだけで、両親その日にちゃんと帰ってくるからね!?」

 お、お楽しみって、そんな……。

 ……いわゆる、「そういうこと」は、俺と琴美の間では、まだしていない。

 俺からのキスだって、この間初めてしたばかりで……。まだ、早いんじゃないかな……?

 つい、チラッと、琴美の方を見る。

 琴美も琴美で、俺の方をチラッと見るような表情をしている。

 きっと、俺の今の顔も、琴美の顔と同じくらい、赤くなってるんだろうなあ……。


「ほらもう、二人の世界入ってるし」


 そんな江藤さんのツッコミに、二人揃ってハッとなったのだった。


*******


「クリスマスかあ……」

 その日の帰り道、琴美と二人で帰る途中、思わずつぶやく。

「お昼の話の続き?」

 琴美も応じてくれる。

「いやあさ、なんとなく話の流れで決めちゃったところあるからさ」

 そう、最初は、これまでそれぞれの家でやっていたクリスマスの家族パーティーみたいなものに、どちらかが混じるようなものを想定していたのだ。

 しかし、その後段々と他の家族が別の予定が入っていって、

「じゃあ、二人でクリスマス会する?」

 という話になったのだ。

「元が元だからさ、家で二人で過ごすみたいなことを考えてたけど、せっかくのクリスマスだし、本当は琴美はどこか行きたいところないのかなあ、って」

「えー、でも、悠珠は人混みとか、得意じゃないでしょ?」

 そう、クリスマスに外でデートするとなると、どこに行っても人でいっぱいなのだ。

 それでお互い疲れてしまって楽しめないくらいだったら、家で過ごしたほうがいいだろう。

「でも、琴美が行きたいところだったら、俺も頑張るよ」

「ヤダ、悠珠も楽しんでくれないと、アタシがヤダ」

「琴美が楽しければ、俺も楽しいけど……」

「それはアタシも同じだから」

 そんな形で、やっぱりクリスマスは元の通り、家デートという結論に戻っていったのだった。


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